男女比が異常な異世界で最強になった俺は前世の夢を追い続ける

音感あっきー

2章。王城潜入戦。ポンコツ貴族は呆気ない。

馬車に乗りながら王城へ行くに当たっての作戦を話し合っている。
因みに、貴族が既に王城を占拠している事は伝えた。
検索魔法をかなり広く広げたら、それらしき情報があったと伝えた。
本当は神ちゃんのおかげなんだが。

「えっと、まずは魔道具への対象。」
俺は話を切り出した。

「そうだな、キールも掛けられるくらいの魔道具だ。レインのお姉さんも少し危ないかもしれない。」
グレンはそう姉さんに促す。

「はい、恐らくそうですが、魔力を操る事で回避出来るとレイン君が言っていますから多分大丈夫だと思います。私は魔力を外部に出して操るのが得意で。あ、私の名前はサンです。グレンさんもキールさんもサンと呼んで頂けると幸いです」

「分かった、サン。それにしても中々特殊な技だな。魔力を外部で操るなんて。私は出来ないぞ」

「私もそんな事できないなぁ、結構レアな技だったりして?」

グレンとキールは共に感心するように言う。

「えへへ、まぁ、まだこの力を有効活用できた事は無いんですけどね…」
姉さんは少し残念そうに言う。

「じゃあ、今日、有効活用しよう、今、思いついたんだけど姉さんの力があれば、もしかしたら別の場所から魔法が撃てるかもしれない」

「どういう事!レイン君」
姉さんが期待を込めた目を向ける。

「ええっと、魔法は魔力を色々変換させて出すわけじゃん?普通の人は魔力を遠隔操作できないから、その変換させる場所が手の前じゃん。姉さんはそれが別の場所でもできるって事。例えば、敵の目の前に姉さんはいるけど、魔力を操作して敵の真後ろに魔力を持っていくじゃん。そこで、ファイアボールの詠唱をしてやれば、敵の背後から不意打ちできるってわけ。ほら、どう?」

「「「おおおお!!!」」」
歓声。

まさに初見殺しの技という訳だ。
姉さんの前では決して、姉さんの手から魔法が出るとは限らない。
姉さんのいる空間全てが魔法の出る場所となる訳だ。

「さ、早速、練習してみるっ」
希望に満ちた顔の姉さん。

よくよく考えてみたら、俺がやってる天候魔法とかって全部これなのか。
今やっと理解できた。
これで、もう少し精度が上がるかもな。
一々、一人一人にタッチして拘束かけなくても、もっと大量の雨に魔法を込めたら効率良いもんな。

ぽわぽわぽわ。

「できた!!」
姉さん歓喜の声。

姉さんは魔力の遠隔操作によって走る馬車の外にしゃぼん玉をプカプカと浮かべさせていた。

「これなら、戦い方も増えるね!」

「うん!レイン君、ありがとう!!」
物凄く目をキラキラ輝かせ、笑顔の眩しい姉さん。
幻覚魔法並のキラキラ感。
可愛い。
心が舞うわ。

「どういたしまして!ええっと、これで魔道具対策は大丈夫と。次は、諜報暗殺部隊の対策かなぁ」

「え、敵は暗殺部隊なのか?」
グレンが聞く。

「うん、多分、反応的にそんな感じです」
勿論、神ちゃんの情報です。

「んー、私、戦いまーす」
キールさんが発言する。
その中には少し覚悟が見えた。

「姉さんの力でバレないように気絶させるって事も可能だと思いますけど」

「うーん、それ何だけど……暗殺部隊には魔力が高い子達が多いのよ、隠蔽魔法とか記憶魔法とかで常に魔力を使うし、身体強化魔法を足にかけて走る速さを速くしたりするのにも魔力が沢山必要でね」

キールさんはそう言う。
確かに魔力が高ければ高い程、魔力による威圧は効きにくい。
無防備であれば、俺みたいに意図的に気絶する事も可能だけど、気づかれた場合は自分の体の中に魔力を侵入させないようにコントロールしたら、凌げる。
魔力が多い人程、そのコントロールが適当でも対処有効となる。

「そっかぁ。じゃあ、もう面倒ですし、戦いましょうか。」
俺はそう切り出す。

「うん、それが楽だよ」
キールも賛成。

「レイン、お前は貴族の方に行け、魔道具でまた人が操られたら困る」
グレンはそう言う。

神ちゃんとも、俺が囮になって魔道具の力を受け続ければ、必要な魔石は全部なくなるって言ってたしな。

「分かった、姉さんは僕に付いてきてくれる?」

「うん!」

正直、姉さんの本気を見た事が無いから分からないが、暗殺部隊には苦戦すると思う。
速さが必要だからだ。
グレンさんはゴキブリ並。
キールさんは分からないけど、暗殺部隊の隊長だ。
速くない筈が無い。



結局、作戦は簡単だ。

王様達は城の外で待機。
護衛で王城に乗り込む。
暗殺部隊が襲ってきたら、グレン&キールで食い止める。
俺と姉さんは貴族の元へと向かう。
ただし、姉さんは透過魔法で透明になってもらう。
これで、敵は魔道具を俺だけに向ける。
その間に、姉さんは魔法で貴族を撃破。

姉さん、暗殺者みたいだな。




「じゃあ、頼んだぞ」
「お願いしますわ」
「気を付けてね」
「怪我しないでね」
「無理しちゃ駄目だよ」

王様、女王様、王女三姉妹に言葉をかけられ、俺達は王城へと乗り込んだ。


検索魔法は常時発動。
城周辺に変化はなし。
そして、王城には反応あり。

さぁ、王様気取りの貴族さん。
悪さはもうさせない。
裁かれろ。




王城に入り込み、壁を伝って歩く。
少し、スパイみたいだ。

「ここから50メートル先に暗殺部隊が隠れています、他の場所にもう2つ部隊がありそうなので、キールさんがグレンさん、どちらかお一人ここをお願いします」

「私が行きまーす」
キールさんが挙手する。

「次は私が行こう、その次はレインとサンで何とかするんだ」
グレンさんも決意する。

「うん、じゃあ、行こうっ」



「……せーーーのっ」

すたたたたたたたたたた!

4人一斉に走る。
その中でもキールさんは皆より前を走り敵の注意を引く。

前から敵が数人現れた。
敵はいくつもの短剣を投げている。

キールさんは物凄い身のこなしでそれを躱す。
グレンさんは剣で弾き落とす。
俺は姉さんにも入るようにシールドを張る。
「防御魔法シールド」
姉さんはこんな魔法は初めて聞いたらしいが、防御魔法が無いのは些か不便であろう。

かんかんかんかんかんっ

それぞれの弾き落とす短剣の音が鳴り響く。

姉さんは俺が守っている今の間に魔力を的にぶつけて気絶させる。

やはり、キールさんの言うとおり、数人しか倒れない。
「姉さん、数人倒れれば十分だよ、ありがとう」

「えへへ、褒められちゃった」
姉さん可愛い。

「火炎魔法、煙玉!今です!通過してくださいっ!」

モクモクと黒い煙が現れる。
そして、キールさんの言葉を信じて、煙の中を突き抜ける。

「よし、いけたな」

「はい、次はグレンさんの番ですね、頑張って下さい」
「お願いします」

「おう、任せとけっ」
ニシシといたずらっぽく笑うグレンさん。


ここからは勢いに乗って走り続ける。
が、姉さんは走る事によって疲れが溜まっている。

「リラックス」

姉さんは白く光る。

「あ、ありがとう、レイン君」

このリラックス。
有能なのは酸素不足を補う事を考えたりすると、本当にその効果がでるのだ。

走る走る俺達。

「グレンさん、50メートル進んだら敵がいます、頼みます」
「お願いします」

「おう、任せとけっ」

そして、現れる。
やはり、戦い方は習っていることが同じなのか、短剣から投げるようだ。
前と違う事があるとすれば、一人に対して降り掛かる短剣の量が多い。
グレンさんは剣で。
俺と姉さんはシールドで。

かんかんかんかんかん

ぴしゅ!

グレンさんに1本掠る。
それを見た俺は、
「ヒール!」

グレンさんが白く光る。

「助かる!」

「毒も消しときました、安心して下さい」

そして、姉さんは魔力をぶつける。

数人は倒れる。

「よし、風魔法、突風斬!今のうちに!」

「はい、お願いします」
「お願いします」

こうして、グレンさんは残り、俺と姉さんは走る。


「姉さん、次はさっきやった遠隔操作で魔法を撃ってくれるかな。次の曲がり角の右に潜んでるからそれに当たる様に何か魔法を。殺しちゃ駄目だよ?」

「うん、任せて!」

「水よ、敵の足を撃ち抜き給え、氷結魔法、ウォーターバレット!」

ひゅひゅひゅん!!

「「「あああああああっ」」」

魔法陣が、壁の近くに現れ、水の弾丸を繰り出す。

痛みに苦しむ声が聞こえる。
やはり、遠隔操作使える。

「姉さん、完璧!最高!!僕も」

「拘束魔法を水滴に混ぜて……合成魔法、ビリビリウォーターバレット!」

ひゅひゅひゅん!
ビリビリ

ネーミングセンスもビリビリ来るぜ。

「レイン君も凄い!」

まだ、敵とは遭遇していないのに、やられてしまう暗殺者。
さぞ、混乱を招くであろう。

『全部、拘束できてます』

「よし、姉さん、全部倒せたからこのまま進むよ!」

「うんっ!!」

走る俺。走る姉。

もうすぐで貴族の場所だ。

「姉さんを透明にするね。透過魔法。」

姉さんに透過魔法を掛ける。

姿が見えなくなった。
だが、俺は弱い魔力を姉さんに纏わせている為、姿、形がモヤモヤしてはいるが感じられる。


「姉さん、止まろう、この扉の先だ」

「うん。」

何もない場所から声が聞こえる。
少し、不思議な感覚だ。
いや、神ちゃんもそうか。

そして、姉さんと俺は扉を開ける。
すると中にいたのはグッスリと眠っている貴族。
俺は作戦を変更した。
寝ている奴を態々起こす必要はない。
自分に透過魔法をかける。
そして、互いに見えないため、位置を把握するために手を繋ぎながら、中へと入る。

(遮音魔法)

「姉さん、遮音魔法をかけたから話しても聞こえないよ」

「うん、まさか寝てるとは思わなかったわ」

「何か余裕だよね、きっと二日間、王様達が帰ってこないから、死んだ物と思ってるんじゃないかな」

「そうかもね、レイン君、あれは何?」

姉さんが俺と握っている手を机の上へと付き出す。
そこには小さな木の棒があった。

『操りの棒ですね、軽奴隷用魔道具です、壊しましょう、私が分解します、機能しないように触れてください』

(うん、わかった)

「姉さん、この棒には触らないでね、今、壊すから」

「うん」

そして、指先で慎重にその棒に触れる。

『では始めます。分解……消滅』

砂の様になってやがて消える。
いつ見てもこれは凄い。

「え、レイン君、何やったの?」

「うーん、粉々にした?」

「やっぱり、レイン君、凄いわ」

「取り敢えず、この間抜けな貴族を拘束しよう、拘束魔法」

ビリビリっ

「あ………が……あああ…がああがががぐああああ!」

段々と意識が覚醒して貴族は目を覚ました。
何を言っているか分からないため、口だけ解除する。

「だ、誰だ!誰がこんな事をした!おい!暗殺部隊!!さっさと来い!!」

俺と姉さんは今、透明だ。
見える筈が無い。
そして、暗殺部隊は誰一人として来ない。

いや、誰かが近づいてくる。
誰かは分かる。

俺と姉さんは透過魔法を解く。

すると
「な、な、何故!貴様がここにいる!!死んでないのか!!」
焦る貴族。

そして、

「レイン、今来たぞ!」
「私もー!」

グレンさんとキールさんが到着。

貴族さんは拘束魔法により、身動きが取れない、開くのは口だけ。

貴族も、灼熱のグレンと暗殺部隊隊長キールの姿に驚いているようだ。

王版振る舞い。

「魔道具は、木の棒、1本だけかな?」
俺は貴族にそう聞く。

「ま、魔道具、な、ない!何で!貴様!!」

どうやら、1本だけのようだ。
いや、まだあるかもしれない。
服の中に。

「あのー、女性の方は後ろを向いてもらっても?」

皆、何をするのか察したらしく、後ろを向く。
素直だなぁ。

そして、俺はドンドン貴族の服を剥いでいく。
あ、そういう趣味は無いよ?

「や、やめろ!服を脱がすな!くそ!!体が動かない!!」

ポロンっ

おっと、危ない1本追加で出てきた。

そして、それにそっと触れる。
(頼むよ神ちゃん!)
『はい、分解……消滅』

砂の様になって消える。

「ああああ、家宝が………」

「こんな物を家宝にするとかどんな家だよ……」

そして、拘束魔法を最大に上げて気絶させる。

「あっけなかったですね」

「「「うん」」」



俺は身体には合わないが男を担ぎ、暗殺部隊の皆を気絶させて、影響を解き、王様達の元へと戻った。

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