行列!異世界の動物園~魔王が園長です。
第三十七話 水族館最終準備
どんちゃん騒ぎをした翌日、助蔵は魔王の転移魔法で帰っていった。
魔王やエスナの転移魔法は四、五人なら行った事のある場所なら転移できるらしい。(ただし船や容量を超える物は転移できない)
徳山信綱は、水族館がオープンするまではこちらに居るようだ。家臣は心配しているだろうが、助蔵に言付けしているので心配ないだろう。
水族館の準備も最終段階になってきたが、信綱が動物園を見たいと言ったので、鵺を連れていくついでに動物園に転移してもらう事にした。
動物園は相変わらず盛況で勇者であり、園長代理でもあるアリサが忙しそうに働いていた。
「あんた達やっと帰ってきたの?なんか見ない顔もいるし」
「実は……」
冬太はこれまでの経緯をアリサに説明する。
「なるほどねぇ、それでベヒ子の横に居るのが連れてきた鵺なのね」
びくびくしながらではあるがアリサは鵺の頭を撫でる。
驚いた事にアリサに触られても嫌がらない所か自分からアリサにじゃれついている。
「なぜだー、なんでこいつが触れて私が触れないのだぁ」
鵺は他の魔獣同様魔王を警戒しており、未だに触れていない。だが、それはアリサも同じ筈で魔獣には嫌われている。
今回魔王の違いと謂えば、胸があるかないか。
その証拠に巨乳のエスナやオリアナにもすごくなついていた。
冬太には無条件でなついているが。
「東方の国ジパンから遥々ようこそ。私はアリサ、いまはここの園長代理をしているわ。よろしくね」
「ほう、そなたが勇者で園長代理をしているアリサ殿か。そなたの話は冬太から聴いている、こちらこそよろしく頼む。しかし、ここが動物園か、すごく広いのだな。それに魔獣の生態が分かりやすい住みか作りのおかげで、ガラスごしで生き生きとした魔獣達の姿が観れる。実に見事だな」
ジパンの将軍――信綱は動物園を見て感動していた。
「どうだ、綱っち。私の動物園は、素晴らしいだろう」
魔王がない胸を張る。
「ああ、見事の一言につきる。余の国でも真似したいものだな。あとあちらから良い匂いがするがマリッチあそこは?」
「食事ができるフードコートだ。どれも絶品だぞ綱っち」
いつの間にかあだ名で呼びあっている魔王と信綱。
仲良くフードコートの方へ向かっていく。
一方アリサは冬太に文句を言う。
「あんたが居ないせいで動物達が寂しがって大変だったんだから。しかも動物園で一番人気のベヒ子も居ないせいでがっかりするお客さんも少なくなかったし」
「それは本当にごめん! でももう少しで水族館もオープンできるし、ベヒ子には鵺と一緒にここに残ってもらうから。頼むねベヒ子」
「ベヒベヒー!」
任せろと言わんばかりの鳴き声のベヒ子。
鵺はアリサに抱かれご満悦のようだ。
一通り信綱に動物園を案内し終わったので、ジパンと人魚の集落からのお土産をアリサに渡し、転移魔法で冬太と信綱、エスナ、魔王は帰ろうとしていると、アリサから「絶対に水族館成功させなさいよ!」と拳をつき出され、冬太も「任せて!」とアリサの拳に軽くぶつける。
転移魔法てま人魚の集落に戻って来た冬太達。
早速水族館の最終準備に入る。
ジパンで手に入れた調味料でできる料理が
増えた。
まずは、味噌が手に入ったので魚のあら汁を作り、醤油が手に入ったので魔界や人間界には生食の文化がなかったが刺身を作る。あとはソースがてに入ったので完璧なたこ焼きができるし、お好み焼きも作れる。
水族館のキャストの方でも新たにリヴァイアサンと白鯨が入ったのでホエールウォッチングならぬ、ホエールライディングに挑戦しようと考えている。
リヴァイアサンは、海の神とされているので元の海竜の姿に戻ってもらって祈願されるだろうからじっとしてる様にお願いしている。
人魚達も魔イルカや魔アシカ、魔オットセイとのマーメイドショーの練習を凄く頑張っているし、絶対に成功させるぞと気合いを込める冬太。
オープンまで一週間、果たして成功できるのか?
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