不死鳥の恋よ、安らかに眠れ

ノベルバユーザー304215

クローチェの獣性

 クローチェの触手が、ゼノーを捕らえた。

 前教皇である老人の末路はあっけなかった。

 六鬼に襲われるという恐怖だけで、ゼノーの心臓は持ちこたえられず、その動きを止めた。

 だらりと首が落ちる。

 クローチェは、ゼノーの体を揺すってみたが、なんの反応もしないので、呆れたような間を置いてから、ポイと捨てた。

「さて、お嬢さん。残るはおまえ一人だ。……なんだ、おまえも気を失ったのか」

 すでにどこが口なのかわからない状態に変化していたが、クローチェはそう言った。

 彼の体はブヨブヨに膨らみ、無数の触手か全身を取り巻いて、うねっていた。

 ゼウシスの信者であった三人の男たちは死に、エイミーを守っていた三人の少年たちも、全員失神していた。

 ゼウシスは、両手を閉じて、惚けたように突っ立ったままだ。

 クローチェは、ゼウシスからも興味を失って、隣に立つ少女を向いた。

 エイミーは、肩を抱いて震えていた。

 クローチェの触手がエイミーに伸びた。

「な、なに? や、やめて!」

 クローチェは、エイミーの四肢を捕まえて、宙に持ち上げた。

「また、その口から、奇妙な声を出されては困るからな」

「んぐっ……」

 触手の先端が、エイミーの小さな口に入れられた。

 強引に奥まで入れられて、エイミーは涙目になった。

 その目は、さらに変化するクローチェの体に気がついて、大きく見開かれた。

 触手の間から、棒状の突起物が現れた。

 昆虫の触覚のように細長く、先端が三角に膨らんでいた。

 三角は、汁気を帯びた海綿体で、ヌメヌメとしていた。

 エイミーは、直感で、それが生殖器だと理解した。

 クローチェは、さらに無数の触手を伸ばし、エイミーの着ている服を引き裂いた。

 白い、美しい肌が露わになる。

 触手の先が舌のように揺れて、ピンク色の乳首をなぞった。

 不快な感触に、エイミーは空中で身をよじる。

 三角の海綿体は、充血して太くなった。

「娘よ、おまえはキレイだ。オレも正気ではいられぬほどにな。我が獣性を慰めてもらうぞ」

「ん、んんんーーッ!」

 エイミーは首を振って拒否を示したが、逃れようがなかった。

 触手は、エイミーの口を塞ぎ、両手両足を引っ張った。

 股が、裂かれるように大きく開かれ、腰が持ち上げられる。

 無防備になった少女の割れ目に、クローチェの触覚が近づいていく。

 まだ触れてもいないのに、触覚の先っぽから、ドクドクと濃い粘性の液体が垂れた。

 クローチェの性器は、通常の男性のものと比べて明らかに大きく、鋭利だ。

 クローチェは、躊躇なく侵入した。

「んーーんーー!!」

 エイミーは、声にならぬ絶叫を上げた。

 無理やり挿入され、激痛だったに違いない。

 しかし、どうしようもなかった。

 クローチェは、空中でエイミーを捕まえて、触手と突起物で、ねっとりと時間をかけて犯した。

 エイミーの瞳は、だんだんと虚になっていく。

「やめろ」

 ようやく、ゼウシスが目を開いた。

 その目は、怒りに燃えていた。

「我が分身を傷つけるとは……貴様、容赦はしない」

 ゼウシスの姿は、一見なにも変わっていたないように見えて、ただ一箇所だけ、異なる部分があった。

 瞳から、蒼が消えていた。

 彼女の双眸は、月のように丸く光る、白銀だった。

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