創造と学習のスキルを手に入れたので薬でステ上げします

蒼沢そら

冒険者ヒロ

「あ、そう言えば。」

何かを思い出した様子のユリア。そんな彼女にヒロは聞いた。

「どうかしたのか?」
「いや、ヒロは冒険者登録をするのかなーって。」

冒険者。ますますゲームっぽくてワクワクするようなワードの登場に、ヒロは目を輝かせる。

「冒険者かぁ・・・やっぱり登録しておいた方がいいのか?」
「そうねぇ・・・安全な都市内で収入を得る生産者よりも、冒険者の方が圧倒的に収入は多いのよ。もちろん、高収入な依頼ほど命の危険は高まってくるんだけどね。」

なるほど。
多少命の危険はあるが、冒険者の方がこれからこの世界で生活していく上でも安定しそうだ。

「よし、決めたよ。俺も冒険者になる。」
「決まりね。それじゃあ、まだ日も浅いし、冒険者組合で登録しようか!」





「ここが組合の本部よ!」

でかい。まるで現実世界の県庁のようだ。
建物をまじまじと見つめているヒロ。ユリアはそんなヒロを見て苦笑しながら言った。

「この建物の中にある<賢者の石版>に手をかざし、神から職業を賜ることではれて冒険者となれるの。他にも、依頼の受付とか旅団ギルドやチームを組む時もここで手続きをする必要があるの。」

―ますます役所みたいな施設だな。
ヒロはユリアと共に建物の中に入った。組合本部の中はやはり広く、様々な装備を携えた冒険者が大勢いた。
しばらく進むと、広い講堂のような場所に出た。ここが、<賢者の石版>がある大聖堂らしい。

「それじゃあ、登録をしようか。」
「ああ。」

ヒロは受付へと歩き出した。

「ようこそ、冒険者組合へ。今日はどんなご要件ですか?」

微笑みながら、受付嬢が要件を尋ねる。
「あの、冒険者登録をしたいんですけど・・・」
「それでしたら、こちらの登録書に名前を書いて石版に置き、登録書の上から石版に触れてください。そうすれば、冒険者登録に必要な情報が石版を通じて登録書に書き込まれるようになっております。」

―石版すげぇ便利だなおい。
そう思いながら、ヒロは登録書を書き終え、言われた通りに石版に触れた。
ヒロが触れた瞬間、石版は神々しい光を放った。登録書を見ると、ヒロのステータスが更新されていくのが分かる。



ヒロ  Lv6      <錬金術師アルケミスト>
HP 262
MP 73
ATK 31
DEF 39
スキル <創造クラフター>
            <学習ラーニング>
            <鑑定スキャン>




錬金術師アルケミストか・・・」

ステータスの更新を済ませ、ステータスを眺めていると、受付嬢がやってきた。

「おめでとうございます。ヒロ様を錬金術師アルケミストとして冒険者登録を行います。冒険者証プレートをお作りしますので少々お待ちください。」
「ああ、頼むよ。」

この日、<錬金術師アルケミスト>ヒロが誕生した。


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