俺の店の屋根裏がいろんな異世界ダンジョンの安全地帯らしいから、握り飯を差し入れてる
対クレーマーにはコルト砲
新たにプレハブで部屋を作り、それを屋根裏部屋に隣接。
貫通させて、異世界の冒険者達が自由に往復できるようにした。
プレハブでも簡単な炊事なら可能にした。
これでコルトにも手伝ってもらえるようになった。
けれど、俺でなきゃできない作業もある。
俺が今やっている米袋をプレハブに運び入れる作業やこの部屋から出るゴミを運び出す作業。
要はこの部屋の内外を往復する必要がある仕事だ。
実際、今俺はコルトに指摘されて、米袋を一階から持ち込んでいる。
握り飯タイム一回につき、五キログラムの米袋を三つ分消費する。
もちろん一回毎に運び込むのも面倒。
運び込める時はなるべくなるべく多く持ち込むと、ほかのいろんな予定に時間的余裕を持たせられる。
そんな作業中は、脇からグダグダと話しかけられても相手にできるわけがない。
終わりが見える作業には、集中して取り組むものだ。
とは言っても力仕事は少し苦手。
握り飯タイム二回分を運んで少し休憩。
「うあぁぁ……っと。で、まだなんか文句あるのか?」
一応話しを聞いてみる。
が、あの男の、さっきとは旗色が違うような。
米袋を運ぶ前まで見せた強気はどこへやら。
「気にしなくていいですよっ! ゆっくり休んでてくださいっ!」
コルトが怒っている。
握り飯タイムの前にいろいろ話し込んできた槍戦士と弓戦士が、いつの間にかそばに来ていて、コルトを見て怯えている。
何があった?
まあいいけど。
だがコルトよ。
お前、言い過ぎ。
「休んでてくださいはいいけどよ。握り飯、きちんと作れたか? 人に文句言う前に、自分のやるべきことは抜かりなくやれよな」
「分かってます!」
「分かってんなら、着ぐるみ作れよ。屋根裏部屋で休む奴に凍えさせねえようにするんだろ?」
怒る暇があるならどんどん自分の仕事進めてけよな。
「あ……、はい……」
やれやれだ。
さて……。
「あんたもそれなりに危ない目に遭って来たんだろ。その握り飯とっとと食って、まずは休むんだな」
「あ、あのな」
「体力回復したらここから出るんだろ? あんたがいなくなった後のことまで俺のことを四六時中監視するってんなら話しは聞くさ。そんな気がないなら……屋根裏部屋の方にあるノートに、思いの丈を書いとけばいい」
「あ、あぁ……」
何があった?
ま、聞いたところで今後の教訓になるわけでもなし。
「……コウジ」
弓戦士が声をかけてきた。
さっきのいざこざの件ならぶり返す気はないんだがな。
「コルトちゃんの説得能力、見習わせてもらうわ……」
ホントに何があった?
余計な事情は抱えたくないけどよ。
槍戦士もしたり顔で頷いてやがる。
「……コルトっていう名前か。……別世界の者でなかったら、仲間にしたいくらいだったな。こいつの気持ち、今なら分かる」
はいはい。
けど、さっきまでのいざこざはもう過去のことっと。
握り飯も全部捌けたし、この後の時間は、俺は店の商品のラインナップも考えなきゃな。
だが恐らく解決できそうだ。
しかしコルトもあれだな。
とうとう寝袋を着ぐるみと認めてくれたな。
『畑中商店』の新しい目玉商品になりそうで、俺はうれしいぞ、うん。
貫通させて、異世界の冒険者達が自由に往復できるようにした。
プレハブでも簡単な炊事なら可能にした。
これでコルトにも手伝ってもらえるようになった。
けれど、俺でなきゃできない作業もある。
俺が今やっている米袋をプレハブに運び入れる作業やこの部屋から出るゴミを運び出す作業。
要はこの部屋の内外を往復する必要がある仕事だ。
実際、今俺はコルトに指摘されて、米袋を一階から持ち込んでいる。
握り飯タイム一回につき、五キログラムの米袋を三つ分消費する。
もちろん一回毎に運び込むのも面倒。
運び込める時はなるべくなるべく多く持ち込むと、ほかのいろんな予定に時間的余裕を持たせられる。
そんな作業中は、脇からグダグダと話しかけられても相手にできるわけがない。
終わりが見える作業には、集中して取り組むものだ。
とは言っても力仕事は少し苦手。
握り飯タイム二回分を運んで少し休憩。
「うあぁぁ……っと。で、まだなんか文句あるのか?」
一応話しを聞いてみる。
が、あの男の、さっきとは旗色が違うような。
米袋を運ぶ前まで見せた強気はどこへやら。
「気にしなくていいですよっ! ゆっくり休んでてくださいっ!」
コルトが怒っている。
握り飯タイムの前にいろいろ話し込んできた槍戦士と弓戦士が、いつの間にかそばに来ていて、コルトを見て怯えている。
何があった?
まあいいけど。
だがコルトよ。
お前、言い過ぎ。
「休んでてくださいはいいけどよ。握り飯、きちんと作れたか? 人に文句言う前に、自分のやるべきことは抜かりなくやれよな」
「分かってます!」
「分かってんなら、着ぐるみ作れよ。屋根裏部屋で休む奴に凍えさせねえようにするんだろ?」
怒る暇があるならどんどん自分の仕事進めてけよな。
「あ……、はい……」
やれやれだ。
さて……。
「あんたもそれなりに危ない目に遭って来たんだろ。その握り飯とっとと食って、まずは休むんだな」
「あ、あのな」
「体力回復したらここから出るんだろ? あんたがいなくなった後のことまで俺のことを四六時中監視するってんなら話しは聞くさ。そんな気がないなら……屋根裏部屋の方にあるノートに、思いの丈を書いとけばいい」
「あ、あぁ……」
何があった?
ま、聞いたところで今後の教訓になるわけでもなし。
「……コウジ」
弓戦士が声をかけてきた。
さっきのいざこざの件ならぶり返す気はないんだがな。
「コルトちゃんの説得能力、見習わせてもらうわ……」
ホントに何があった?
余計な事情は抱えたくないけどよ。
槍戦士もしたり顔で頷いてやがる。
「……コルトっていう名前か。……別世界の者でなかったら、仲間にしたいくらいだったな。こいつの気持ち、今なら分かる」
はいはい。
けど、さっきまでのいざこざはもう過去のことっと。
握り飯も全部捌けたし、この後の時間は、俺は店の商品のラインナップも考えなきゃな。
だが恐らく解決できそうだ。
しかしコルトもあれだな。
とうとう寝袋を着ぐるみと認めてくれたな。
『畑中商店』の新しい目玉商品になりそうで、俺はうれしいぞ、うん。
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