男女比が異常な異世界で最強になった俺は前世の夢を追い続ける

音感あっきー

2章。俺、お兄ちゃんになります。

うーん、罪悪感。
見た目が異性物だからと言って殺して良かったものなのだろうか。
でも…殺さなかったらアンデッドに皆やられてただろうし……
あ、アンデッド!

そう思い出し、沢山の死体に目を向ける。
やはり、まだ転移されているようだ。
さっきの奴、倒したからもう終わったと思ったんだけどなぁ。

「死ね!暗黒魔法ブラックバレット!」

ひゅひゅひゅんっ!!

再び耳が裂けるような声と共に、黒色の弾丸がレインの背中を目掛けて飛んでくる。

とんっ。

いくつかは避けたが、腕には一発だけは受けておいた。
正直、ブラックになったから何が変わるのか分からないのだ。
だから、敢えて一発、実験として受けた。
受けたというよりかは、触れたと言うべきか、普通は貫通する筈が、レインの肌に触れて、霧散した。
レインの反発係数いくつなんだろう。
それにしても、生きていてくれたのか。
少し罪悪感が減った気がした。

「な、何故効かない!!!」

驚いている目玉の魔獣。
相変わらず耳が痛くなる高い声だ。

「ねえねえ、魔族さん、さっきの技って普通はどうなるの?」
俺は教えてくれないかなーとか淡い期待を持ちならがら聞いてみた。
自分の手の内を明かす訳ないよな。

「本来なら、闇がお前を飲み込んだ後、色んな方向から力が掛かって引き裂かれる魔法だ、それを当たって居ながらどうやって防いだ!!」

おお、教えてくれちゃったよ。
目玉が真っ赤に充血してるから、怒ってるのかなぁ。
でも分かった。
暗黒魔法っていうのは重力が関連してるんだな。
きっとブラックエクスプロージョンはその闇を爆風で飛ばして強い重力を色んな方向に無作為に飛ばして敵を引き裂く技なのかもしれない。
それをブラックゾーン内で使われていたら、全ての闇が1点集中で集まってただろうから、もはや、マジで跡形も無く消えてたかもしれない。
闇魔法ではなくて暗黒魔法としているのは、闇魔法の範疇を超えてるからなのかもな。

「魔族さん、もしかして不死身?」

「我をアンデッド何かと同じにするな!」

「倒し方教えてくれないかなー?」

「誰が言うものか!」

「拘束魔法、雨バージョン」

ぴとん

ビリビリ

ぱたり。

やっぱり、即断即決。
言わないのなら吐かせる。
え?俺が悪者に見えるって?
やめてくれよそんな冗談。
これからが楽しみなんだから。
とか心の中で呟いてみる。
魔族さんの口みたいなのだけ拘束を解除する。

「ねえねえ、倒し方教えて?」
俺は拘束のレベルを気が失わない程度に上げたり下げたりする。
まぁ、何と理不尽な拷問。
ピアノでグリッサンドを低音方向と高音方向に連続で咬ます感じだ。

「ぐああぁ、俺は分身体、俺は分身体!本体を殺せ!ぐあぁ!!もう辞めて……」

「倒しても消えない分身魔法も使えるのか…本来の力なのかな…あ、何でアンデッドを作ってるの?」

「うがぁ!2つの国で問題を起こし、内部勢力を落とすためだ!うがぁ!マジで…もう無理…」

問題…というと、きっと騎士が国境を超えた超えてないの問題を作って仲を悪くさせようって事か。
うーん。
何か効率悪いよね。
こんだけアンデッド出せるなら両国にそれぞれ出せばいいのに。
そしたら内部勢力なんてカラッカラだよ。
でも、戦争が目的なら今の作戦には納得がいくなぁ。

「この死体の転移どうやって止めるの?」

「本体を倒したらあぁァァァ!!!消える。痛い。」

では、本体を探そう。
コイツと同じ魔力を探せば良いよな。
おぉー、分身も結構いるなぁ。
コイツら全部拘束魔法かけて持っていくか。

「ありがとう。気を失ってね」

かくん。

目玉の魔族は気を失って動かなくなった。

「瞬足」

ひゅん!

取り敢えず、外に出た。
地上には大量のアンデッド。
全く減っていないどころか増えた。
何となく、魔族さんの分身と本体は全部地下にいるようだ。
探すのが面倒だなぁ。
でも仕方が無い。
さっきと同じように、今度は土砂崩れに巻き込まれない様にして地面に振動魔法を使う。

そして、敵が穴の近くにいる間に、拘束魔法、雨バージョンで拘束していく。

どれが本物かは分からないけど、全部捕まえて、袋の中に全部入れた。
それから死体のあった場所を確認すると、転移は終わっているようだった。

さぁ、次はアンデッドを倒さなきゃ。

そう思い、応戦してる冒険者の所に下り立つ。
「援軍です!見た目は幼いですけどCランクです」

「おう!助かる!…その大きな袋は何だ?」

「今回の主犯の魔族達がいます、あ、動けないように拘束してるんで大丈夫です」

「ま、魔族!?そんな者、拘束する必要はない!殺してやれば良いんだぞ?」
焦った様に言う冒険者。
まぁ、気持ちは分からなくもない。
見た目は魔獣その物だから。

「一応、情報が色々聞き出せるかもしれないので…あはは」

「……うん……まぁそれも一理あるな。よし。取り敢えず、アンデッドを倒しに行こう」

「はい!」

ここからは、もう剣を振りまくったり、やられそうな人の援護をしたり、回復魔法で瀕死者を回復させたり、これを3時間近く続けた所でアンデッドは討伐できた。
しかし、余りの量で国境付近の家はアンデッドに襲われたり、人が殺されたりと被害は甚大だった。
冒険者が拠点へと帰っていく中、俺は被害を受けた家に行き、中にいる人達で生きている人を回復させていた。
そして、被害を受けたであろう、ある小さな家に入った。
「きゃっ!!」
女性の悲鳴が聞こえる。

20体程のアンデッドがいた。
そして、ソイツが狙っているのは、まだ5歳か6歳くらいの薄い緑色の髪の長い小さな女の子。
その子の前にはもう、親の首。そして、胴体。
親が命懸けで守ろうとしたのだろう。

「瞬足斬り」
まぁ、簡単に言うと瞬足の状態で敵を斬るだけの技。

さらり!さらり!さらさらさらり!

アンデッド達は真っ二つに斬られて不死という役目を終えた。

何て声を掛ければ良い物だろうか。
親が目の前で殺されたんだ。
しかも分断されて。

………。


「大丈夫だった?少し向こうを向いておいてくれるかな?」

「………ん。」
少し俺に警戒しているようだが親の死体を見ないようにしてくれた。

再生魔法。

そう心の中で唱えながら、首と胴体を元の位置にくっつける。
生き返る事はない。
しかし、せめて綺麗な姿で死んでいって欲しい。
くっつけた部分の血は清掃魔法で綺麗にした。
首を持ったときにチラリと見えたが、耳が尖っている。
エルフ?
まぁ命を助けるのに種族など関係ない。
魔族はもしかしたら別なのかもしれないが。

「お父さん達にお別れ……しようか」

俺がそう言うと、女の子はクルリとゆっくり俺の方を向いて
「ん…」
俯いたまま声で応えた。

平民には残念ながらお金で墓地を作るなんて事はできない。
ただ土に埋めるだけだ。
俺は密かに聖魔法、成仏をかけておいた。

最後まで女の子は泣きっぱなしだった。
胸が痛い。
俺はその痛さからなのか、その子を抱きしめていた。
彼女の薄い緑色の髪を撫でる。
泣き続ける少女に、俺は言った。
「大丈夫。お兄さんがいるから」
それがどういう意味だったのかは自分でも分からない。
でも、彼女の中にある悲しみと不安を拭うのには十分な言葉であったらしい。
暗い表情ではあるが泣き止んだようだ。
暫くして、夕日が沈んで来た頃。
帰還する事にした俺は女の子に聞いた。

「どこかアテはある?」

「ない…」

次の一言は簡単に言えたものじゃない事は理解している。
でも、このまま彼女を放っておけば奴隷に落ちる。
奴隷を買う人は大抵、仕事で忙しい奴か性的な目的を持った奴だ。
それは男女共に同じで、買手が女の場合は奴隷の男が少ないため、代わりに女を性的な目的として買って性処理をする。
だが、扱いは酷いものだ。
奴隷に落ちて幸せになる事は殆どない。
これが、現実だ。
だからこその言葉。

「お兄さんに着いてくるか、奴隷になって誰かに頼るか。どっちか好きな方を決めてくれるかな?」

「……奴隷、嫌…………お兄さん」
女の子は小さくポツリと呟く。
遠慮という物を知っているのだろう。
迷惑をかけてしまうのは分かっているだろうから。

「よし……じゃあ、行こう。僕は責任を持って君が自立できるまで一緒にいる」
まぁ、これはなんだかんだ、ずっと一緒にいるというフラグになってるのだけれど。

「……………ありがと」

「名前、聞いてもいいかな」

「アイ…」

「アイ、よろしくね。僕はレイン」

「レイン…ありがと……」

単語毎にしか話せないのはエルフだからなのかもしれない。
エルフ語を家では使って人間の言葉は主流では無いのかもしれない。
本人はまだ、自分がエルフという事を打ち明けていないのか、気づいていると思って言っていないのか分からないが、エルフや獣人はアンダンテ王国でも余り好まれていない。
故にアンダンテ王国の国境際で密かに暮らしていたのだろうが。
だが、それはきっと王様が異種族を好んでないのでは無くて民が好んでいないのだ。
あの王様が種族が違うだけの偏見で好き嫌いをするとは思えない。
俺がこの子の居やすい場所を作ってあげなきゃだな。
少なくとも、俺の知り合いには偏見で好き嫌いしそうな人は居ないと思うし。
そんな事を決心しながら、帰ろうとアイの手を繋いだ時。

「私…エルフ…いいの?」
不安そうな顔でそう呟いたアイ。
やっぱり、気にしてたか。

「僕は気にしないよ。確かに中にはエルフだからって嫌う人もいるかもしれないけど、少なくとも僕は嫌ったりしない。それに、僕の友達にも嫌ったりする人はいないと思うよ。」

「ほんと…?」

「うーん、本当かと言われると確信はできないけど、僕はアイに何かあったら必ず助ける。これは約束する。」

「ありがと…」

俺は収納魔法から魔獣の毛皮を取り出して、フード付のローブを作った。
薄い緑色の髪に合うかは分からないが、白色のローブだ。

「これ、プレゼント。髪が長いから耳が見える事は無いと思うけど、一応ね」

「凄い……いいの?」

「うん、外ではそれを着たほうが良いかな。室内では何着ててもいいんじゃないかな」

「ありがと…」

単語のみの会話。
何か可愛いな。
そう言えばエルフと言えば寿命が長い…。
さぁ、何歳なのだろうか。
「アイ、何歳?」
俺も単語のみの会話になる。

「110歳。レイン、何歳?」

うーん。年上さん。

「アイより年上かなぁ?」

誤魔化す俺。
分かってはいたが、このロリっ子ちゃんより年下なのは少し辛いものがある。

「嘘。レイン、人間」
あ、やっぱり指摘するのね。

「はい、10歳です…」

「レイン、年下、でも、お兄ちゃん」

ん?
今、物凄いキュンとしたような…。
お兄ちゃん。
お兄ちゃんねぇ。
お兄ちゃん、んんん、良い!
良い響きだ!

「アイ、もう一回お兄ちゃんって言って?」

「ん、お兄ちゃん」

「もう一回」

「お兄ちゃん」

「うんうん、もう一回」

「お兄ちゃん」

「うおお、あと一回」

「お兄ちゃん」

クソかわいいいいいいいいぃ。
何だこれ。
お兄ちゃん。
俺、お兄ちゃんになっちゃったよ。
とか言っていられるのも今の内かもな。
寮で一緒に住んで良いか確認しないと。
勿論、どうせバレるから姉さんにも。
ルーシャさん、許してくれるかな…。
ミーシャさんなら大歓迎してくれそうなんだけどなぁ…。
でも、まずはこのアイと手を繋いでいない手に持った大袋を何とかしないとなぁ。
魔族はどの種族からも嫌われてるって本で見たけど、一応、魔獣とは違って明確に目的を持って生きてるんだしなぁ。

そんな事を考えながら、冒険者が乗ってきたという馬車に招待されて乗ってギルドまで帰った。






えー、作者です。
質問があったので答えましょー!のコーナ。

瞬足の読み方と説明。

一応、しゅんそく。と読んで頂ければ結構です。
能力の説明としては、そうですね。
輪ゴムを指に引っ掛けて強く飛ばした時の最大速度で持続的に走れると思って頂ければ良いかなと思います。

ひゅん!

という雰囲気の音が出ます。


神速の読み方と説明。

一応、しんそく。と読んで頂ければ結構です。
能力の説明としては、そうですね。
音速を少し超えるくらいの速さですかね。
故にそのスピードで走ると衝撃波が生まれます。
これは、まぁ、物理選択者は見た事があるかもしれませんが、走る時に発される音よりも速いスピードで走っているため音の波が、なんと言いますか、ドリル状になります。
窓ガラスが割れたりするのはそのせいですね。
本来なら、地面も抉れたりするのかもしれませんが、それは神ちゃんずが色々してくれていると考えて頂ければと。

ぴゅん!

という雰囲気の音が出ます。


要約。
まぁ、不自然な点は全て神ちゃんずのせいと割り切ってもらえれば……。


最近、読者さんが増えて嬉しいです。
今回、登場したアイはレインと常に一緒にいるような女の子が欲しいから作りました。
やはり、身近に1人、可愛い女の子がいる事で他の女の子は嫉妬をして、アピールするようになる物です。
ただし、この男女比がおかしい世界に限る。

表紙もいくつか自分で作成して、より読者を集めようと研究したのですが、今の女の子の絵が一日単位で最高記録のお気に入り数を誇っております。
あの女の子、作中の誰だよ!
って思う方は沢山いると思います。
それもそのはず、試しに女の子を描いてみようと思って描いただけですから、誰とかは特に無く、髪を塗るのが面倒という理由でショートにしました。
作中にショートヘアーは一人として出て来ていないため、おかしく思って当然です。
あ、如月未来だけは容姿を書いていませんでしたね。
まぁ、後々、登場人物を纏めようかと思います。
いつか、表紙のショートヘアーの女の子が出場するのをお楽しみにして下さい。

以上、作者のあっきーでした。

「男女比が異常な異世界で最強になった俺は前世の夢を追い続ける」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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コメント

  • ノベルバユーザー294208

    お疲れさまです!

    1
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