不死鳥の恋よ、安らかに眠れ
丘の上で
森を抜けた。
ルッカは、馬の速度を上げる。
蒼い満月は、明るく夜を照らしていた。
両親の墓の前まで一気に駆け上った。
視界には、ウル湖が広がっている。
ルッカとアナは、墓にたどり着くと、馬から降りた。
おさげ髪の少女が待っていた。
「ユウ、ここで待っていてくれたんだ」
「その子を、一人で待たすのもあんまり、って思ってね」
そうだった。
もともとアナには、この墓で待ってもらうように頼んでいたのだった。
「いろいろあってさ」
「ルッカみたいなおバカさんにかかれば、せっかくのミゲルの計画も台無しね」
「そう言うなよ」
ルッカは苦笑いをした。
「あの……そちらは?」
「ああ、幼馴染みのユウだよ。舟を運転してくれる」
「そうなんですね。女性なのに、舟を動かせるなんて、すごい」
言ってから、アナは自分がまだ自己紹介をしていないことに気がついた。
「私はアナ、アナ=クレイブソルトです。ルッカの……」
照れくさそうに、アナはルッカの顔を見た。
「オレの嫁さんになる。オレたちは、結婚するよ、ユウ」
ユウは、ショックを受けたように、身を強張らせた。
「あ、あんたのことは知ってるよ。聖歌隊の子だろ。本当にこの男でいいのかい? とんでもないバカだよ」
呆れたように振舞っているが、表情は曇っている。
「はい。ルッカと結婚しようと思います」
アナは、ユウの様子が少しおかしいと感じたようだったが、はっきりと答えた。
「なんだ浮かない顔をして? 舟の運転が不安なのか?」
「だ、大丈夫に決まってんでしょ。うちの父さんの船だよ。ずっと見てきたんだから、心配いらないよ」
「隣の国まで、どのくらいかかる?」
「二日もあれば、行けると思うよ。心配いらないさ、屋根もあるし、寝床もある。ちょっと揺れるけどね」
「そうか、ありがとうユウ」
急に、ルッカが真面目な顔をしたので、ユウは押し黙った。
「最後に、両親の墓に報告をするよ」
ルッカは、アナを見つめた。
アナも、ルッカを見つめ返す。
二人が、結ばれることを、ルッカの亡くなった両親に報告すると言うのだ。
「あ、あんたたちが寝てる間も、あたいはずっと舵を取らないといけないんだ。今のうちに、舟で仮眠させてもらうよ」
早口でそう言うと、ユウは丘を湖の方向へ降りていった。
アナはその背中をじっと見つめていた。
「どうした、アナ?」
「あの娘、もしかしてあなたのことを……」
「ん?」
「……なんでもないわ」
二人は、ルッカの父母の墓の前に立った。
ルッカは、アナを両親に紹介し、アナは墓に向かって深々と頭を垂れる。
二人は、ルッカの両親に結ばれることを伝え、永遠の愛を誓った。
ルッカは、馬の速度を上げる。
蒼い満月は、明るく夜を照らしていた。
両親の墓の前まで一気に駆け上った。
視界には、ウル湖が広がっている。
ルッカとアナは、墓にたどり着くと、馬から降りた。
おさげ髪の少女が待っていた。
「ユウ、ここで待っていてくれたんだ」
「その子を、一人で待たすのもあんまり、って思ってね」
そうだった。
もともとアナには、この墓で待ってもらうように頼んでいたのだった。
「いろいろあってさ」
「ルッカみたいなおバカさんにかかれば、せっかくのミゲルの計画も台無しね」
「そう言うなよ」
ルッカは苦笑いをした。
「あの……そちらは?」
「ああ、幼馴染みのユウだよ。舟を運転してくれる」
「そうなんですね。女性なのに、舟を動かせるなんて、すごい」
言ってから、アナは自分がまだ自己紹介をしていないことに気がついた。
「私はアナ、アナ=クレイブソルトです。ルッカの……」
照れくさそうに、アナはルッカの顔を見た。
「オレの嫁さんになる。オレたちは、結婚するよ、ユウ」
ユウは、ショックを受けたように、身を強張らせた。
「あ、あんたのことは知ってるよ。聖歌隊の子だろ。本当にこの男でいいのかい? とんでもないバカだよ」
呆れたように振舞っているが、表情は曇っている。
「はい。ルッカと結婚しようと思います」
アナは、ユウの様子が少しおかしいと感じたようだったが、はっきりと答えた。
「なんだ浮かない顔をして? 舟の運転が不安なのか?」
「だ、大丈夫に決まってんでしょ。うちの父さんの船だよ。ずっと見てきたんだから、心配いらないよ」
「隣の国まで、どのくらいかかる?」
「二日もあれば、行けると思うよ。心配いらないさ、屋根もあるし、寝床もある。ちょっと揺れるけどね」
「そうか、ありがとうユウ」
急に、ルッカが真面目な顔をしたので、ユウは押し黙った。
「最後に、両親の墓に報告をするよ」
ルッカは、アナを見つめた。
アナも、ルッカを見つめ返す。
二人が、結ばれることを、ルッカの亡くなった両親に報告すると言うのだ。
「あ、あんたたちが寝てる間も、あたいはずっと舵を取らないといけないんだ。今のうちに、舟で仮眠させてもらうよ」
早口でそう言うと、ユウは丘を湖の方向へ降りていった。
アナはその背中をじっと見つめていた。
「どうした、アナ?」
「あの娘、もしかしてあなたのことを……」
「ん?」
「……なんでもないわ」
二人は、ルッカの父母の墓の前に立った。
ルッカは、アナを両親に紹介し、アナは墓に向かって深々と頭を垂れる。
二人は、ルッカの両親に結ばれることを伝え、永遠の愛を誓った。
「ファンタジー」の人気作品
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
1万
-
2.3万
-
-
9,711
-
1.6万
-
-
9,545
-
1.1万
-
-
9,448
-
2.4万
-
-
9,173
-
2.3万
コメント