行列!異世界の動物園~魔王が園長です。
第二十六話 新たな経営?
「助けて下さい、魔王様。このままじゃ人魚族は生きていけません!」
そう言い放ったのは長い青髪美女の人魚族代表のオリアナである。
「落ち着け。まず何があったかを教えて欲しい」
作業服をきながら動物園の清掃をしている魔王にすがり付くオリアナ。
「とりあえず場所を変えよう」
場所を変えて、動物園の事務所にある応接室で胸元ぱっくりな大胆な衣装を着ているオリアナは神妙な顔で話始める。
「私達が代々漁業を生業にしてきたのは知っていますよね?」
「当たり前だ。お前達人魚族が捕まえてくる魚はキズ一つなく鮮度もバッチリで有名だからな」
「魔王様に知って頂いて光栄です。それが私達人魚族の誇れる仕事だったのですが、最近私達の漁場に人間達の船がやって来て根こそぎ魚を取っていかれるんです。取っていかれるだけでも問題なのにその後の漁場がめちゃくちゃに崩されていて、魚が住めない漁場にされたんです。このままじゃ私達人魚は暮らしていけません!」
「うむ、わかった! すぐに帝国に抗議しよう!」
そう言うと魔法の電話――魔導フォンを取り出し、電話をかける。
「もしもしバルっち? ちょっと困った事かあってな。かくかくしかじかでうちの民が困ってるんじゃけど? ふむふむ……ぬっ?
それだとこちらに泣き寝入りしろと!? ふむふむ……うむ、わかった。とりあえずその方向で頼む。ではな」
いつのまにか帝国の皇帝を愛称で呼べる程の仲になった魔王は魔導フォンをテーブルに置き、ふぅ~とため息をつき一言。
「ごめん、漁場の件無理っぽい」
元々平和条約を決めた時にどこまでが自分達の海域なのか決めていなかったらしい。そして水軍や水産関係を取り仕切るのは、皇帝でも手が出しづらい帝国四大貴族のうちの一つ、メリクルス公爵家で一応注意はしてみるが、漁場荒らしを止めさせるは難しいとのこと。
「そんなぁ、そしたら私達はどうやって生きていけば……」
「大丈夫だ。あちらの皇帝も間に入ってくれるらしいし、ダメでも私が新しい仕事を見つけてやる!」
「でも、私達、基本水の中の生活なので水が関係してる仕事じゃないと」
「うーん、水の関係している仕事かぁ。う~む」
魔王やオリアナは悩んでいるけど冬太にはもう一つのアイデアが浮かんでいた。
「あの~、横から口を挟んで申し訳ないですけど、水族館をやるのはどうですか?」
「「水族館?」」
それは新たな魔獣経営の始まりだった。
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