男女比が異常な異世界で最強になった俺は前世の夢を追い続ける

音感あっきー

2章。ラーラはレイン君を自慢したいんです。

これは、ラグナ先生の元にレインが駆け付ける数分前の事。

はぁ。
ギルド行ってこようかなー。
竜のお金もまだ貰ってないし。

ん?

レインは違和感を感じた。
その違和感は直ぐに分かった。

『夢の欠片』の事件以来、弱い検索魔法を意図的に発動し続ける事でそれを癖になるようにしていたのだ。
そして、その内の誰だか分からないが反応が小さくなっているのがあった。

『反省が活かせましたね』

「あぁ、もうこんな事で後悔はしたくないからな、瞬足っ!」

ひゅん!

反応に近付くにつれて、誰がその反応なのかがわかった。

「ラグナ先生か…。」

『今、首に剣を突き付けられています!』

「分かった。」

俺は、急ぎながらそこら辺に落ちてた石を手に握った。

「見つけた!ってか、突きつけるどころか、斬ってんじゃん!えいっ!」

俺は手に握っていた石を剣めがけて投げた。

かきんっ!

剣にはヒビが入り瞬く間にボロボロと崩れ落ちた。

学園で人を斬るとかヤバすぎだろ。


「あのー、何をしてるんですか?」

「ああ?何だクソガキ!お前も殺されたいのか!!!」
顔を真っ赤にして怒っているのは明らかに貴族だと分かる。

「いや、殺されたくはないですが、その人は僕の担任の先生なんで…何でこんな事になってるのかなーって」

「貴様がレインか!!!!今すぐコイツを殺せえええ!!!!!」
もはや焼け糞だな。
取り敢えず、面倒なのは殺してしまえと言わんばかりだ。

「はっ!」
護衛は俺目掛けて走る。


「駄目…!逃げて!レイン!!」
ラグナ先生は泣きながら叫ぶ。


「3人だけですし、大丈夫ですよ、先生」
俺はそう言って先生に笑顔を見せた。

「はあっ!!」
護衛の一人が先程、壊れた剣を捨てて別の剣に持ち替え振るう。

スカッ!

「拘束魔法」
俺は護衛の肩に手で触れる。

ビリビリ

ぱたり。

「この!」

スカッ!

ビリビリ

ぱたり。

「くそ!!」

スカッ!

ビリビリ

ぱたり。

すぐに、護衛3人は無力化された。

「あのー、暴力で訴える前に何故こうなっているのかを教えてくれません?貴族さん」

「ぐぬぬぬぬ…お前が悪いんだ!!お前が我が息子を侮辱したから!!!!」
悔しそうに歯軋りしながら、叫ぶ。

「ええっと、攻撃を当てさせろって言われたから、当たってやったのに文句言いたげな目線を送ってきてたF男君のお父さんですか?」

「平民が貴族に勝つなど無礼だ!!!お前を無礼罪で裁く!!!!」

「えええ…、この学園って身分関係ないんじゃないんですか?」
マジ困惑。

「そんなもの知らん!!!」

「うーん、そうだなぁ。じゃあさ、これ見てよ。」

(神ちゃん、アレ頼む)

『了解しました』

ぴらっ

一枚の紙が現れた。

「なんだそれは!」

「えっとね、この紙は王様が直々に書いてくれた契約書で…僕が王族や貴族に対してのある程度の無礼を許すっていう物なんだけど…ほら、ちゃんと印も押してあるよ?」

「なっ!そ、そんな物!偽物だ!平民如きがそんな物を持っている筈がない!!!それに、書いてあるのは、ある程度の無礼を許すとだけだ!お前が我が息子にした無礼は極まりない物だぞ!!!」
顔が赤色から一気に青色に変化する。
凄い、何かのマジックかな。

「ある程度っていう言葉の基準は王様に任せるってなってるんだー、だから、この後、一緒に王城まで行きましょうか、そして、王様に報告しましょうよ、身分に関わらず互いに高め合う授業で、貴族が平民に負けた事を侮辱と捉え、それを理由に教師に怪我をさせた上に生徒にも手を出したと。」

「はっ!!!そんな出鱈目で偽物の契約書が通るとでも思ってるのか!!」
青ざめた顔で勝ち誇ったように言う。
焦ってるのか焦ってないのかハッキリしろよ。

「えええ、じゃあ、1つ聞くけどさ、この契約書が本物だったら、王様を侮辱する事になるんじゃなあい?」

「くっ………いや!そんな契約書を作るはずがない!!それは偽物だ!!!」

「そっかー…残念だなぁ。信じてもらえないか……じゃあ証人が必要だよね、ちょっと待っててね、5秒くらいで戻るから。あ、あと、窓ガラス割れるけど、修理代は貴族さんが払ってね、証人を連れて来ないと王様の事が信用出来ないらしいから、それくらいのお金を払って王様からの信頼を取り戻してね」

「何を…」

「えーと、一番近いのは…よし、神速っ」

ぴゅん!

ぴしゃーん!!!

窓ガラスが勢いよく割れる。




「いたいた、おーい、ラーラ!」
見つけた瞬間に神速から瞬足に切り替えて、ラーラが風圧で吹き飛ばないようにする。

「あら、レイン君、どこからやってきたのかしら……」
不思議そうな顔をするラーラ。

「ええっと、取り敢えず、付いてきて欲しい!大丈夫?」

「え、ええ、いいですけど…きゃっ、レイン君?」

俺は返事を聞いてすぐに、ラーラをお姫様抱っこした。

「目を瞑って、しっかり捕まって下さい」

「えっ、その…は、はい」

「神速っ!」

ぴゅん!!


ぴゅーん。

「よいしょっと、只今、戻りました。ラーラ、いきなりごめんね、もう目を開けていいよ」

「え、あ、はい、何か凄い風を感じた気が……え、何でこんな場所に?」
レインにお姫様抱っこされている事に少し顔を赤らめながらも、周りの状況が飲めずキョトンとしている。

「ら、ラーラ様!?まさか!?いや、ラーラ様、聞いてください!この無礼な少年が王様から貰ったと言って偽物の契約書を用いようとしているのです!!!ソイツを無礼罪にかける許可を!!」

いやー、何でこうなるかなぁ。
自分から王女様を連れてきたのに、まだ嘘を付いていると信じられるその脳味噌は人を見下す事しかできない、脳筋なのかよ。
お花も枯れちゃうよ。

「あ、ラーラ、この契約書の事ね」

ピラっとして紙をラーラに見せた。

「この契約書でしたら、お父様が書いた物で間違いありませんわ。それにしても、レイン君、何があったのですか?窓ガラスは割れていますし、ラグナ先生も酷い怪我をされていますし、人も倒れていて…」

「そ、ソイツが!ソイツが、我が息子を侮辱したのです!ラーラ様!!」
頭を下げて泣き叫ぶ貴族さん。

「レイン君が?それは無いと思いますが…」
ラーラは何それ、おいしいの?みたいな、雰囲気を出している。

「何故!何故そう言い切れるのですか!!」

「レイン君は困ってる人を見ると相手が誰であろうと助けてしまうような人なんです。実際、私のお母様も妹のルーラも助けて頂きましたわ。その様な人が進んで誰か侮辱するとは思えません。例え誰かを侮辱するとするならば、それは相手に非があった場合だと思いますわ。」
ラーラはニコっと笑いながら喋る。

「し…、しかし…、コイツは平民の癖に剣で我が息子を生徒の前で倒し…」

「この学園に身分は関係ありませんわ、それは、貴方のご子息様がただ単にレイン君に及ばなかっただけではありませんか。それを侮辱と捉えるのは些か理不尽だと思いますわ。それに、噂では、戦いを挑んだのは貴方のご子息様だと聞きましたわ。戦いの最中には聞くに耐えない暴言を発していたとも聞きました。それこそ、レイン君に対しての侮辱なのでは無いですか?」

ラーラ選手!強い!強い!強過ぎるー!!!これには、流石の貴族さんもメンタルがやられていくー!!!!

「くっ………くそっ!!覚えとけ平民のクソガキ!!!」
そう言って、貴族さんは護衛も放ったらかしにして、逃げていった。

ふぅ、これで一段落……
「あ。駄目だ。逃したら、窓ガラス代が…瞬足!」

ひゅん!

貴族さんの走る目の前に出る。

「どわぁぁぁあ、何だ貴様!」

「あの、窓ガラスのお金、しっかりと払って下さいね?でなければ、王様に今回の事、報告させて頂きますので…よろしくお願いします。あ、そうだ、護衛さんの魔法を解きますから、持って帰ってくださいね」
俺は丁寧に、頭を下げておいた。

「わ、分かった、さっさとどけ!クソガキ!」
そう言って貴族さんはお金をバンッと置いていき、魔法が解けた護衛さん達を連れて去っていった。



「ラグナ先生、僕のせいで…すみません。」
そう言いながら、回復魔法をかけていく。
どんどん、傷は癒やされて元の姿へと戻っていく。

「いいえ、貴方は何も悪くないわ」
ラグナ先生は笑顔でそう言う。

「にしても、何で他の教員は助けないかな…少し腹が立つな…」

気になっていた。
今回の件は裁判になったとしても勝てていたと想う。
にも関わらず、無視を貫くという事は学園の方針を否定する事と同値だ。

「いいのよ、レイン、気にしないで、貴方が駆けつけてくれたじゃない、それにしても実技0点って本当?回復魔法が使えるなんて聞いてないわよ?それに、拘束魔法?初めて聞いたわ。姿が消えて窓ガラスが割れたと思ったらラーラさんまで連れてくるんだもの。」

「先生、レイン君は試験の日に街に現れた盗賊や魔獣から住民を助けていて、試験を受けたのは座学からでしたそうよ、だから、実技が0点なんですわ。実力自体は学年トップレベルだと思いますわ。冒険者のランクもたったの一日でGランクからCランクまで上がりましたし、今日はSランクのグレンさんと一緒に竜を倒しに…」
まるで、自分の事かのように自慢するラーラ。
どうやら、ラーラは俺が真実を皆に言わない事を不満に思っていたらしい。
いや。ラーラに限った話ではない。
ローラも。
そして、ルーラは初めからそうであった。


「えっ、そうなのレイン?」
信じられない物を見るかのような目。
いやー、酷い。

「えへへ、はい…」
少し照れ臭い。

「ん?でも、今日ずっと授業出てたよね?」

「…………ええっと、魔法でちょっと分身を作って…………もう二度とそんな事はしません!!!って今日、先生とお昼を食べた時に誓いました!!!」
土下座スタイル。
最上級の謝罪。

「……まったく。まぁ、今回は私も助けてもらったから許してあげるわ。あと、1つだけ約束して。これからは授業で手は抜かない事!さっきのを見て、今日の剣術も実は一瞬で倒せれたんじゃないの?」

「あはは、今日の剣術のは、女の子達の前で最弱の僕に瞬殺させるのはF男君に悪い気がしまして…いい勝負にしてみたんですけど…どうでしたか?」

「レイン君らしい気遣いですわ、それもまたレイン君の良いところなんですが」
ラーラは関心したように言う。

「そういう事だったのね。分かったわ、これからは真面目に手を抜かないで頂戴ね」
ビシッと指をさして先生は俺に迫ってくる。

「はーい」
俺は、軽く返事をした。

こうして、F男君関係の話は片付いた…はずだった。更に深刻な問題がこの後、2つ同時に発生するのであった。

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