四ツ葉のヒロイン候補達は幸福を届けてくれない
7話そして波乱の日曜日は幕を開ける
その時、俺の脳内は深刻な負荷をかけられ思考停止を余儀なくされた。 真夏の甲子園、九回裏ツーアウト満塁で完全なアウェイに立つピッチャーのような。
五人の視線がまだかまだかと俺の方を見る。
興味なさげにいや少しあるいや無いとチラチラ見てくる夏希。
騒ぎ立てテンションが妙に高い興奮した愛秋と浩太。
困った微笑を浮かべながら事の終点を見守る我久と小寺《こてら》さん。
「ほらほらゆーにぃ! 早く言いなよっ! あっし達姉妹四人の中で誰が一番付き合いたいかっ!」
どうしてこうなった。
*
土曜日の夜、姉の春香は片手にコーヒーを持ちながら誰かとメールのやり取りをしているのかケータイをぽちぽちと触っている。
俺といえば明日の件。 そう、浩太の思いつきで俺の家に遊びに来るという話の許可を頂きに来たわけだ。
実際、『忘れてたわ』とかなんやら適当に言ってスルーしようと思ってたんだが、今日になって浩太が数分置きにメールを送ってくる。 なんなの俺の彼女かよ。
このままだと返事せずとも勝手に来そうなので仕方なく話だけはすることにした。
「へぇー、ゆーくんが友達を家にね……別に良いんじゃないかなぁ?」
すっかり元気になった春香はコーヒーで口を潤すと同時にうんと頷く。
「いやいや、姉ちゃん基本家にいるだろ? 男なんか来たらうるさくて迷惑かかるしダメだろ」
言う通り春香が休みの日に何処かに行くのは稀の稀でもはや外で春香を見たのならツチノコ発見ぐらいの価値がある。
実際、夏希は基本勉強しに図書館や学校に行くし、妹二人は部活で家にいることはない。
つまり、春香の許可さえ貰えばそれで良いのだが……二人にこのだらしない姉を見せるわけにはいかない……。
「明日でしょ? 心配しないで。 うち、ちょっと出掛けるんだ」
「へぇ〜はっ?」
気がつけば地面にコップを落としていた。 溢れるコーヒーが俺の足を飲み込む。
「あっつ!!!」
「だ、大丈夫!?」
心配するなと手で制してから、俺は近くに掛けてあったタオルで地面に被せる。
「て、てか出掛けるってマジなのか? 姉ちゃんが休みに家にでるとか熱でもあるんじゃねーか?」
「そ、そこまで驚かれるとお姉ちゃん悲しいな……」
驚くなって方が無理があるだろ。 他の奴らに言ってみろ、みんな頭から地面にコケるぞ。 どこのクレヨンなしんちゃんだよ。
「ちょっと友達に遊びに誘われちゃったんだ。 人付き合いはちゃんとしときゃなかねっ」
むしろこの人に友達居たんだって話なんですけどね。 いつ大学行ってるのかも分からねーし。
「でも、ゆーくんも家に友達連れてくるんだね」
「も? どいうこと?」
「あ、いやいや! こっちの話! 気にしないで」
春香は「なんだか面白そうっ」とか意味深ななことを言いつつ、逃げるかのよう部屋に行ってしまう。
「おい! 何の話だよ! たく……」
俺の言葉が届くわけもなく、まぁ春香のことだ特に気にすることはないとメールを開く。
通知オフにしてたからまだ良いが浩太のやつ懲りずに何十件も送ってきてやがる。
『明日、別に良いってよ。 家誰もいねーけどな』
『おぉーオーケー! 返信おっそいなお前は笑 んじゃヨロ』
数秒で返信が……なに? こいつのケータイ身体の一部なのかよ。
取り敢えず明日に備えて部屋を少し片付けてから寝るか。
別に大した汚れも無いのだが、見落とした汚れがあったりしたらと考えるとなかなか寝付けない気がする。 誰かの下着なんか出てきた時とかもはや空気が凍るしな。
飲み物とかお菓子あったけか、明日の朝のうちに買いに行くか。
いやほら流石に気を使うよね? 俺はあれかよ、友達を家に連れてきた時に少し張り切って何でも出してくるお母さんかよ……。
「まぁ、毎日浩太の家に行くのは申し訳ない。 一度くらい家に呼ぶのもお返しなのかな」
この時、俺は他の三人にも話しておくべきだったと今も根に持っている。
波乱の日曜日は幕を開けようとしていた。
*
飲み物、お菓子OK。 部屋も綺麗だ。 まぁ二人が帰った後また掃除するんだけどな。
言っていた通り春香は朝早くからどこかに行ってしまった。 普段しないような化粧にオシャレとありゃまるでデートだな……。
妹二人に夏希も姿がないことを察するに思惑通りことが進んでいる。
そんなこんなで予定の十五分前に差し掛かった時、家のドアが開く音がした。
なんだ、人の家に勝手に入ってくるバカがどこにいるんだ。 
きっと浩太に違いないと、俺は玄関を出てから文句の一つでも言ってやる。
「人の家に勝手に入ってくる……バカ…………夏希?」
「何ですか? ここ私の家なんですけど……ずいぶん失礼なお出迎えですね」
「わ、悪りぃ……人違い人違い」
どこか不機嫌な夏希に誤魔化し笑いで機嫌を直してもらう。 てかなんで帰ってきちゃったの。
「はしたないところを見せてすみません。 何もない家ですがどうぞ上がってください」
すると夏希は一度外を振り向き何やら誰かと話しているようだ。
そしてその相手は玄関の隙間からひょっこりと現れる。 
どこか緊張した面持ちに大きなリボン……この人知ってる。
夏希とは小さい頃から仲良しで、現に俺もクラスが一緒だ。 名前は……そう。 小寺梨花《こてらりか》だっけか。
そんな小寺さんは家を覗き見るよう確認し、俺の姿を捉えると何か怖いモノを見たかのよう声を出す。
「!? ゆっゆゆゆゆゆ!? ユーマ君!?」
いや間違えてる間違えてる。 そんな未確認生物じゃないから。 そこまで存在感ないわけじゃないから。
「悠河なんだけどな……どっちでも良いけど」
「ご、ごめんなさい。 急に居たから驚いちゃった」
「い、いや……アレだ。 俺もその驚かすつもりはなかったんだごめん」
女子との会話レベルが三ぐらいの俺は側から見ればとてもぎこちない。 
他の兄妹とかと話すのは別なんだけどな、まず異性として見てないまであるしな。
「そ、それで? どうしてこの家に?」
「小寺さんが遊びに来たんですよ。 春香に聞いたら良いよって言われたんで、何か不満ですか?」
 
そういや昨日——。
『ゆーくん《《も》》家に友達連れてくるんだね』
って、夏希達も居るよの『も』かよ!
知っているにも関わらず何も言わなかったなアイツ……。
「なんですか、そんな怖い顔して。 安心してください、ちゃんと私の部屋で遊びますので悠河には迷惑かけませんよ」
たしかにこの家の各部屋は防音機能が設備されているから夏希達が部屋に篭ってくれるなら浩太達と会わないようやり通せる可能性がある。
「そ、そっか! それは助かるよ!」
「なんだか悠河変ですよ? 何か隠してます?」
「そ、そっかなー? 俺はいつも通りだけど?」
変な所に気がつくな! 早く部屋に行けよ。
不審な目を向けられ流石の俺もポーカフェイスがぎこちない。
「ほ、ほら。 友達を玄関なんかにずっと待たせるのもアレだろ? 後で飲み物とお菓子持っててやるから」
「へぇー。 悠河にしては気が利きますね。 ではお言葉に甘えて。 私達は部屋でゆっくりしてるので、入るときはノックをお願いします」
「あ、あー了解」
夏希はお先にと小寺さんに上がるよう促すと小寺さんは靴を揃え家にあがる。
その際、俺に微笑ましい笑顔を向けて一言。
「お邪魔します……っ」
「あ、どぞ」
気まずい……だがこれで夏希達が早く部屋に行ってくれれば何も問題ない。
後は俺が定期的に飲み物や食べ物を届けに行き、女子達を部屋から出さなければバレることもないだろう。
「では部屋に案内しますね?」
「あっ。 うん、お邪魔します」
よし貰った——と思った時期が僕にも数秒ありました。
夏希がドアを開けたところで何やら外が騒がしい。
『それでさ! 悠河ひでーんだよ。 俺のメールをさ昨日の晩まで無視だぜ? どう思うよ!』
『浩太が送りすぎなんだよ。 悠河も忙しいからな、そっとしてやりなよ』
聞き覚えある声、男二人、そして俺の話題。
間違いなく浩太と我久だ。
そして足音は止まり、家の中にチャイムの音が鳴り響く。
「悠河、お客さんですよ?」
ダメだ。 今開けたら我久達と夏希達が遭遇してしまう。 嫌な予感しかしない。
俺が躊躇しているとまた一回、そしてもう二回。
『あれ? 居ないのかなー?』
『浩太押しすぎ……。 悠河に怒られるぞ?』
「もう! 悠河が出ないなら、私が出ます!」
「ちょっ、 ばっか! おま……」
俺が呼び止めようと手を伸ばすも夏希はそのままドアを開ける。
そして、浩太はお調子な様子で飛び入ってきた。
「ゆーうーがー! …………おっせっ……にゃっ!? にゃにゃにゃにゃつきちゃんっ!!!!!」
そして後ろから我久が浩太の頭にチョップを入れながら顔を覗かせる。
「浩太はしゃぎすぎだ……? アレ、なんだか人が多いな」
「えっと……浩太君と我久君? いらっしゃい?」
何かを察したのか俺の方にどいうことか説明してと目で訴えてくる夏希の冷めた視線が痛い。
ここは冷や汗を流しながら俺はそっぽを向いて口笛を吹き俺は何も知らないアピールを。
あー今日も大変そうだな……。
五人の視線がまだかまだかと俺の方を見る。
興味なさげにいや少しあるいや無いとチラチラ見てくる夏希。
騒ぎ立てテンションが妙に高い興奮した愛秋と浩太。
困った微笑を浮かべながら事の終点を見守る我久と小寺《こてら》さん。
「ほらほらゆーにぃ! 早く言いなよっ! あっし達姉妹四人の中で誰が一番付き合いたいかっ!」
どうしてこうなった。
*
土曜日の夜、姉の春香は片手にコーヒーを持ちながら誰かとメールのやり取りをしているのかケータイをぽちぽちと触っている。
俺といえば明日の件。 そう、浩太の思いつきで俺の家に遊びに来るという話の許可を頂きに来たわけだ。
実際、『忘れてたわ』とかなんやら適当に言ってスルーしようと思ってたんだが、今日になって浩太が数分置きにメールを送ってくる。 なんなの俺の彼女かよ。
このままだと返事せずとも勝手に来そうなので仕方なく話だけはすることにした。
「へぇー、ゆーくんが友達を家にね……別に良いんじゃないかなぁ?」
すっかり元気になった春香はコーヒーで口を潤すと同時にうんと頷く。
「いやいや、姉ちゃん基本家にいるだろ? 男なんか来たらうるさくて迷惑かかるしダメだろ」
言う通り春香が休みの日に何処かに行くのは稀の稀でもはや外で春香を見たのならツチノコ発見ぐらいの価値がある。
実際、夏希は基本勉強しに図書館や学校に行くし、妹二人は部活で家にいることはない。
つまり、春香の許可さえ貰えばそれで良いのだが……二人にこのだらしない姉を見せるわけにはいかない……。
「明日でしょ? 心配しないで。 うち、ちょっと出掛けるんだ」
「へぇ〜はっ?」
気がつけば地面にコップを落としていた。 溢れるコーヒーが俺の足を飲み込む。
「あっつ!!!」
「だ、大丈夫!?」
心配するなと手で制してから、俺は近くに掛けてあったタオルで地面に被せる。
「て、てか出掛けるってマジなのか? 姉ちゃんが休みに家にでるとか熱でもあるんじゃねーか?」
「そ、そこまで驚かれるとお姉ちゃん悲しいな……」
驚くなって方が無理があるだろ。 他の奴らに言ってみろ、みんな頭から地面にコケるぞ。 どこのクレヨンなしんちゃんだよ。
「ちょっと友達に遊びに誘われちゃったんだ。 人付き合いはちゃんとしときゃなかねっ」
むしろこの人に友達居たんだって話なんですけどね。 いつ大学行ってるのかも分からねーし。
「でも、ゆーくんも家に友達連れてくるんだね」
「も? どいうこと?」
「あ、いやいや! こっちの話! 気にしないで」
春香は「なんだか面白そうっ」とか意味深ななことを言いつつ、逃げるかのよう部屋に行ってしまう。
「おい! 何の話だよ! たく……」
俺の言葉が届くわけもなく、まぁ春香のことだ特に気にすることはないとメールを開く。
通知オフにしてたからまだ良いが浩太のやつ懲りずに何十件も送ってきてやがる。
『明日、別に良いってよ。 家誰もいねーけどな』
『おぉーオーケー! 返信おっそいなお前は笑 んじゃヨロ』
数秒で返信が……なに? こいつのケータイ身体の一部なのかよ。
取り敢えず明日に備えて部屋を少し片付けてから寝るか。
別に大した汚れも無いのだが、見落とした汚れがあったりしたらと考えるとなかなか寝付けない気がする。 誰かの下着なんか出てきた時とかもはや空気が凍るしな。
飲み物とかお菓子あったけか、明日の朝のうちに買いに行くか。
いやほら流石に気を使うよね? 俺はあれかよ、友達を家に連れてきた時に少し張り切って何でも出してくるお母さんかよ……。
「まぁ、毎日浩太の家に行くのは申し訳ない。 一度くらい家に呼ぶのもお返しなのかな」
この時、俺は他の三人にも話しておくべきだったと今も根に持っている。
波乱の日曜日は幕を開けようとしていた。
*
飲み物、お菓子OK。 部屋も綺麗だ。 まぁ二人が帰った後また掃除するんだけどな。
言っていた通り春香は朝早くからどこかに行ってしまった。 普段しないような化粧にオシャレとありゃまるでデートだな……。
妹二人に夏希も姿がないことを察するに思惑通りことが進んでいる。
そんなこんなで予定の十五分前に差し掛かった時、家のドアが開く音がした。
なんだ、人の家に勝手に入ってくるバカがどこにいるんだ。 
きっと浩太に違いないと、俺は玄関を出てから文句の一つでも言ってやる。
「人の家に勝手に入ってくる……バカ…………夏希?」
「何ですか? ここ私の家なんですけど……ずいぶん失礼なお出迎えですね」
「わ、悪りぃ……人違い人違い」
どこか不機嫌な夏希に誤魔化し笑いで機嫌を直してもらう。 てかなんで帰ってきちゃったの。
「はしたないところを見せてすみません。 何もない家ですがどうぞ上がってください」
すると夏希は一度外を振り向き何やら誰かと話しているようだ。
そしてその相手は玄関の隙間からひょっこりと現れる。 
どこか緊張した面持ちに大きなリボン……この人知ってる。
夏希とは小さい頃から仲良しで、現に俺もクラスが一緒だ。 名前は……そう。 小寺梨花《こてらりか》だっけか。
そんな小寺さんは家を覗き見るよう確認し、俺の姿を捉えると何か怖いモノを見たかのよう声を出す。
「!? ゆっゆゆゆゆゆ!? ユーマ君!?」
いや間違えてる間違えてる。 そんな未確認生物じゃないから。 そこまで存在感ないわけじゃないから。
「悠河なんだけどな……どっちでも良いけど」
「ご、ごめんなさい。 急に居たから驚いちゃった」
「い、いや……アレだ。 俺もその驚かすつもりはなかったんだごめん」
女子との会話レベルが三ぐらいの俺は側から見ればとてもぎこちない。 
他の兄妹とかと話すのは別なんだけどな、まず異性として見てないまであるしな。
「そ、それで? どうしてこの家に?」
「小寺さんが遊びに来たんですよ。 春香に聞いたら良いよって言われたんで、何か不満ですか?」
 
そういや昨日——。
『ゆーくん《《も》》家に友達連れてくるんだね』
って、夏希達も居るよの『も』かよ!
知っているにも関わらず何も言わなかったなアイツ……。
「なんですか、そんな怖い顔して。 安心してください、ちゃんと私の部屋で遊びますので悠河には迷惑かけませんよ」
たしかにこの家の各部屋は防音機能が設備されているから夏希達が部屋に篭ってくれるなら浩太達と会わないようやり通せる可能性がある。
「そ、そっか! それは助かるよ!」
「なんだか悠河変ですよ? 何か隠してます?」
「そ、そっかなー? 俺はいつも通りだけど?」
変な所に気がつくな! 早く部屋に行けよ。
不審な目を向けられ流石の俺もポーカフェイスがぎこちない。
「ほ、ほら。 友達を玄関なんかにずっと待たせるのもアレだろ? 後で飲み物とお菓子持っててやるから」
「へぇー。 悠河にしては気が利きますね。 ではお言葉に甘えて。 私達は部屋でゆっくりしてるので、入るときはノックをお願いします」
「あ、あー了解」
夏希はお先にと小寺さんに上がるよう促すと小寺さんは靴を揃え家にあがる。
その際、俺に微笑ましい笑顔を向けて一言。
「お邪魔します……っ」
「あ、どぞ」
気まずい……だがこれで夏希達が早く部屋に行ってくれれば何も問題ない。
後は俺が定期的に飲み物や食べ物を届けに行き、女子達を部屋から出さなければバレることもないだろう。
「では部屋に案内しますね?」
「あっ。 うん、お邪魔します」
よし貰った——と思った時期が僕にも数秒ありました。
夏希がドアを開けたところで何やら外が騒がしい。
『それでさ! 悠河ひでーんだよ。 俺のメールをさ昨日の晩まで無視だぜ? どう思うよ!』
『浩太が送りすぎなんだよ。 悠河も忙しいからな、そっとしてやりなよ』
聞き覚えある声、男二人、そして俺の話題。
間違いなく浩太と我久だ。
そして足音は止まり、家の中にチャイムの音が鳴り響く。
「悠河、お客さんですよ?」
ダメだ。 今開けたら我久達と夏希達が遭遇してしまう。 嫌な予感しかしない。
俺が躊躇しているとまた一回、そしてもう二回。
『あれ? 居ないのかなー?』
『浩太押しすぎ……。 悠河に怒られるぞ?』
「もう! 悠河が出ないなら、私が出ます!」
「ちょっ、 ばっか! おま……」
俺が呼び止めようと手を伸ばすも夏希はそのままドアを開ける。
そして、浩太はお調子な様子で飛び入ってきた。
「ゆーうーがー! …………おっせっ……にゃっ!? にゃにゃにゃにゃつきちゃんっ!!!!!」
そして後ろから我久が浩太の頭にチョップを入れながら顔を覗かせる。
「浩太はしゃぎすぎだ……? アレ、なんだか人が多いな」
「えっと……浩太君と我久君? いらっしゃい?」
何かを察したのか俺の方にどいうことか説明してと目で訴えてくる夏希の冷めた視線が痛い。
ここは冷や汗を流しながら俺はそっぽを向いて口笛を吹き俺は何も知らないアピールを。
あー今日も大変そうだな……。
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