行列!異世界の動物園~魔王が園長です。
第十四話 皇帝の策略
帝国皇帝私室は現在重い空気が流れている。
「で、お主ご自慢の作戦の結果、表立って妨害できなくなったわけだけど? というか今回の件で魔界の動物園の評価うなぎ登りなんだけど?」
「いやぁ、作戦自体はよかったんですが、実行者の実力不足でしたなぁ。しかし、裏から目立たず侵略するのも手ですよ?」
「で? 次の作戦を考えているんだな?」
「いえ、今試行錯誤している所でして」
頭を掻きながら言い淀むケルム。
「もう良い、お前には頼まん。魔族の動物園がある北西にある魔獣王の森を知っているか?」
知っていますが何か?」
「魔獣王――ベヒーモスを動物園に誘導させて、破壊させる」
「それはいくらなんでもやりすぎですぞ! 動物園どころか魔王国さえ、滅びてしまう可能性もあるんですぞ!」
「それのどこが悪い。魔界には魔王もいるし、共倒れしてくれたら万々歳だな。なぁ、宰相。おまえもそう思うよな?」
見た目は中年のメタボリック小太りなおっさんでも東大陸――セメントを統一させた帝国の皇帝である。
その眼力は宰相の肝を冷やさせ、有無も言わさず首を縦に振らされた。
「それでは始めようか! ベヒーモスによる破壊と蹂躙を!」
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