男女比が異常な異世界で最強になった俺は前世の夢を追い続ける

音感あっきー

1章。ごめんよりありがとう。神の天罰。

どうやら、強制回復のお陰で、熱で気管が溶けて喉を塞いでしまっていた母さんが話せるようになった。
段々と、溶けていた肉や皮膚も元通りになりつつある。
母さんも何でどんどん傷が治るのかが理解できないようだ。
「レイン、その…ごめんね…こんな事になるなんて思ってなくて…」

「ん?全然いいよ?家族だもん!それより、服着て!僕、母さんの裸見てるのちょっと恥ずかしいよ…えへへ」

「本当にごめんね…」

「母さん、僕はごめんよりもありがとうの方が好きだよ?」

「うん………ありがとう」

「姉さんから聞いたかもしれないけど、お金の事は家族皆で乗り越えよ?母さんと姉さんだけ苦しい思いをするのはズルいよ?家族で四等分するべきだよ。」

「………ありがとう」

母さんが少し素直だった。
今回の件で少しまいっているのかもしれない。
それもそうだろう、あの傷は腹いせに刃物でただ、楽しむかのように切りつけられていたと思う。
俺がいなければ、確実に母さんは死んでいた。
借金取りが俺のいる今日を選んでくれたのも幸いだ。
だけど…借金取りにはどう説明するかなぁ…。

『レイン様、バレないようにこの建物を壊すというのはどうでしょう…』

(流石にマズくないか?)

『見たところ何の罪もない人が奴隷にされているように思います。』

確かに、神ちゃんずによって犯罪歴がない人は輪っかが消えている。そして、殆ど女性であり、小さな子供までいる。
牢獄からまだ出れていないため、一つずつ牢獄を壊して、少し話を聞くと借金も何も無いがいきなり、後ろから襲われて眠ってしまい凄い痛みと共に目が覚めたら裸で全身が切傷だらけだったという。

(段々、腹が立ってきたな)

『地下には犯罪者がいますから一階部分をメチャクチャにして、商売を継続不可能にしてやりましょう。リアルな神様の天罰ですね。雷を落としましょう。』




「レイン君…ありがとう」

「気にしなくて良いよ、無事でよかっ…無事ではなかったか…怖かったよね…」

「痛かったし怖かったし、やっと昨日何か変わった気がしたのに、もう死んじゃうって思ったから…」

「大丈夫。僕がもういるから。遅れてごめんね。痛かったよね。辛かったよね。」

姉さんは裸のままだが、俺に抱き着いて泣いていた。
泣いて当たり前だ。
こんな事されて泣かない奴なんていない。
あやうく、人としての人生が終わるところだったんだ。
強制回復がなければ火傷の跡がしっかり残って一生、心に傷を負い続ける事になった……いや、既に、心に傷を負っている。
どうしても俺は許せなかった。

「ほら、姉さん、僕、姉さんの裸見るの恥ずかしいから服、着てよ。」

「うん、…何かレイン君、立派になったね。私、何か嬉しいよ。誰も助けに来ないって思ってたし…」

「僕は何でか分からないけど姉さんと母さんが大変な事になってる気がしたんだ」

(誤魔化せてる?)

『まぁ。大丈夫でしょう。』

「レイン君、ありがとう!こんな頼もしい弟がいて私は凄く嬉しいよ!」

「えへへ」




(そういや、母さんの契約の火が初めから赤かったのは何で?)

『恐らく、輪っかの種類が違ったんでしょう。スノウ様だけ銀色の輪っかでした。他の方は黒です。恐らく、抵抗が激しかったため、効果が強い物を選んだのかもしれません。あれは、魔力や声に反応して火が発動していました。2人はレイン様が知っている通り魔力で威圧をして気絶させようとしたのでしょうが、輪っかのせいで返り討ちにされたという感じですね。』

(そうか……じゃあ金色の輪っかがあるとしたら、抵抗したら一瞬で死んでしまう物なのかもしれないな…)

『はい、恐らくはそういう類の物かと思います』

(…………。)




こうして、最近有名になっていた誘拐事件の犯人として、この商店の経営をしている人は全員捕まったそうだ。
そして、皆、一人の男性によって一切の怪我なく、元の場所に帰れたという、噂が凄い勢いで拡散された。
だが、納得のいかない者がいた。
俺だ。
姉さんと母さんを傷つけた罰はやはり受けてもらう。

『やってやりましょう。遠隔放電魔法です。』

「雲の中で発生している静電気を集中。集中。集中。空気に流れろ。遠隔放電魔法、雷!!」

ぴしゃん!どごごごごごごごごん!

その日、商店は神の罰を受けたとして、崩壊する事が決定した。

(これ、借金どうなるの?)

『まともな別の商店が引き継ぐそうですよ。お金稼ぎましょう。』

(そうだな、今回の事でお詫びとして開放した奴隷の家族から結構お金を貰ったけど、まだまだだもんな。)

当然の事をしただけだからお金はいらないと言ったが、そういう訳にもいかず、銀貨一枚という事にした。
お金が欲しくて助けた訳ではない。




今日は、母さんと姉さんに頼まれて一緒に寝る事にした。
流石に父さん。心配してるよな。
まぁ、事情をしっかり話せば、わかってくれると思う。

「母さん、仕事減らしてね、姉さん、勉強頑張ってね」

「「うん、ありがとう」」



俺には二人が少しだけだが目の色と髪の色がいつもよりも輝いているように見えた。




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