創造と学習のスキルを手に入れたので薬でステ上げします

蒼沢そら

団欒

「妹・・・?」
「そ〜なのです。」
「・・・侍女さんとかじゃなくて?」
「も〜。ほんとに妹ですからねぇ〜?」

黒髪のウェーブがかった長髪、小柄だが丸みを帯びた体躯。まるで人形の様な少女だ。姉妹揃って美形とか反則すぎるって。

呆気にとられた顔をしているヒロにユリアが言った。

「リリィの紹介はこれくらいにして、ヒロの部屋の準備をしなくちゃね。」
「えぇ〜、これくらいにしてって酷くない?姉さん・・・。」

リリアが言葉を止める。何か察したような表情のリリアは続けた。

「・・・まぁ、今日も依頼で疲れてるでしょうから私のことは置いといてごゆっくり・・・・・してくださいね〜。」
「なっ、ほんとにそういうんじゃないからぁっ!」

ニヤついた表情のリリア。「ごゆっくり」に力が篭もっていたような気がするのは気の所為だろうか。




リリアとの会話を終え、ユリアの案内で部屋に向かう。

「・・・なぁ、リリアっていつもあんな感じなのか?」
「・・・ん。まぁ、そうなのかもしれないわね。いつもは猫被ってお淑やかにしてるけど・・・。」

タチが悪い。ああいうタイプは弱みを握られると絶対にとことん利用される感じだろう。ヒロは1人戦慄した。

「それにしても立派な屋敷だな・・・。」

ロビー同様、装飾が施された廊下は、カーペットが敷かれており、とても歩きやすい。元日本人のヒロにとっては土足のまま家の中に入り、カーペットの上を歩くというのは少し抵抗があるが。

2階に上がり、ベッドと机が置かれた簡素な部屋に入る。

「しばらくはこの空き部屋を使ってちょうだいな。まぁ、ヒロが独り立ちするまでここに幾らでも泊まってってもいいけど・・・。」
「いやいや、部屋貰えるだけありがたいし、こんなにいい部屋を使わせてくれるなんて本当に助かるよ。ありがとう、ユリィ。」

顔を赤らめ、顔を逸らすユリア。

「べっ、別に困ってる人を助けるなんて普通よ!普通!じゃ、じゃあご飯が出来たら呼びに来るから、それまでゆっくりしてて!」

いそいそと部屋を離れるユリアに笑みを浮かべながら手を振る。

ユリアが廊下から消えたことを確認し、ゆっくりと部屋の中を見回す。

「・・・しっかし、ユリィがボンボンのお嬢様とはねぇ・・・。」

意外だった。いい意味で誤算だった。平野では助けてくれた上に衣食住まで提供してくれるなんて何か裏がありそうなくらい異世界ライフは順調そのものだ。

ベッドに横たわり、脱力する。

ーせめて漫画があったらなぁ・・・


そんなことを思いつつ、ヒロの意識は闇の中へと堕ちて行った。





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