男女比が異常な異世界で最強になった俺は前世の夢を追い続ける

音感あっきー

1章。クマなのか、犬なのか、天然なのか、ドジなのか、アホなのか!

「ねぇ、神ちゃん、そういや、何で回復魔法2回使ったのに俺、フラフラしてないの?」

『恐らく、この世界の人間よりも医学知識が多いためイメージが具体的なんだと思います。それ故に魔法の質が良いため、完治するまでにかかる時間も短く、魔力の使用を最低限に抑えたのでしょう。ただのヒールでしたが、回復魔法師が使うヒールの一段階上級のハイヒールと同じくらいの回復力があるように見えました。』

医学科志望だったことがこんな風に活かされるとは…。

『そうですね。レイン様は科学や医療が発展していた前世の記憶があるため、想像力がこの世界の人より相当、高いように思えます。すると、魔法の質や、威力もその分、強くなるのです。更に私たちを通して魔法を使用して頂ければ、省エネにもなりますし、威力もかなり高くなります。でも人間です。大丈夫です。』

「あのさ、もしかして、これって声に出さなくても考えるだけで会話できるの?何回か、頭の中で考えてた事を如何にも俺が喋ったかのように、普通に返事してるんだけど。」

『あ…説明忘れてたっ!てへ!』

(やっぱり天然か…)





あれから、どれくらい山を登っただろう。
結構、走ってるのに中々、村が見えてこない。

「ねぇ、神ちゃん。こっちで本当に合ってるの?」

『はい、あと一日くらい走れば到着します。』

ん?
んん?
んんん?

『ん?あっ…。あはは…速く走る方法初めに教えるの忘れてました…。』

(ドジかよ…。天然かよ…。アホかよ…。どれなんだよ…。)

「一つ聞いて良い?他の神ちゃんずは気にならなかったワケ?」

『あは…あはは…あは…すみません。』
『わわわ、私は分かってたんだからね!ふんっ!』
『完全に忘れてた。あは。』
『てへっ!』

(駄目だこりゃ………。)

『ま、まぁ、こういう事もありますよ。そんな事より走りましょう。神ちゃんずを使役する者だけが使える瞬足技です。神速と言います。先程の強制回復と同様に祈って頂ければ、自然と足が速くなります。』

「おおお!よし、使うぜ!」


神速を使わせてください!

『承りました!いくぜ!神ちゃんず!』

ピカーン!!

「うわわわわわわわわ!」

ばこん!
ばこん!
ばこん!
ばこん!
ばこん!

足が白く輝き、足が速く動き進む。目が慣れないため、次々と迫りくる木を回避する事が出来ず、何本も木をへし折りながら進む。というより、風圧のせいで目が全く開けられない。躓いたら、おそらく、山に穴が空きそうなスピードだ。

『あはは。これは、ツボですね。あは。すみません。あはははは。久し振りにやったもので…あはは。足に集中し過ぎて、目に神ちゃんずの力を経由指せるのを忘れてました。ふぅ…ぷぷっ。い、今から動体視力を上げるのと神ちゃんずシールドを展開します。』

(おい!何笑ってやがる。普通の人間だったらそのミスで死んでるからな?)

「お?見える!風圧もカバーされてる!速いなこれ!この速さってどれくらい持つの?」

『基本的には制限は有りません。使いたい放題です。ただ、人前で使うと周りから驚かれるのと、レイン様くらいの体格の子であれば、恐らく衝撃波で1メートル程、吹き飛びます。大人であれば、少しバランスを崩す程度ですね。大丈夫です。人間です。』

(人間です。は決まり文句になってきたな。)

「因みにこの速度だと、村まであとどれくらい?」

『3時間くらいですね。あと、すみません。先程の話は聞いておられましたか?衝撃波で吹き飛ぶという話。』

「ん?あぁ、聞いてたよ?」

『後ろ…。』

「…。」

俺の後ろに広がっていた光景。
それは、何とも綺麗に舞い散りすぎる葉っぱであった。
俺が通った付近の木には葉が付いていない。
全て舞っている。

「まぁ、もうすぐ冬だから、バレないって。」

『今は春ですよ。』

森の木々。ごめんなさい。

「季節ってあるんだな。」

『はい、日本に限りなく近い物になっています。』

「そっかぁ。光合成させてあげられなくて、ごめんね。暫くはお水を上げにやってくるよ。」

『まぁ、川がすぐ側にあるから、そんな心配は無さそうですけどね。神ちゃんずが責任を持って植物を再生させておきます。』

(万能過ぎだろ…。)



それから3時間程走り続けた。

「もしかして、あまり疲れないのって神ちゃんが何かしてる?」

『はい、普通の呼吸で取り込む酸素の量を少し多めにしています。それと強制回復を少しですが使用しています。』

「凄いな。ありがとう。」

『いえいえ。そろそろ見えてきましたよ。スピードを落として下さい。』

ウェザー村は山の頂上にある、小さな村だ。
人口は50人程。その殆どが女性の大人だ。
子供は10歳になると山を降りて王都へと向かい学園に入る。そして、大人になり、また戻ってくるというサークルで何とか保たれている村だ。

『止まってください。角クマが15匹、村を徘徊しています。今のレイン様なら余裕です。ですが、強い事を理由に油断するのは駄目です。慎重に行きましょう。』

「分かった。忠告ありがとう。ちなみに、慎重にっていうのは何か作戦あるのか?」

『一発で一匹ずつ仕留める事です。(どやさぁ)』

「まぁ、確かに慎重にと言えば慎重にだが…。まぁ、やるか。石を探してと…。」

『石は必要だと思い持ってきました。目の前に出しますね。』

「おー!そんな事できるのか!流石は神ちゃ…。えっ!?」


どすーん!!!!


予想より大きい石。いや、これは岩だ。

「あの…。神ちゃん。張り切ってるのは分かるんだけどさ。今、地響きしたよね。地面震えちゃったよね。」

『あ…。てへっ!石と岩を間違えちゃった!角クマ15匹、皆コッチに向かってまーす!…ごめんなさい。』

まぁ。分かったよ。

神ちゃんずは。

ドジで天然でアホなんだ。

「まぁ、いいや。取り敢えず岩を砕いてみようかな。さっき習った体術の応用で…えーと、イメージイメージ。」

岩の内部で一気に衝撃を破裂させる的なイメージ。アーモンドチョコのアーモンドだけを割るイメージ。卵の殻の中で黄身だけをぶっ潰すイメージ。

こんだけイメージしたら…

「とお!」


ぴしぴしぴしっ!かきん!


「我ながら上出来!綺麗に四等分出来たから、次は両手で潰すと。」

がきがきっ!
ごりがきっ!
ごきごきっ!
がりごきっ!

さぁ、石合戦の始まりだ。子供も真似しないでね?

『レイン様も子供ですけどね。』

(こういう所鋭いよな、神ちゃん!)


「4匹来た!えいっ!」

ばひゅん!ばひゅん!ばひゅん!ばひゅん!

ぐぎゃぁぁぁぁあああ!!

「魔物ってヘッドショット狙っても死なないんだね。」

『首を落とすのが弱点ですよ。』

「なる程ー!って当たり前だよ!」

がるるるる!

「さっきから思ってたけど、クマの割に犬みたいだよね!せい!」

すぱすぱすぱぱん!

どぅすどぅすどぅす!

「あ、石が小さいと、すぱぱんって鳴るんだね。なる程。あと8匹かな?次は体術行ってみよー!」

石をポケットに少し入れて向かってくる8匹の角クマへと向かった。

がるるる!
ぐるる!
がうがう!!
わん!

「この犬もどきめ!」

「せいや!」
どぅす!
「そい!」
だん!
「ほいさ!」
でぇん!
「わっしょい!」
どーん!!

『レイン様、少しずつ威力が上がってますね。衝撃音も賑やかです。』

「最後の4匹はちょっと試したい事があるんだー!」

レインは唸る角クマにまるで餌をあげるかのように石を放り投げた。

『レイン様、何を?』

「ドッグフードならぬ、ベアフード。食べてくれるかなぁ?ワクワク!」

『レイン様、流石に角クマを馬鹿にし過ぎです。食べる訳がありません。』

「食べてるよ?」

『わぁお!いっつ、ふぁんたすてぃっく!』

「ちょっとだけ、別の角クマの血を付けてみたんだ。まさか、少し大きめの石を食べるとは思わなかったけど。」

『レイン様。それで、何をするんですか?』

「まぁ、見てなさいっ!」

「そいや!!」
どす!
どぅすどぅすどぅす!
すぱぱぱぱぱん!

1匹のクマをレインが叩いた瞬間。
クマの横腹から大量の小さな石と血と胃の内容物が弾丸のように打ち出された。

「石を食べた角クマが他の角クマ達に近づいた所を狙って、さっき岩を割った時に内部で衝撃を破裂する技使ったじゃん?あれを使ったら胃の中にある物を衝撃で破壊出来るんじゃないかなって。」

『おおお!流石!男は拳!つまりはだ。それ内臓にダメージを与えるのと同じ効果があるぞ!ただ、石を用いなくても良かったんじゃないか?多分、レイン様なら一発でクマはノックダウンするぞ?』

「体術の神ちゃんか!この作戦の狙いは、一気に全員倒すのが目的だよ。見て!皆、横腹に穴が空いてる!石が貫通したんだよ。」


4匹全てのクマの横腹に穴が空いている。
1匹目のクマの胃から出てきた石や、高水圧で打ち出された血などが隣のクマに穴を空けたのだ。

「まさか、ここまで上手くいくとは思わなかったけど、これで直線状に並んだ弱い敵なら一気に倒せるよ。」

『あの…。レイン様。それって結局、一番初めにやった体術を使ったら出来たことなのでは?貫通力に力を入れて拳を入れれば出来たと思うのですが…。』

「……………。てへっ!」

『(天然ですか?ドジですか?アホですか?)』

「まだ、生きてるから、それやってみるよ。」

「えいや!」

どしゅゅん!!!

『こっちの方が一発で仕留めれますし、完璧でしたね。(どやさぁ)』

「うん。ちょっと見直したよ神ちゃん。」



こうして、村の危機を救ったレインであった。






















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コメント

  • 苺大福

    熊の立場が……ヽ(´Д`;)ノ

    1
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