不死鳥の恋よ、安らかに眠れ
教皇と聖戦士
「無様なものだな」
馬上から、ゼウシスは言った。
蒼い視線は、いつも以上に冷淡な色をして、ハーメルンに向けられた。
ハーメルンは、無言でグレンにとどめを刺した剣を抜いた。
「賊の仲間の一人を討ち取りました。次は、蒼の神玉を取り返して見せます」
ハーメルンは訴えた。
周りには、騎乗した聖戦士たちが集まってきた。
「そうか。しかしそれは、聖戦士アイデンのおかげであると思うがな」
ゼウシスを背中から抱えるように、長身の男が同じ馬に乗っていた。
背には弓と矢を抱えている。
赤い羽根のついた矢た。
グレンの肩を貫いた最初の一撃を放ったのはこの男だろう。
短めの茶髪で、爽やかさのある美青年だった。
タイプは違うが、ハーメルンに負けぬほどの端正な顔立ちだ。
ゼウシスは、聖戦士アイデンに身を寄せていた。
「賊は、今夜のうちに、聖戦士全員で捕らえる。一緒に来るがいい」
ゼウシスは、間をおかずに続けた。
「が、ハーメルンよ、お主には今回の失態の責任を取ってもらわねばならぬ。明日にでも、聖戦士を辞してもらおう」
蒼い視線は、まるで石ころでも見るようだった。
ハーメルンは、何も言い返せなかった。
「聖戦士諸君、行くぞ」
「教皇!」
ハーメルンは、呼び止めた。
しかし、ゼウシスに視線を向けられてうつむく。
「なんだ?」
「あの、私にも馬を……」
ゼウシスは、聖戦士イフテリオスに目を向けた。
イフテリオスが、ハーメルンに手を差し伸べる。
「乗れ」
ハーメルンは、イフテリオスの後ろに乗った。
十二人になった聖戦士と教皇は、夜の森へ向かう。
その最後尾にいた魔封のイシドラは、グレンの死体の前で、一度立ち止まった。
生きていないのは、明らかだった。
わざわざ馬を降りて確認するまでもなかった。
「まだ若いというのに、馬鹿なことをしたな。一人であのハーメルンを追い込んだのだ。将来は有望な剣士になったであろうに」
イシドラは、そう独り言を呟くと、教皇らのあとを追った。
馬上から、ゼウシスは言った。
蒼い視線は、いつも以上に冷淡な色をして、ハーメルンに向けられた。
ハーメルンは、無言でグレンにとどめを刺した剣を抜いた。
「賊の仲間の一人を討ち取りました。次は、蒼の神玉を取り返して見せます」
ハーメルンは訴えた。
周りには、騎乗した聖戦士たちが集まってきた。
「そうか。しかしそれは、聖戦士アイデンのおかげであると思うがな」
ゼウシスを背中から抱えるように、長身の男が同じ馬に乗っていた。
背には弓と矢を抱えている。
赤い羽根のついた矢た。
グレンの肩を貫いた最初の一撃を放ったのはこの男だろう。
短めの茶髪で、爽やかさのある美青年だった。
タイプは違うが、ハーメルンに負けぬほどの端正な顔立ちだ。
ゼウシスは、聖戦士アイデンに身を寄せていた。
「賊は、今夜のうちに、聖戦士全員で捕らえる。一緒に来るがいい」
ゼウシスは、間をおかずに続けた。
「が、ハーメルンよ、お主には今回の失態の責任を取ってもらわねばならぬ。明日にでも、聖戦士を辞してもらおう」
蒼い視線は、まるで石ころでも見るようだった。
ハーメルンは、何も言い返せなかった。
「聖戦士諸君、行くぞ」
「教皇!」
ハーメルンは、呼び止めた。
しかし、ゼウシスに視線を向けられてうつむく。
「なんだ?」
「あの、私にも馬を……」
ゼウシスは、聖戦士イフテリオスに目を向けた。
イフテリオスが、ハーメルンに手を差し伸べる。
「乗れ」
ハーメルンは、イフテリオスの後ろに乗った。
十二人になった聖戦士と教皇は、夜の森へ向かう。
その最後尾にいた魔封のイシドラは、グレンの死体の前で、一度立ち止まった。
生きていないのは、明らかだった。
わざわざ馬を降りて確認するまでもなかった。
「まだ若いというのに、馬鹿なことをしたな。一人であのハーメルンを追い込んだのだ。将来は有望な剣士になったであろうに」
イシドラは、そう独り言を呟くと、教皇らのあとを追った。
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