男女比が異常な異世界で最強になった俺は前世の夢を追い続ける

音感あっきー

1章。神ちゃんず参上!大丈夫!俺は!人間だ!

目が覚めるとそこは川がすぐ横で勢いよく流れる森の中だった。
頭がとても痛い。
意識がはっきりとしてきて、自分が何者かが分かってきた。
転生…したのか。

俺は睦月一であり、平民の子のレインか。

えーっと…。
父親のクラウドとこの森に入って、最悪の魔物っていう奴に襲われて…父親に逃げろと言われて…逃げて、急な斜面で足を捻って転げ落ちて川に流されて、気づいたらココにいたってとこか。
んー、この場所は見覚えが無いから…迷子だな。
にしても、凄い魔物だな。
頭から角が生えた熊とか初めて見たな。
父さんは生きてるのかな…。
状況が前世に似てる気がしなくもない。

その前にまずは家に戻る事を考えなきゃなんだが…。
川に流されたのか…。
でもこの水の勢いから考えると明らかに上流レベルなんだよな。角ばった石とか岩ばかりだし。
って事はもっと山を登れば流されてきた場所には辿り着けるのかな。

「痛っ!」
鋭い痛みが足を襲う。

そっか、急斜面で足を捻ったんだったか。

さて、どうしたもんか。
足を引きずって登るのは絶対無理だしな。

『治りますよ!』

頭の中で女の子の声がした。聞いた事のある声だ。
「なにこれ。頭の中で声が…。」

『こんにちは。レイン様。私は神様の能力の一部のような物です。丁度良いタイミングで5歳になられてよかったです。今、記憶が戻らなければ危うくレイン様は成す術なく飢えて死ぬところでしたから。』

「えーっと、色々と凄いな。…分かりました。俺は何をしたら良いよでしょうか…。」

『うーん、そうですね。まずは足を治しましょう。』

「治すっていったってどうやって…。余り読んだことないけど異世界系統の小説とかである魔法とかあるのか?」

『まぁそんなもんですね。ただ、今のレイン様には魔法は使えません。なので私がレイン様の怪我を治します。取り敢えず祈って見て下さい。』

「今のってことは…あるのか魔法。凄いな。何か色々と話に追いつけないけど…取り敢えず祈るか。」


どうか私の足の怪我を治してください。


『承りました。』

足が光っている。青白い光だ。
3分程光ったあと、もとに戻った。

『完了しました。』

「え?でもまだ足…。あれ。痛く…ない。」

『このように、私達にお願いして頂ければどれだけ重症でも怪我を治す事ができます。今は時間は掛かりますが、レイン様に魔力が備わればそれと掛け合わせてもっと早く治ります。』

「何か色々と凄いな。もしかして俺って人間じゃなくなったのか?」

『いいえ。紛れもない人間です。ただ、神様の知識と知能を分担して支えている私達に命令ができる、ちょっとしたチート能力持ちの人間みたいなもんです。』

(それって人間なのか…?)

「まあ、取り敢えず俺はヤバイんだな。分かった。えーっと、俺は君たちを何て呼んだら良いんだろう。神様でいいのか?」

『神様と呼ばれるのは大袈裟ですから……そうですね……神ちゃん…とでもお呼びください。』

(確かに大袈裟ではなくなったが、安易だな。)

『でしょでしょ!?神ちゃんって名前気に入ってるんですよっ!!』

「キャラ変わったな!何があったんだよ。」

『まぁ、いいじゃないですか。神様の力であなたは沢山の神ちゃんを使役できるようになったのです。その中でも、私がレイン様のメインの神ちゃんになっているわけです。』

「ってことは神ちゃんずってことか。複数形のsだな。まぁ、不可算名詞なら詰んだけど。」

『そうですね、神ちゃんずが正式な私達の名前と言っても良いですね。目には見えませんが、可算名詞で多分あってます。』

「うん、まぁ、色々凄すぎて追い付けない部分が多いけど…取り敢えず、ここから移動しないとなぁ。」

『その事なんですが…。レイン様の予想通り山を登れば家に辿り着けるのですが…。角グマが徘徊していますので、先に倒せるくらいに修行をして頂かないと、転生した意味が…。』

「あ、思い出した。俺には新しい夢があったな。修行は何をしたら良いんだ?ん?そういや、父さんは無事なのか?」

『はい、クラウド様は怪我をしておられますが、ご無事です。状況的には、角グマがウェザー村を徘徊して人間を見つけ次第襲っているという状況ですね。まだ奇跡的に死者はいません。修行は神ちゃんずがお相手します。』

「そりゃヤバそうだな。でも、父さんが無事でよかった。でも、急がなきゃだな。神ちゃんず修行よろしくお願いします!!」

『承りました。』

『こんにちは!レイン様!勿論、魔法からですよね?』

『何言ってんだ!剣術が先だろ!』

『いやいや、剣もないのにどうするってんだ!男は体術!拳で!』

「えっと…。なにこれ。」

『すみません、久し振りの命令でどうも荒ぶっているようで…。私は今回は体術をオススメします。今はレイン様の魔力は殆ど無いに等しい程微量なので、剣も作ることができません。なので、拳で角グマに勝ちましょう。』

「お、おう。分かった。拳で倒そう。前世で一時期流行ったなその使いまわし。ただ、魔法は回復魔法みたいなのを教えてくれないか?神ちゃんずに治療を頼むのも良いけど、余り神様の力に頼り過ぎると人間やめてる気しかしなくなってくるからさ。」

『了解しました。まぁ、レイン様の事ですから、本音はクラウド様の傷を癒やしたいという事なのでしょう?ファザコンですねー、うふふ。』

「お見通しか。ファザコンでも何でも言ってくれ。俺の記憶が戻る前の記憶ではそうとう良くしてもらってるのが分かるからな。ここまで育ててくれた恩返しみたいな物がしたいんだ。」

『ひゅー!ひゅー!流石はレイン様。では早速、体術の練習をしましょう。その後は回復魔法をチョイとやりましょう。』

「よろしく頼む!」

『流石は男!まずは、あそこの大きな木に思い切り拳を入れてくれ!』

え?手が壊れるよ。流石に樹齢何年だよって感じの大きな木に俺の小さな拳いれたら、骨が砕けるよ。

『大丈夫だ!気合で粉砕骨折くらい、何とかなる!ほれ!早くしないと、村人が危ないぞ!?思い切り拳を入れるんだ!怪我したなら治してやるから!』

「神ちゃん…ホントに…大丈夫なのか…?」

『レイン様。男は気合です。何とかなります。それに…心配するだけ無駄ですよ。』

気合でどうにかなったら前世もどうにかなって欲しいもんだよ。

はぁ。

俺は一つため息をついて、少しビビりながら拳を力強く入れてみた。


ばこーん!!


「え…?」

木に穴が空いた。拳は木の表面に当てただけだが、何故か貫通していた。

『これは、男なら覚えておきたい体術ベスト10に入る技!名前は特にない!まあ簡単に説明すると、空気を伝わって自分の攻撃が離れた物体に当たるというのかな。まぁ、遠距離型の体術だな!ははは!』

ははは!じゃない、手も一切怪我がない。

「もしかして、これって神ちゃんがやったの?」

『そうだとも!ただ、私がいなくても、今のレイン様なら余裕で使える技だ!だから、さっきのは見本だ!コツは、気合だ!』

「それ、コツじゃないよね。まぁ、手が痛くないって分かったらコッチのもんだな。よし、次は自分でやってみます。」

『レイン様、イメージが大切です。前世の世界のアニメで多分似たような技があったと思います。それをイメージして下さい。』

あぁ、やっぱり、気合じゃ無理だよね。
さっきと同じ位の木にしてみよう。

イメージイメージイメージ。


「せいや!」


ばこん!


「お?」
木の真ん中位まで凹み先程より大きな穴が空いていた。

『うむ!その調子だ!センスがある。今の状況を説明するとだな。力が分散したせいで攻撃範囲は広がったが、威力が落ちたという感じだな。だから、次は攻撃範囲を狭くして威力を上げるためのコントロールが必要なわけだ。これも気合だ。』

『レイン様。気合じゃなくて、イメージですよ。貫通力を意識してみて下さい。』

「おおお、そういうことか。殴って貫通。殴って貫通。殴って貫通。」
再び同じ位の大きさの木も前に立つ。

「そいや!!」


ばこーん!

「できた!」

一回目の神ちゃんサポートよりかは威力が無さそうだが、しっかり木を貫通できていた。

『おお、上出来だ。というより、完璧だな。取り敢えず、体術はそんなもんで良いか。そんだけ威力があれば、知らず知らずの内に戦い慣れて新しい技みたいな物もできあがるだろ。あ、勿論、足とか頭とか、他の武器にも応用できるからな。』

「え、これだけ?他にも学ぶ物があるんじゃ。」

『まぁ、これが体術の基礎の基礎だからな。私が教えてもいいのだが、時間がない。角グマと戦いながら自分で色々試してみろ。』

『レイン様!角グマが先程の木を壊す音に誘われて3体やってきました。』

「わお、まじか。神ちゃん修行ありがとう!試してみよう。」


がるる!ぐるる!

どちらも5歳の俺の身長を余裕で超えている。というか、クマの域を超えているなこれ。大きすぎ。体操選手が使う鉄棒並の大きさだ。

「来たな!」

角クマが勢いよくこちらに突っ込んできた。

一発目は拳でクマの顔面目掛けて…
「はっ!」

がふふううう!

2発目は足で…
「せい!」

がぁああぁぁ!

『流石ですね、修行のお陰で、実際に角クマに拳を当てずともしっかりと衝撃波が伝わってます。それに足での衝撃波もしっかり出来てます。』

「あの、一つ聞いていい?何かさっきから思ってたんだけど、明らかに俺の攻撃力と防御力おかしいよね。俺、やっぱり、人間やめたの?」

クマの顔面は見るに耐えない状態に変わっていた。
顔面の肉がえぐり返されている。
かなり、グロテスクな状態で、クマも殆ど動かなくなってしまった。

『神様がレイン様に力を与えたのでしょう。今は戦闘中だから、そのようにしています。調節は神ちゃんず皆でしています。大丈夫です。レイン様は人間です。』

『人間だな。』

『うん、人間だよね。』

『人間最高!』

神ちゃんずが次々に声を出す。

(うん、そうだよね、人間の範疇超えてるよねこれ。)

「俺は人間だ。そうだ。うん。人間だ。大丈夫。」

『自己暗示は大切ですよ。レイン様。その調子です。』

(今、間接的に否定したよな。)

『レイン様、後ろにまだ一匹残っています。あははははは。ちょっと、言うの遅れました。てへっ。』

ずぎゃん!!!

「わああぁ!早く言ってよ!!」

神ちゃんの声で後ろを向いた瞬間、クマが思い切り俺を叩いて、今、すごい勢いでふっ飛ばされていた。

「ちょちょちょ!!止まらない!!あ、ああ!!木にぶつかる!!!ちょ、まっ!あ!」

ずごーーーん!

「痛すぎ…る事もない。ってか何も痛くないじゃん。」

『大丈夫です。レイン様は人間です。』

「わざと言ってるよなそれ。」

かすり傷一つない。
ただ、服が元々ボロボロだったけど、さらにボロボロだな。まぁ、平民で貧乏暮らしのアリエッティみたいなもんだから、しゃーなし。
攻撃には耐えれても衝撃は殺せないから、体重が軽いせいで吹き飛んだんだな。

『来ましたよ。これは私のオススメなんですが…。今、真下にある手のひらサイズの石を是非握り潰して投げてみてください。』

「これか?握り潰すっていってもさ、さす…」

ぱきっ!ぱきぺきっ!

「あれ?」
手のひらサイズの石がある程度の形を残して砕けていた。

『大丈夫です。レイン様は人間です。』

「それ言うためにやらせたよな。」

俺は人間だ。そうだ。大丈夫。

ぐるるるる!
クマが向かってきた。

ピッチャーレイン!大きく振りかぶって!投げました!!

すぱぱぱぱぱん!

どしゅしゅしゅしゅ!

ぐが!どすん!


『大丈夫です。レイン様は人間です。』

「石投げて、すぱぱぱぱぱんっていう音が鳴るような人間はいないよ。」

周りの木には小さな穴が沢山空いていた。貫通しているのだ。

しっかりと命中していた角クマがどんな風になっていたかは…察してくれ。

「これさ、体術いらなかったんじゃね?」

『大丈夫です。レイン様は人間ですから、体術は必要です。』

「嘘でもそう言ってくれるとありがたいよ。まぁ、俺は人間だから、人間並みに運動はできなきゃだよな。あ、クマさんも倒したし、回復魔法やろうよ。」

『やっとね!魔法はやっぱり、男の子の心を擽る偉大なもの!私に任せなさーい!』

「いきなり、キャラが変わると驚くな。じゃあ、神ちゃんよろしく!」

『まずは、そうね、そこの一発目にやられた角クマちゃんを回復してみましょうかね。私が手本を見せるわ。近寄って手をどこでも良いから当てて傷の部分に視線を集中しながら、【ヒール】って言ってみて頂戴?』

「了解…って待って、この顔面ミンチのクマ、生き返るの?」

『当たり前じゃない。魔法を舐めてもらっちゃ困るわよ、レイン様。あ、多分、生き返っても攻撃してこないわ、この魔獣は頭が良いからね。』

「凄いな。わかった。やってみる。」

「ヒール!」

クマが白色の光に包まれる。

くぅん。くぅん。

「え?一瞬で?」

『ふっふっふっ!これが魔法の力よ?』

「え!ちょっと待って!最初、俺が足を挫いてた時、もう少しかかって無かった?」

『レイン様。私達がレイン様に行ったのは強制回復と言って回復魔法では治らないような重症な怪我を負った時に良く効く物なのです。まぁ、神ちゃんずしか使えませんし、時間が掛かりますので、レイン様専用の回復方法と思っていただければ幸いです。先程の捻挫で回復魔力を使われると恐らく魔力切れでフラフラになって何も出来なくなる可能性があったため、魔力を一切使わない強制回復を使わせて頂きました。』

「って事は、回復速度に頼るなら回復魔法。質に頼るなら強制回復って事か?」

『そうです。』

「ん?てか待って、さっき、回復魔法使ったけど全くフラフラしてないよ?俺。」

『あー、それはね?神ちゃんずを通して魔法を使うと魔力を殆ど使わなくて良いのよ。そうねー、簡単にいうと、私達神ちゃんずはエネルギーの変換効率が異常に良い優れものってことね。』

「おー!あれ、じゃあ、さっきの捻挫も神ちゃんを通して回復魔法をしたら良かったんじゃ…。」

『あ……………。レイン様、そんな事を気にしていては駄目です。人間なんですから。』

(あ、コイツ、ドジか。というか、何かある度に人間人間言うのは意図的だよな。まぁ、俺、人間だけど。)


『よし、じゃあ、回復魔法いってみよー!今日、レイン様が今の魔力量で私達を中継せず使える回復魔法はあと2回くらいね。あと2匹のクマちゃんを回復させましょう!』

2発目を食らったクマの前に来た。

「よし、やるか。」

『レイン様、これもイメージが大切です。細胞同士がくっつくのをイメージしたり、血管を縫い合わせる事をイメージしたり、切れた神経や筋肉の筋を繋ぎ合わせるイメージをするのが良いと思います。』

医学的だなぁ。
そういや、未来みくは元気なのかなぁ。
って考えても今はもう会えない。ん?そういえば。まさかな。

『………。』

「神ちゃん、未来みくの声に似てるよな。」

『………。』

「どうして、沈黙を再現できるんだよ。凄えな。まぁ、気のせいか。」

「細胞よいしょ、筋肉、血管、神経よいしょ。ヒール!」

クマが白い光に包まれる。

くぅん!

クマの顔面が元通りになった。

『まぁ!上出来です!レイン様!流石は未来みく様を憧れていただけの事は…。あっ…。』

(天然か…。ドジか…。アホなのか…。)

でも…。

「やっぱり、未来みくの声だよな!何か聞いてると落ち着く!」

『バレては仕方有りませんね。神様からのプレゼントと思って頂ければ良いでしょう。レイン様を支える一番の薬になるとおっしゃってましたから。』

「ナイスプレゼント!もう聞けないって思ってたからな!」

『今日一番の元気ですね。そう思って頂けてありがたいです。でも、意外でした。もう少し、悲しそうにすると思っていたので。』

「まぁ、確かに考えると悲しいけどさ。未来みくは俺が憧れるくらいには心が強いからさ、今回の事もきっと乗り越えてくれると思うんだ。」

『好きなんですね。未来様の事が。私、照れてしまいます。』

「何言ってんだ。恥ずかしいだろ。」


それから、もう一体のクマを回復させた後、再びクマを倒して、俺は山を登った。













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