男女比が異常な異世界で最強になった俺は前世の夢を追い続ける

音感あっきー

2章。出会いと嫉妬ちゃん。

騒動の帰り道は、ルーシャさんとアイと話しながら帰った。
よく考えてみるとルーシャさんとは余りしっかり話した覚えがない。
それは、俺自身がツンツンされるのを避けているのか時間が無いのか…。

「ルーシャさん、元気ですか?何かさっきからいつものようじゃない気がするのですが」

「え、いえ、あ、はい。大丈夫です」

ルーシャさんはそう答えるが、何か思い詰めている事があるかのように、ずっと、俯きながら歩いている。

「あの、生意気かもしれませんが、僕で良ければ相談乗りますよ?」

そう言うと、ルーシャさんは俺の顔をジーッと見つめて、少し目を外した後に

「………結構です」

絶対に何かあるよなー。
でも今日はやはり、いつもよりツンが無くて穏やかな雰囲気だ。

すると、
「お兄ちゃん、アレ」

アイは今、俺の背中に背負われている。
そして、後ろから耳に囁くようにそう言った。
美少女からコソコソっと耳元で囁かれてドキッとしたのは内緒だ。
話を戻そう。
アレとは恐らくアレの事だろう。
確かに、何か悩み事がある時は甘い物を食べると少しホッとする気がする。
それがヤケ食いに繋がる気がしなくも無いのだが。
俺は収納魔法からアレを取り出す。

「ルーシャさん、悩んでいる時は甘い物を食べてホッとして下さい。ちょっと試作品として作ってみたナッツのお菓子です。食べて見て下さい」

アレ。アレですよ、アレ。
キャラメルナッツです。

「え……………あ、じゃあ、頂くわ」

そうポツリと言ってルーシャさんはキャラメルナッツを手に取って口へと運んだ。
口に入れる前に恐らく嗅いだ事の無い甘い匂いに魅了されていた気がするが、少し可愛かった。
ミーシャさんと同じ顔なだけの事はある。

「おいしい。初めて食べる味だわ」

驚いた様に言うルーシャさん。
どうやら、この世界にはキャラメルは無かったらしい。
その内、キャラメルポップコーンも出してみようか…。

「良かったら少し貰って下さい。」

俺はキャラメルナッツを小瓶に入れてルーシャさんにあげた。
アイが少し背中で悲しそうな顔をしている気がしたが、また作れば良いだろう。
俺も甘い物好きだし。
それに、これで満足する訳ではない。
ナッツはもっと色々何か用途があるはずだ。
更なる試作品を作ってやろうではないか。

キャラメルナッツの小瓶を貰ったルーシャさんは笑顔で受け取ってくれた。
うーん。
やっぱり、今日はおかしい。
もしかして、神様の力のお陰?

(神ちゃん、ルーシャさんと話してる間って説得力増す力発揮されてるの?)

『いいえ、レイン様が指示してくれれば、力を使いますが』

(いいや、これがルーシャさんの素なのかもしれない。)

そう、いつもなら、「一応、感謝するわ。」というシチュエーションだ。
それが、こうも簡単に受け取られてしまうと調子が狂う。
しかも、笑顔で。
ルーシャさんの笑顔は割とマジで超貴重だ。
ミーシャさんにそっくりだ。
でもコッチの方が良いと思う。
まぁ、ミーシャさん程デレデレされても困るのだが。
もしも、意識的にツンを演じているのであれば、何か過去にあったのかも知れない。
記憶を探る魔法は有るんだけどなぁ。
使うと本人にバレちゃうからね。
というのも、記憶を探るチート。
これは、相手の脳と自分の脳を繋げる事で相手の記憶を引き出すのだが、その際に相手は瞬間的に俺が、相手に記憶を探る技を使ったという認識を俺の記憶から奪えるのだ。
それ以上の記憶は神ちゃんがカットしてくれるが、プライバシーの侵害だからな。
それにチートを使うよりも、しっかり、向き合った方が良いだろう。

「あの、やはり悩んでる事があれば言って欲しいです」

さっきチートを使うよりも…とか言ったが使ってしまった。
いや、使われてしまった。
この力が使われるとき、自分にも言動の1つ1つが輝いて聞こえるのだ。
説得力向上だ。

『使うべきだと判断しましたので……てへ』

でも、良いか。
これで、何か解決できるなら。

ルーシャさんは難しそうな顔をしている。
顎に手を当て少し考えた後、何かを決意したように俺の目をジーッと見て、一度反らした後、再びジーッと見て口を開いた。

「私、男性が嫌いなんです」

うん。
知ってる。
男性を見て、まず妄想する。
これがこの世界の女性だ。
俺もこの顔のお陰か、妄想に浸った女性が求婚してきたり、襲ってきたりなど色々あった。
それは、姉さんも母さんも同じ。
アイは少し違うかもしれないが。
ルーシャさんに関しては、1ミクロンもそんな物を感じなかった。
会って初期の頃、俺に言った言葉は確か、私はミーシャとは違う。そういう内容だった。
だから、今更、こんな事言われても驚かない。

「知ってます」

「え、知ってたの?」

「見てたら分かりますよ?」

「ええ……でも、少し自分の考えを見つめ直したわ」

「と言いますと…?」

ルーシャさんは再び決意したように言った。

「レイン君は少し違う気がするわ」

あれ。
さっきのルーシャさんに関しては、そんなもの1ミクロンも感じなかった…の下りが崩壊しそうなんだが。

「私は男の自分が偉いって思ってる所が大嫌いなのよ。男に生まれたとしても女に生まれたとしても同じ人間でしょ?なのに、どうしてこうも差が出るのか理解できないのよ」

差別みたいなものだもんな。
男だから偉い。
これは些かおかしい。
盗賊の男が偉い訳が無い。
でも、それが偉くなってしまうのがこの世界。
理不尽な事だ。

「つまりは、皆、平等であれ、という事ですね?」

「ええ、でも、貴族は別に良いわ。身分差だもの。同じ平民同士の男性と平等じゃないのが大嫌いなの」

少し俺とは意見が違ったようだ。
俺的には、貴族制度?
そんな物、壊せ。
そういう様にしか俺には考えられない。
まぁ、この世界で壊すつもりは無いけどね。
貴族を正す事はすると思うけど。

「僕は正直、貴族であっても平等主義者です」

「うふふ、それもレイン君らしいわ」

やっぱり、おかしい。
調子が狂う。
ルーシャさんが笑ってる。
何これ何これ。
そして、俺の耳元で、ふーっふーっ。って息を吹き掛けるアイ。
アイの顔を見ると、頬を膨らましていた。
背負っているため、うまく腕が回らないが指で膨れた頬を突いてやった。
すると顔を首にスリスリとしてきた。
可愛い。
これは嫉妬ちゃんかな?
嬉しいな。

「あはは、あのー、ルーシャさん?何か今日、おかしくありません?」

「何を言ってるのよ、レイン君だからよ?」

「いや、なんか調子狂いますって」

「え……嫌なの…?」

「あ、い、いや、そういう訳じゃなく…その…」

「じゃあ、良いじゃない、うふふ」

笑いながら、俺の手を繋ぐルーシャさん。
おかしい。
おかしいよこれ。
というより、根本的解決になってない。
ルーシャさんの男嫌いを直すのは無理だとしても、意図的に男に対してツンをしている事が判明したのだから。
せめて、限度と言うものを知らなければ損しかないぞ?
この人。

「あの、ルーシャさん、他の男性にも今程じゃなくて良いので、もう少しツンを和らげてあげて下さい、そちらの方が僕的にも問題が起こら無さそうで何か安心します」

「そう?レイン君が言うならそうするわ」

チョロ……。
いや、一応言っておくが、説得力向上は使ってないからな?
それにしても、何なんだろうなあ、いきなり積極的になられると…。
これがツンデレって奴なのかなぁ。
なんか、良いなあ。
うへへへ、うへ。

「お兄ちゃん、エルフの事…聞いてみて?」

アイはボソっと呟いた。
俺はまだルーシャさんには言っていない。
本当はアイを寮に泊めてくれているのだから、エルフという事を明かすべきなのだろうが、ツンツンしてアイを傷付けないかが心配だったため避けておいた。
だが、今なら…

「ルーシャさん、エルフ好きですか?」

「え?アイちゃんの事?」

ほえ?

「知ってたんですか?」

「ええ、ミーシャから聞いてたから、あ、別に気にしなくて良いわよ?私はレイン君と同じく平等主義者ですから」

そう言う訳か。
納得。
ミーシャさんならペラペラ言いそうだ。
恐らく、念願のエルフちゃんに会えたの!!とか言ったのだろう。
まぁこれで一件落着…なのだろうか。
この後、何か面倒な事になる気がするんだよなぁ。
まぁ、いいか。
今日はこれで解決だ。
ルーシャさんに近づかれて全く悪い気はしないし、女の子と手を繋ぐこの感触。
とても柔らかい。
アイも柔らかいが、細いせいか少し固い気もする。
でも、それが良い。

そして、レインとルーシャは寮に付きお互い別れて、レインは部屋へと戻った。




大学、合格してましたー!
あ、まぁ浪人生ですけど。
受験生とは思えない、ここ最近の小説の配信率。
試験当日もしっかりと配信しています。
良いんです、息抜きでしたから。
良いんです、受かったんですから。

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コメント

  • ノベルバユーザー330645

    大学合格おめでとうございます!
    作品楽しませてもらってます!これからも頑張ってください!!

    1
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