男女比が異常な異世界で最強になった俺は前世の夢を追い続ける

音感あっきー

2章。エクストラリラックス解禁。姉こそ正義。

真っ白な世界から少しずつ意識が覚醒する。
えっと、何があったんだっけか。
そうそう、騎士団が攻めて来た。
多分、操られてるのかなぁ。
んで、蛭の召喚魔に魔力を吸い取られて、その代わりに毒を注入されてフラフラになったと。
ええっと……ウリエル?だったか、副団長が団長のハリエルより強いとかどうとか……
あぁ、拘束魔法を雨にして落として、かけたんだ、それで皆を気絶させて、寝たのか。
目を開けるとそこは俺の知らない部屋。
中々、大きくて綺麗な部屋だ。
俺はベッドの上で寝かされている。
部屋の中には俺しか居ない。
勝手に部屋から出て良いのかどうか…。

(神ちゃん、ここ何処?)

『レイン様、目が覚めたのですね、ここはスノウ様とサン様の寮の部屋です。Sクラスになられたので部屋が大きくなったみたいですね』

(そっか。あれから何日経った?)

『2日ですね。レイン様の少なくなった血を元の量に回復させるのと、毒を相殺するのに少し時間がかかってしまいました、申し訳ありません』

(全然良いよ、気にしないで。神ちゃんが居なかったら俺、死んでただろうし)

『そう言って頂けると幸いです』

(2日か…皆はどうなったの?騎士団とか)

『はい、騎士団は取り敢えずは騎士団訓練所へと戻りました。王様、女王様は王城に戻ろうとしたのですが、グレン様がレイン様の目が覚めてからにすると言っておりました。』

(といいますと?)

『騎士団が操られていた原因が魔道具による物だという事です。使っていたのは貴族。そして、あの日、王城にいた人間は皆、レイン様達を狙いに行っていたので王城は、ほぼ無人状態になってしまいました。もしかすると、その貴族に占拠されている可能性があるので、安全性を優先してレイン様とグレン様で護衛をする事になりました。』

(ねぇ。その貴族ってさ、多分アイツだよね)

『はい、レイン様がお休みになられている間に視察してきました。案の定、アイツでした』

(って事はやっぱり、王城を占拠してるんだ)

『はい、更に王城に残っていた諜報暗殺部隊が護衛の様になっています』

(マジかよ…アイツらしいけどなぁ…)

アイツとはもうお分かりだろう。
俺を狙い、王女を狙う。
何か恨みがあるとすれば、この前の貴族との揉め合い。
F男の父親だ。

(ねえ、魔道具って防ぎ用あるの?)

『はい、レイン様のように強過ぎる相手にはまず効きません。グレン様も恐らく効かないと思われます。中途半端な実力の人間は操られやすいですね。』

(うーん、団長も副団長もヘレン様も中途半端という訳か…結構、幅が広くない?ヘレン様が中途半端なら殆どの人が中途半端だと思うんだけど。)

『はい、そうなりますね。ですが、魔道具は魔石を使って使用する物です。魔道具の影響を受けにくい人程、魔石の使用量は多くなります。なので、ヘレン様や団長、副団長を影響下に置く際にはかなりの魔石が必要であったと思われます。』

(そういう事ね…。王城に魔石はあった?)

『はい、いくつか有りましたが、魔力鍵が掛かっていた場所でした。恐らく、王様しか開けられ無い物かと。』

(じゃあ、手持ちの魔石が無くなれば心配ないのか。)

『はい、なのでレイン様が囮になって魔道具を使わせれば、魔石は次々と無くなります』

(分かった。よし、移動するか…)

『午前中なので皆、学園にいます。行きましょう。』

(うん)




「あ、レイン君!久し振り!起きたのね!」

目が覚めて1番に出会ったのはミーシャさんであった。
久し振り…というよりかはルーシャさんと顔が全く同じだから久し振りという感じはしないが、この元気の良いミーシャさんを見るのは久し振りだ。

「あはは、久し振りです、元気ですか」

「うん!元気よ!だってレイン君に会えたんだもの!昨日は抱き着いて寝ちゃったし…うふふ」

(えっ、そうなの?)

『はい、スノウ様、サン様、共に幸せそうでした』

(俺、意識あれば良かったのに!!!)

「えへへ、それはそれは…。学園に行ってきますね」

「うん、無理は駄目よ?気を付けてね!」

そう言ってミーシャさんはニコニコしながら手を振ってくれた。
とても可愛い。

町はあんな事があったのに平然としている。
騒ぎは学園内だけで留められているようだ。

そう言えば、ラグナ先生以外が総辞職したみたいだけど…皆、何の授業をしてるんだろ…。

そう思いながら学園に辿り着き、Gクラスの教室へ向かう。
誰もいない。
うーん。
訓練所かな…?

俺は訓練所へと向かうと何やら賑やかであった。
これが本当にあの事件があった後の学園なのだろうか。

そして、訓練所の扉を開くと……

ん?何か決闘?というよりかは……集団リンチかな。
1人の相手に魔法を撃ちまくっていたり、木剣を振り回していたり。
そして、見事にゴキブリの様な速さで全て躱されて1人ずつ返り討ちにされていく。
何か楽しそう。
俺も混ざりたい。
という気持ちは抑える。
先生が不在なのは1年生だけらしいのだが、この人と手合わせができる事は滅多に無いという事で、10年生まで皆が参加している。

グレンさん、ちょっとやりすぎでは……。

『レイン様も先日、騎士団に同じ事をしてましたけどね。グレン様はきっとそのレイン様に感服し、自分ももしもの時に対応できるように練習しなければと思ったのでしょう』

(あの速さなら練習しなくても出来そうだけどなぁ)


そんな事を心の中で会話しながら、ラグナ先生を探す。
うーん。
あ。
検索魔法使うの忘れてた。

そして、すぐに場所が分かった。


…何で先生までグレンさんと戦ってるの?

『生徒に教えられる事がない教師というのは中々辛いと思いますよ、先生なりの努力なのでしょう』

(そっか。頑張ってるんだなぁ。)


そして、俺は観戦席に座って、闘いを見ながらある試みをしていた。
神ちゃんとの視覚と聴覚の共有だ。
神ちゃんは精霊的な粒の存在だそうだ。
そして、その粒1つ1つにはしっかり意識がある。
だから、暫く登場していないが、魔法の神ちゃんや、体術の神ちゃんがいる。
その神ちゃんずの視覚や、聴覚を共有できれば、暗殺的能力や情報収集が捗るという訳だ。
ただ、それではプライベートやお風呂の覗き見なども楽々と出来てしまうため、神ちゃんの許可を貰った時にしか使えないようになっている。
制御は全て神ちゃんがしてくれる。
魔法でどうこうできる話では無いのだ。
実際に使ってみる。

『感覚共有。視覚、聴覚。発動』

ぶわぁ

俺は今、目を瞑りと耳を塞いでいる。
だが、しっかりと、光景と音がある。
訓練場を真上から見下ろした光景だ。
前世の、ググれよアース、みたいだ。
1人の人間に対して何百もの人間が寄ってたかって攻撃し、返り討ちにされる。
そんな光景を見る事ができた。
そして、次々と聞こえる、魔法詠唱。木剣がぶつかり合う音。
(神ちゃん、グレンさんの肩に乗ったりできる?)

『はい、できます、移動しますね』

滑らかに変化する視覚。
そして、グレンさんに近づき肩に着地する。
次々と飛んでくる魔法。
そして、近付いてくる生徒。
中には木剣を投げてる奴もいる。
凄い。
こんな事ができるとは思わなかった。

が。
とても気持ち悪い。

『他人の感覚を共有していますし、僅かに自分の感覚もそこに混ざる事で脳が混乱するのです。使えて1分が限界でしょうかね』

(まぁ、こんなの使いまくってたらチート過ぎるもんなぁ)

こうして、俺の試みは気持ち悪さに負けて中断し、観戦席で少し横になっていた。

「ううううう……吐きそう……」

『これからは必要な時だけにしましょうね』

「うん、そうだな……」

そう言って俺は目を閉じた。

すると

「大丈夫ですかぁ…?体調が悪いのですかぁ……?」

声が聞こえた。
俺はその方向に視線を合わせた。

薄い水色のポニーテール。
そして、青色の目。
そして八重歯。
可愛い。
吸血鬼さん?
どうぞどうぞ、血を吸って下さい。
というのは冗談。
初めは女神様にも思えたが、小悪魔にも見える。
小悪魔の割には笑顔がとても可愛い。
やはり、女神か…。
それにしても観戦席で横になってるから仕方が無いんだけど…良い太もも。
丁度目の位置に太ももが。
スリスリしたい。
とかいうのは勇気が無くてできない。
はぁ。
自分が情けないぜ…。

『前世でそれしたら犯罪ですから』

ああ、そっか。
俺が普通なんだな。

「あのぉ…聞いてますぅ?」

最近のJKみたいな話し方だな。
語尾を伸ばす。
いや、可愛いから許す。
卍卍!とか連呼するJKは余り好まないけど、程々の女の子は大好きだぜ。

「気分は少し悪いですけど……寝たらきっと治ります。心配ありがとうございます。」
そう俺は丁寧に応えておいた。

すると、
女神…いや、小悪魔さんはしゃがんで横になってる俺と目線の高さが合う位置に顔が来た。
いや、近いなぁ。
小悪魔さんが前のめりになったらキスできちゃうよ。

「回復魔法かけてあげますね?」

あれ、やっぱり女神?
まだ自分に掛けてなかったし、お言葉に甘えてみよ。

「光れ、傷を癒やし給え、ヒール♡」

いや、小悪魔か。あざとい。
そして、傷じゃないんだよなぁ。

案の定治らなかった。

「治りましたかぁ?」

しかし、気遣いを無駄にするのは少し可哀想だ。
初対面の俺に優しくしてくれる女の子だ。
嘘は付きたくないが、優しい嘘も必要だ。

「はい、楽になりました。」
そう言いながら、俺は起き上がる。

「えへへへ、良かったですぅ。えへへへ」

え?
何これ。
膝の上に女神、いや小悪魔ちゃんが座ってきたよ?
しかも、対面向きで。
スカートだから今、俺の膝にはパンツが直で当たっている…?
いや、こんな事、姉さんといれば日常茶飯事だが、初対面の人にやられるとは…。

「貴方、可愛いわぁ。抱き着いちゃえ」

ぎゅーっ

胸が…胸が俺の胸に当たって……。
何かこの人ヤバい、良い匂い過ぎる。
何これ。

『レイン様、少しずつですが魔力取られてますよ?』

(え?)

『バレないように、先程の回復魔法に使った分の魔力を奪っています』

(マジか……小悪魔だったわ)

「あはは、何か魔力吸い取られて力出ないや、さっきの回復魔法の料金の代わりでお願いします…」
流石に全て良心と信じた俺が馬鹿だった……。
まぁ、こんなお人好しさんはそんなにいないよなぁ。

『レイン様はそのお人好しな気がしますが』

「え!何で分かったのぉ?でも良いや、君、良い人そう!」

ぎゅーー。

胸ええええ…。


ん?
あれ、この魔力…。
小悪魔さんから出てるのものじゃないなぁ……。
感じた覚えのある魔力……。
何か、ゾクゾクするような……。

『………………。』

(ですよねぇ……。)


ぱこぉぉおんっ!! 


「痛っ……」
小悪魔さんの脳天に衝撃走る。

「アリエル……何で貴方、レイン君の魔力を貰ってるのよ……私のレイン君よ……?それに今すぐ、レイン君から離れなさい……貴方のせいでレイン君が苦しそうじゃない……レイン君も苦しいってちゃんと言わなきゃ駄目じゃない……私じゃ駄目なの……?」
姉さん参上!!
レインを狙う女は皆、敵よ!
と言わんばかりだよな。

「あらぁ?貴方、レイン君って言うのね?可愛いわぁ、私と結婚しない?結婚したら毎日、あんな事や、こんな事……うふふふ……顔が赤いわよぉ……?緊張してるのかしら……フーッ」
耳に息を吹き掛けられる。

「!?」

アリエルと言うこの小悪魔は姉さんの言う事を完全無視している。
一瞬、ゾクッとした。
2つの意味で。
1つは性的な意味でのゾクッと感。
ASMRでお馴染みのあれだ。
もう1つは俺の真横で恐ろしい程高まる魔力。
周りの観戦席にいた人達は倒れ始めている。
ヤバい……早く姉さんの機嫌を……。

「あ…あの、アリエルさん…、少し退いてもらっても良いですか…?」

「えぇ……良いじゃなぁい……ほらっ、ぎゅーっ♡」

ヤバイヤバイヤバイヤバイ。
気づいてないの?
それとも気づいててやってるの?
小悪魔じゃない。
悪魔だ。
この人ヤバイ。
何か魔法、何か無いかな無いかな……。
あぁ、きっと前世のトラエモンっていう感じのアニメの急いで道具を探す時はこんな感じの気持ちなのだろう。

あった。
1つ。
悪用厳禁の魔法が。

「あはは、ええっと、どいてくれないと少し恥ずかしい目に合うかもしれないんですけど……良いですか……?」

「良いわよ…私は貴方から離れないわぁ。例え何があっても…うふふ」

「レイン君……………私はこの女を殺しても良いかしら……?」
笑顔だけど笑ってないよその顔。
矛盾だらけな顔だよ。

「駄目だよ…今どかすから。アリエルさん、ごめんなさい………エクストラリラックス」

アリエルが白く光る。

「えっ……あっ……いやっ……何これ……んんっ……」

ぎゅーーーっ

あれ、逆効果…逆に締め付けられてる……

てか、この声マズい。

「ええっとええっと、…遮音魔法。」

「……………//////......./////.........///////」

ヤバイ、メチャクチャ抱き着かれてる。
そして、アリエルさん、心臓がバクバクしてるのが振動で伝わる。体もメチャクチャ熱くなってるし。

「レイン君……?どかすんじゃなかったの……?それに、何これは……?これってミーシャさんにやったやつよね……?どうして私にはやってくれないのかしら……寂しいわ……レイン君は私の事……嫌いなのね……」

「ち、違うよ!姉さん!僕は姉さんが大好きだよ!二日間も看病してくれてありがとう!僕は姉さんが居なきゃもう生きていけない!姉さんは僕の人生の一部なの!!だから、行かないで、姉さん!!」
何とも臭いセリフ。
だが、正直、本心だ。
いつから俺はこんなにシスコンになったんだ。
せめてもの救いは周りの人が姉さんの魔力で総倒れしている事。
しかし、別の女に抱きつかれながらのこのセリフ。
何の説得力の無い。
でも、頭お花畑な姉さんは…。

「レイン君っ!!大好き!!ほらっ、さっさとアリエルどきなさい!ってええ?」
姉さんはアリエルの脇を持って俺から離そうとする。

「………………………………///////////」

俺のズボンがドンドン濡れていく。
今まさに頂上に来ていたらしい。
なんて事を……。
遮音魔法を使わなかったら、どんな声を上げていたのか少し気になるが。

かくん。

アリエルは俺に抱きついたまま、気絶をしてしまった。

「姉さん……どうしよう……」
そう言いながら俺はアリエルをどかす。

「大丈夫よ、後でアリエルを殺しておくから、着替えてきなさい。何なら私が上書きしても……」

俺にそんな趣味は無い。
姉さんがどうしてもというなら話は別だが。
「ええっと、清掃魔法。」

ぴかーん。

俺のズボンは水気一切なし、消毒もされてフローラルな香り。
アリエルさんは少し反省してもらうために、敢えて清掃魔法かけないでおこうかな。

「キレイになったわね、よし、えいっ」

ぎゅーーーっ!!

姉さんは俺のスボンを見てキレイなった事に気づき、すぐ様、抱きついてきた。

あぁ、姉さん、大好き。

「心配したのよ。レイン君が血だらけで、服もボロボロで。レイン君が強いのを知ってたからそんな姿になると思わなくって。いつもなら半日くらいで起きるのに二日間も起きなくって……私、どれだけ心配したか……そして、レイン君の魔力を感じて会えたと思ったら違う女の子と抱き着いて…。レイン君、私の事ホントに好き?」

「心配かけてごめんね、姉さん。僕は姉さんの事が一番好きだよ。」
勘違いしないで欲しい。
何も取り繕っていないマジでガチの本音だ。

「嬉しいわっ!大好き!レイン君!!えへへへ……レイン君、レイン君、レイン君♪」
抱き着きながら、俺の顔に自分の顔を擦り付ける、ご機嫌な姉さん。


かわいいいいいいい!!!!!




こうして、俺達2人は幸せな気持ちになった。

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