男女比が異常な異世界で最強になった俺は前世の夢を追い続ける

音感あっきー

2章。竜は圧死。オーク肉は灰。卵焼きは溶き卵。

アンダンテ平原に溜まっているグロテスクな竜達を取り敢えず、収納魔法に突っ込み、神ちゃんに古竜以外は素材だけを残してもらって内臓などその他グロテスクな物は取り除いて貰った。

はぁ。帰るか。
グレンは未だに気絶しており、レインの背中。
無いに等しい胸が当たる。
俺達は馬車に乗って帰った。

がちゃ。

からんからん

ぎろっ

「アエンさーん、終わりましたー」

「おお!!ん?………グレンさんは?」

「あ、気絶してます」
俺は背中に背負ったグレンさんに親指を指して示した。

ザワザワザワザワ

「グレンさんが気絶?」「え、嘘!?」「ホントだわ」「グッタリしてる」「私も背負われたい」

あぁ、そっか、Sランクが気絶って相当な事って取られるよな。
まぁ、確かに神速が無かったらあの竜達と同じ目に………あぁ、考えるだけでゾクッとする。

「な、何があったんだ、レイン!!!」
焦るアエン。

「ええっと、面倒な説明を省くと……お姫様抱っこしてて、僕がグレンさんを地面に落としてしまって、気絶しました。」

「「「……………。」」」

「グレンさんをお姫様抱っこしてたのか………何があったんだよ……心配して損した」
アエン、呆れる…。

「そろそろ報告したいので起こしますか?」

「起こせるなら起こしてくれ」

「わかりました。リカバリー」

グレンさんが白く光る。

「はっ!ここは、死後の世界か!?」
グレンはこの世の終わりを見たかのような顔をしている。
まぁ、確かにこの世の終わりを見てきたと言っても過言ではない程、凄い光景だったけどな。
竜の雨。
流星群ならぬ、流竜群だ。

「ギルドですよ、グレンさん」

「え…私、生きてるの?竜に潰されたと思ったんだけど…」
はて?というような顔をするグレンさん。

「まぁ、良い、取り敢えず、話を聞かせてくれ」

「分かりました。じゃあ。取り敢えず、訓練所に行きましょう」




「出しますねー」

(神ちゃん、お願い)

『了解しました』

ずしぃぃん!!!!ばきばきばきっ!

「あっ………」

一応、訓練所の人を避難させておいてよかった。

古竜の大きさが異常過ぎて、訓練所を埋め尽くした上に余った体や尻尾が少し訓練所を破壊した。

「………お金は後で払います……」

「おう、助かる」
アエン、顔が笑ってない。

「私達はコイツに潰されたんじゃないのか?」
グレンさんはやはり、あの時周りが見えていなかったようだ。

「走って逃げました。だから、お姫様抱っこしたんですよ?」

「お、おう、そういう事だったのか…てっきり、結婚出来ないまま終わる私に夢を見せてくれようとしてたのかと……ん?そういや、竜のオールスターはどうしたんだ?」

「あ、全部コイツに潰されました」

「おおお…それはそれは……」
グレンさんは自分が巻き込まれなくて良かったと顔に書いてあるかのような顔をした。

「にしても、どうやってこんなデカいのをぶっ倒したんだ?」
アエンさんは知らない。
この竜の、残念な死に方を……

「雷が落ちて………あはは」

「そうだな……あれは、残酷な絵面だった…」

俺とグレンさんのみが共有するあの、世界が終わるかのような絵面。

「何だか、よく分からんが、取り敢えず、依頼は成功って事で良いんだな?」
アエンさんは面倒になったようだ。

「そうだな」
「そうです」




その後の素材だとかの値段は追々、伝えてくれるそうで、俺はグレンさんに聞いてみた。

「コレって僕はギルドランク上がるんですか?」

「ん?あぁ、レインはSランクレベルだが、15歳にならないとCランク以上にはなれない。残念だが、通常通り、頑張ってくれ。今日は中々、滅茶苦茶な戦いを見せてくれたからな。私も頑張らなくてはな、ありがとう」

「あ、いえいえ、グレンさんも中々、滅茶苦茶でしたよ?こちらこそありがとうございます」

こうして、依頼を成功させた俺は寮へと………いや、まだ昼だ。
もっと長い戦いになるはずが、全部潰れた事ですぐに終わったのだった。
学校に行って授業を受けてこよう。
分身だと、俺の頭に記憶は入ってこないからな。

俺は学校へ向かった。




今はお昼休み。
学園にバレないように忍び込んだ俺は分身を呼び出して、そして、消した。

Gクラスの教室には一台の机。
取り敢えず、座ってみた。

何もない。
黒板には恐らく午前中にやったであろう授業の内容が書かれている。
どれも、初級魔法の物ばかりだ。

はぁ。やっぱり誰もいないっていうのは悲しいな…。

「ん?レイン、お昼食べてないのか?」
ふと、教室のドアから誰かが顔を覗かせて、呟いた。

「ラグナ先生…」

薄い金髪に日が差し込んで透き通るようにキラキラと輝いている。

「お前、体調良くなったのか!心配したんだぞ?さっきまで言葉の発音も棒読みだったり、抑揚が全く無かったというか…」

「えっ、あ、いや、まぁ、そういう気分だったんです…あはは」

案外、落ちこぼれだとしても、一人の生徒として見てくれているんだな…。
思っていたより良い先生なのかもしれない。

「で、昼はもう食べたのか?」

「……いいえ、まだ…」

「なーんだ、一緒に食べるか」

「えっ…」
驚いた。

「え…、嫌か?」
ラグナ先生は少し残念そうな顔を浮かべた。

「いいえ!全然!食べましょう一緒に!」

「よし!じゃあ……って、あれ?弁当は?寮で朝、買わなかったのか?」

「え、そんな事できるんですか…?」

「うん……。まぁ、初日だからな、ふっふっふっ、こんな事もあろうかと…じゃーん!ラグナ先生、手作り弁当!!!」

「………え、先生の分は?。」

「何言ってるの、一緒に食べるのよ」

「良いんですか?」

「当たり前よ、困ってる生徒ちゃんを助けるのは先生の役目でもあるのよ?」

俺は何かこの先生を初めから面倒な人だと思っていたのかもしれない。
でも、それは間違いだ。
こんなに優しい先生なんて、前世にいただろうか。
偏見は…ダメだな…。




「あの……これなんですか?」

「オーク肉の焼き肉よ?」
先生は何を言ってるの?と言わんばかりの顔だ。

そして、俺は何を言ってるの?と言わんばかりの顔で質問した。
「灰ですよね?これ」

弁当の片隅に納められていた、この、黒色と灰色が混ざり合ってフワフワとしていそうな固形物のようなもの。

「何言ってるの、火を良く通さないといけないからこうならざる負えないのよ?」
当たり前の事というように、胸を張って答える先生。

「………………。」
どこに、炭を通り越して灰になるまで焼いた物を料理と言い張る人がいるだろうか。
いや、いたよ。ここに。
反語にならなかったよ。

(神ちゃん、オークある?)

『はい、出しますか?』

(頼む)

ドスン。

「え?」
先生はいきなり魔獣が現れ驚いている。
少し警戒もしている。

「先生、本当のオーク肉の焼き肉を作ってあげますよ」

ーレインの3秒クッキングのコーナー。ー

まずは斬ります。1秒目。

スパパパパパンっ!

次に魔法で外身を高温で焼いて旨味を閉じ込めるとともに、肉に含まれる油脂を超振動させ、熱を発生させて内部もしっかりと加熱します。2秒目。

じゅわぁぁ

調味料をかけます。3秒目。


完成!


「はい、先生どうぞ。」

「え…あ、はい、ちゃんと火は通ってる?まだ、灰色になってないみたいだけど」

「灰色になったら苦くなるだけなので、油と合わさって石鹸が完成するだけですよ。」

「せっけん…?何それ」

あぁ、そうかこの世界ではまだ、水洗いだけだ。
昔みたいに、女はお香を焚き染める訳ではないが、男は香水で全てを誤魔化す世界だったな、ここは…。
まぁ、俺は洗浄魔法で綺麗さっぱりなんだが。

「まぁ、食べてみて下さい」

「え、ええ。」

先生は恐る恐る、フォークを肉に突刺し、口へと勢いで放り込む。

ぱく。

「どうですか?」

「オーク肉って苦い割に人気があって前から不思議だったのだけど、このオーク肉は苦くなくて、寧ろ少し甘みがあって美味しいわね」

先生の言うオーク肉とは、きっと、木を焼いてもできる省エネ料理なんでしょうね。

「それにしても、実技0点のレインが、魔法を使って料理するなんて…意外ねー」

こういう事を言われるとちょっと、イラッとくるなぁ。
実技0点の部分は必要だったのかな?


そんなこんなで、卵焼きという名の溶き卵を食べさせられたり、色々あったが、何となく楽しかった。

「よし、お昼も食べたし、次のFクラスの合同授業、頑張りましょうね!」

「合同授業…?」

「何言ってるの、剣術の授業の事よ」

「あ、はい、分かりました」

「訓練所でやるから、怖くてもちゃんと来るのよ?」

「はーい」


先生の優しい一面を見たレインは今度からはしっかりと分身など使わず、授業に出席しようと決意したのであった。

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