彼女の涙

会社の終業後だった。

携帯が鳴って出ると瞬の
「ケットさんが！」を繰り返すだけの声が聞こえた。
「落ち着け、ケットがなんだよ。」
「ボロボロの姿でコンビニ泣いて来たんだ。警察にも通報する前に家族とかに言うべきとか思うべきだろうけど見たところ幼い男の子には教えるべき内容でもなさそうだし、家族の連絡先知らないし…」
「どうゆうこと？とりあえずそっち行く。」

車飛ばしていき店のバックヤードで泣いてるケットをみた。

泣き腫らした顔でオレを見る。
ハラハラ涙落としてくのを見て、
襲われたかのように首やら噛み付かれたかのような傷跡なのが見え痛々しく怯えるように小さくなってるの見て怒りがこみ上げた。

同意なく襲うのは良くないだろ、
綺麗な人を抱いてみたい気持ちはわかる。
でも目の前のケット見てどす黒いもの感じた。
瞬が俺見て後ずさるのが視界の端で見えた。

彼女の家で話した時は彼女は落ち着いた風だった。
いや落ち着いてるかのように見せてるのだろうか。それがオレには逆にイラつかせた。
オレに頼ってくれたって、話してくれたっていいじゃないか。

彼女の手、はよほど強く握られていたか押さえつけられてたのか内出血起こしてた。
首筋は噛み付かれた跡があるし

…ずっと内心に留めてた束縛したい欲求が抑えきれずに彼女をおしたおした。
彼女は最初抵抗したものの、嫌がるそぶりもなくでも涙流しながらも受け入れてくれたのだった。

諦めに近いものだったのか、わかんない。

でも彼女をそっと手放す気にはなれない。
泣かせた人をぶん殴りたい気分だったが
相手を知る事はどうしたらいいかわからなかった。

俺は彼女の佐藤っていう名字から彼女の人間関係かなり探って特定した。
通報までした。そして彼は捕まったようだった。

綺麗な彼女の肌をこうして触れる漢は俺だけであってほしい。

彼女が俺は…ずっと心の内で恋してたのを
隠してたし、初めて彼女を肉眼で見て、
好きなのを俺は隠すのに必死だった。

もう…俺の女にって欲してるじぶんを抑えれるものでもなかった。