男女比が異常な異世界で最強になった俺は前世の夢を追い続ける

音感あっきー

2章。ほら、Gクラスって最強じゃん……ううう。

「す、すみません!遅れました!」
俺は頭を下げながら座学テストの教室へ入った。
試験科目は算学
試験時間は一時間。
そして、残り時間は二十分。


「君がレイン君ね、分かったわ、時間ないけど、諦めないで頑張りなさい」


周りには沢山の受験者。
皆、俺の方を見ては少し目を輝かせて、はっと何かに気づき急いで羽ペンを動かし始める。
まぁ、遅れてきたら気になるわな。
それだけではなさそうだが。
皆、まだ羽ペンを動かしている。
うーん、難しいのかな。


さぁ、理系の力を見せてやる!

一問目!!

3+7=

二問目!!

8+7=

……………だから言っただろう。何故、繰り上がりの問題を2問も出す…。1問で出来るかどうか確認できるだろうが…破ってやろか…。

テストは十分で終わった。



はぁ、満点だ満点。
国学も大した問題は無い。
小学生でも十分満点が取れる。

『10歳は小学生ですよ。』

「………あ。」




試験後、ヘレン様に呼ばれた俺は訓練所まで来ていた。

「あはは、こんにちは」

「こ、この子が!?」「神様の子よ!?」「可愛い」「何でヘレン、知り合いなのよ?」「私と代わりなさい」「私決めた、この子と結婚する」

騎士団もこんな感じなんだな。
王女様に使えてた騎士団は男ばかりだったからな。
なんか、意外だ。

「ごほんっ。ええっとレイン君、まずは今日の盗賊の件。ありがとう。感謝する。騎士団がせねばならない仕事を一人に押し付けてすまなかった。」

「あはは、気にしないで下さい。やりたくてやった事ですし、ヘレン様達がいなかったら、王女様達も危なかった訳ですし」

「そう言ってくれるとありがたい。そして、一つ頼みがある。私を弟子にしてくれ!」

「へ?」
何を言っているのだろう。
弟子?
うーん、俺の剣って作法とかメチャクチャでただ、振り回してるだけだし、弟子になったとしても多分、何も……
相変わらず、ヘレン様は頭を下げたまま。

「ええっと、僕、剣術、下手ですよ?作法とか知りませんし、適当に力任せに振ってるだけで」

「いや、それでも良い!弟子でなくても良い!闘い方を教えてくれ!!」

うーん、そこまで言われるとなぁ…

「分かりました。取り敢えず、戦ってみましょうか。ヘレン様は木剣を使ってください。僕は細い木の枝を使うので。ただ、僕は魔法を使わせて頂きます。」




周りがザワザワしてきた。
ヘレン様はポコ領騎士団副団長であり、今はアンダンテ領の近衛騎士団の上層の人間だ。
その人間の相手が細い木の枝を使うと言う。
何がしたいのか分からない人が多いだろう。

「じゃあ、よろしくお願いします。遠慮はいらないです、思い切り振り下ろしても大丈夫です。」

「分かった。ゆくぞ!!」

たたたたたっ。

ヘレン様が走って真正面から向かってくる。
そして、剣を振り上げると…消えた。
俺の瞬きと同時に後ろに回ったのだ。
うーん、これが戦い方。
俺の方が学べる事が多いかもな。
でも、気配で丸わかり。
まぁ、気配は検索魔法の劣化版で調べてるんだけど。

ばしっ!!

俺は後ろにいるヘレン様に背中を向けたまま、振り下ろされた木剣を木の枝で受け止めた。

「「「え!?」」」

普通に考えたら、木剣の位置を掴めるのがまず凄い。そして、更に細い木の枝で木剣を受け止めれるのが、おかしい。

勿論、細工はしてある。
硬化魔法だ。
これでポキンと折れる事は無くなる。

ヘレン様は咄嗟に距離を取った。

「やはり、意味が分からない。何故、折れないのだ?」

「魔法で木の枝を固くしてるんですよ」

それからも、何度も何度もヘレンが木剣を振るが全て受け止められる。

「はぁはぁ…。何故、私の剣の入る場所が分るのだ?一撃も入らない…。」

「それはですね、自分の魔力を漂わせる事で相手がどんな動きをしているかを客観的に見るんですよ。主観的だと前しか見えませんからね。目を瞑ってやると、よく分かるんですよ。」

「そういう事だったのか…。やはり、意味が分からない。」

「じゃあ、僕から行きますね。うーん、木剣を斬られないようにしっかり硬くして下さいね。」

「え?」

すたたたっ

俺は走ってヘレン様の方へ向かう。

「えいっ」

すぱんっ

からんころん。

「これは…振動魔法か?」

木剣が綺麗に斬れている。

「そうだよ、魔力刃だと枝が壊れるからね。」

「魔力刃?なんだそれは」

「あー、えっと、剣に魔力を流すみたいな」

「どうなるのだ?」

「剣の性能が格段に上がる。ただ、剣によっては性能に耐えきれなくて砕け散る」

「は、初めて聞いた…」

「レイン様、私に教えてくれ」

「いいですよ」

「わ、私も!」「私もお願いします!」「レイン様、私も!」「私もよ!」


こうして、たまに、騎士団と修行する事になった。




合格発表。
来ました来ました。
実技0点だけど座学は満点だろうから合格はしてるんだろうなぁ。

「レイン君ですよね?」
優しそうな声が聞こえた。
この声は…。

「あ!え!お、王女様!あ、えーとその、試験の日はありがとうございました。お陰で、無事にテストを受けれたので」

わぉ、可愛い。だけれども、護衛の人だろうなぁ。凄く睨んでくる。
マナーかなー。
今、思うと頭を低くしてないわ。
周りの人の注目もかなり浴びてるわ。
王女様だもんなぁ。
そりゃ、やばいわ。

「うふふ、相変わらずね、礼儀の事は何も気にしていませんわ。この学園も身分は関係ないですし。それにしても、驚きましたわ。座学の時間に入ってきたので…。少し遅すぎませんか?」

まぁ、そうなるわな。

「あはは、何かでっかい金属性のトカゲに襲われてさ。それとチョイチョイって遊んでたんだ」

「ええっと…アイアントカゲでしょうか…。よく怪我をなさらずに…。それよりも、レイン君は合格してるのでしょうか…。座学だけだと満点を取らないと危ない気がしますが…。私、少し心配ですわ…友達になっても会えなければ…」

あ、王女様は馬車の中だから俺が何をしたか殆ど見れてないのか。
まぁいいや。
てか、俺、心配されてる。
大丈夫だよ、きっと。
多分、合格している。

「うーん。多分、大丈夫じゃないかな。」

「しかし、算学は二十分しか時間が…」

「あー、アレ流石に舐め過ぎだよね、繰り上がり計算も繰り下がり計算も何回も何回も同じ事やらせるし…十分で終わったよ」

この世界が他の進法とかだったら中々、苦戦してたかもしれない。
慣れないからな。
時間がかかる。

「適当に書いた…とかでは無くですか…?」

「え?うん。残りの十分で見直しも3回くらいしたから、多分、大丈夫。というか合格点低いって聞いたけど、何点くらいなの?」

「え…あっ…ええっと、毎年、200点が合格最低点と決められていますわ…」

「え…ジャスト?」

「じゃすと?丁度という意味ですか?」

「あ、うん。」

「丁度200点が合格最低点です…」

「急に緊張してきた…ケアレスミスしてないかな…」

「けあれすみす?誰ですの?」

「ケアレスミスさんはね、駄目な人なんだよ、うっかりやさんで、ドジなんだよ」

世界中のケアレスミスさんごめんなさい。



合格発表の時間だ。

俺の横には王女様。
王女様がいるからか、俺達の周りには護衛以外だと半径1メートル人が居ない。
皆、気を使っているのだろう。

だって彼女は王女様なんだもんっ。

目の前には合格者の名前と点数とクラスが載せられた紙が張り出された。

俺はクラスがある事を忘れていた。
そうだ。
クラスがあるのだ。

いや、今はそんな事は何でもいい。
合格していてくれ!!!

紙の右下を見る。


レイン
実技0点
座学200点
計200点
Gクラス

「右下!!!!よっしゃぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!」
流石、前世で勉強しまくっただけの事はある。

「ほ、本当に200点だったのですね!凄いですわ!!」

「ありがとう!王女様は?」

「ふふふ、左上よ」

ルーラ。
実技188点
座学178点
計366点
Sクラス

「わぁお!すげえ!首席じゃん!!!」

「でも、レイン君が実技も受けていたら負けていたわ」

「ん?俺、剣術ダメダメだからさ、作法とか知らないし」

「え、そうなのですか?なら、私が首席ですね、うふふ。それと王女様という呼び方はやめてください、ルーラとお呼び下さい。」

「え、あ、いいの?じゃあ、ルー…ラ」
何か恥ずかしい。

「もう一度言ってください」

「ルーラ!」

「うふふ、レイン君ありがとう。」

こうして、無事に最下位で入学できたレインであった。
だが、問題はすぐに起きた。




クラスの差を見下し奴だ。
イケメン。
それ故に甘やかされて来たのだろう。

「おい!Gクラス如きが首席の王女様と一緒にいるんじゃねぇ!!」

「いいえ、私が彼と一緒にいたいのですわ」

ルーラ!!!
何て恥ずかしい事を言ってくれるんだ!!!
胸が擦り下ろされるくらいにはキュンと来たぞ!!
でも、恥ずかしいから撤退しようかなぁ、面倒そうだし。
護衛さんも顔が赤ーい。
これは照れるよね、やっぱり。

「あはは、ルーラ、ちょっと恥ずかしいから僕は撤退するよー」

顔が緩んでる気がする。
顔が赤い気がする。
口がニヤリとなっている気がする。
早く撤退せねば、この見苦しい顔が…。

「待ってください!恥ずかしくなんてありませんわ!レイン君は、本当はSクラスでもおかしくなかったんですよ!?たとえ、Gクラスだとしても、それが彼と一緒に居れなくなる理由にはなりませんわ!」

あぁ、恥ずかしいの意味をそっちに捉えたのね。
うーん。何かなぁ。

「ルーラ、気持ちは分からなくもないけど、俺は自分の結果に言い訳はしないって決めてるんだ、だから大丈夫だよ、ありがとう。そろそろ、入学式が始まるし、喧嘩したりしたら問題になるだろうから、ね!」

「…………うん」

不満気だな。
でも、Gクラスってある意味最強だよ?

Sクラス→サンドバッグクラス
Aクラス→アホクラス
Bクラス→バカクラス
Cクラス→虐げられるクラス
Dクラス→ドアホクラス
Eクラス→エロエロクラス
Fクラス→腐卵臭クラス
Gクラス→ゴキブリクラス

ほら、ゴキブリって小さくて速くてキモくて……ううう。

『結局、言い訳するんですね』

(心の中ではいいの!!)




この後、レインは衝撃の事実を知る事となる。

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