男女比が異常な異世界で最強になった俺は前世の夢を追い続ける

音感あっきー

2章。崩壊の歯止めと約束。

「これって…貴方は私の弟…ってこと?」

「………記憶に空白があるんです、心にも……」

「……私もかもしれないわ」

「でもどうして記憶が無くなっているのでしょう」

「……分からないわ」

「でもこれで僕が貴女にマーキングの魔法をかけていた理由が分かりました……」

「私の気持ちは変わらないわ……最期には私を殺してね」

「…………」

2人は闇を抜けた。
その先には大きな生物がいた。
その生物はただただ、大きな身体に小さな手足と頭があるだけのバランスの悪い人型であった。
そして、その大きなお腹から人の上半身が貼り付けになっていた。
腕と足は大きな身体に取り込まれ、上半身が辛うじて外に出ている。
そして、その人はルーシャであった。

「ルーシャさん……」

「助け出しましょう」

「ええ……」

2人は大きな生物に向かって走る。

大きな生物は向かってくる2人に大きな雄叫びを上げて小さな口から真っ黒な闇を出した。
あたり一面は闇の霧の様になり視界が悪くなる。
そして、体内に入った闇は何かを探すかの様に全身を駆け巡る。

「何これ……意識が……」

「瞬足……」

ひゅん。

そんな音と共に2人は闇から抜け出す。
レインの腕の中にはお姫様抱っこをされたサンがいた。

「大丈夫ですか……」

「……ええ、何で助けたの……?」

「分かりません……」

「…………」

そんな2人の会話の最中、大きな生物は喋った。

「なんだ?お前ら、まるで初対面かの様に喋りやがるな」

「「!?」」

「ひゃははは、驚いてやがる、それにしても、さっきのアレのせいでお互い初対面ぽく接して忘れようとしてんのか?ひゃはははは、そりゃ滑稽だ」

「なんの事だ?」

「ええ、何を言ってるのか全く分からないわ」

「そりゃ、演技か?それにしては上手過ぎるな。本当に覚えてねえのか?いやー、それにしても、そこの女はおもしれーな、そんなに弟が大好きとはな、うひゃひゃひゃ」

「だから、なんの事よ」

「お前、覚えてねえのか?」

「ええ……」

「そりゃ、面白えや、………ん?」

大きな生物は何か悪い物を見つけたかの様な顔をした。

「……おいおい、コイツはヤバイ奴に捕まっちまったなぁ……。おい、男、お前、転生者だな?」

「!?」

「図星ってとこか、お前ら2人からお互いの記憶を消したのは神だ。これで納得がいったぜ。あんなに魔法かけてるのに全部、無効化されちまうんだからな」

「………………」

「ど、どうしたの?転生者って何?」

「………………」

「まぁ、今は神とお話中ってとこか?」

「……姉さん、ごめんなさい。……でも、良かった。ギリギリセーフだったみたいだ。神ちゃんに感謝しなきゃだね」

「え……姉さん……?記憶が戻ったの……?」

「ほぉ、やっぱり1番肝心な所でお前の動きが止まったのは神の仕業だったという訳か。そして今、記憶再生を受けたんだな」

「あぁ。そして、お前の正体とこの場所は何と無く分かった。」

「ええ?もう何が何だか……」

「俺を殺すのか?まぁ、転生者に勝てる気は全くしてねえからな、もう手は打ったぞ?残念だったな」

「え!?神速!」

ひゅん。

レインは大きな生物へと一瞬で距離を詰める。
そして、攻撃するのでは無く、取り込まれかけているルーシャを抱き抱える。

「神速!」

ぴゅん!

ルーシャは大きな生物から解き放たれレインに抱き抱えられたまま遠くへと連れて行かれる。

「時間が無い!神ちゃん、宜しく!」

レインのその声と共にルーシャは消えた。
そして、再びレインは神速を使い元の場所へと戻る。
すると、

「流石、転生者、はえーな、でももう手遅れだ、じゃあな」

大きな生物はそう言った。

ぷつん。

何かが途切れた気がした。

「これは約束……私を殺してね……」

そんな問い掛けが俺の頭に響いた。

だからレインは応えた。


「姉さんは俺が必ず助ける」


そしてレインの意識は刈り取られた。



ちょっと、三人称視点になってから状況把握の文章が少ないな。
これは反省。
気をつけます。
あと、これからは少しだけ更新頻度が低くなります。
試験が終わって時間が出来ると思ったら案外時間が無くて大変です。
すみません。

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