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大切な人

ウミネコ

佐藤と私そしていちの本名

休日の昼下がり
私は佐藤を乗せて今バイクを走らせていた。

佐藤は幼なじみでもあり、中古の車、バイク斡旋の凄腕バイヤーで東京に住んでる人だ。

わざわざこっちに来るときは難しい案件で買取のための出張がてらだったり吉野バイクショップからの依頼の為である。
会う度なんというか窶れている気もしなくはなかった。

「オレ、君がそばにいて欲しい。若い頃って言っちゃあれだけど、学生の時に作ってくれたパエリア食べたいんだ。」
「ん?食べ来たかったの?」
鈍感バカ、俺は付き合って欲しいの!結婚は考えたくないけどさ」
「んー私は交際だの結婚、だのゆってられないわ。アナタが必要なニーズを叶えてくれるひとはきっと世界中に…何人かはいるでしょうよ。私以外に」高速のサービスエリアに停めた愛車眺めつつ近くの自販機に寄りかかりカフェラテ缶を飲み干す。
「お前がいいの。」カフェラテ飲み込んだ後にほっぺつねられた。
「子供いる上で私は浮ついた交際考えてないわ。」私が睨むと佐藤は頭抱えた。
「お前……俺が非婚主義者なの知ってて言ってるんだよな?」
「もちろんよ。」シレッと頷くと佐藤は空に向かって「なんでだよ」とボヤいた。
「子供いるから、そしてね扶養とか、税金とかの話的に安く上がるからよ。」
私がそういうとうーんと答えた。
「尾海、お前が自由奔放な性格なの知ってて言うがお前結婚には向いてない。」
「知ってる、そういう佐藤もな!だから振ってるんやん?」
「男には気をつけろよ。」
「そのままじゃないが、女に気をつけろよ」と言い返すと怒ったふうに佐藤はそっぽ向いた。
「佐藤、結婚したという報告した時も同じことゆってたが、何故私なのだ?何故私に執着する」
「……嫌われるの覚悟で言うが白状すりゃお前との夜が何より良かった、10代の時の感覚、忘れれないんだ。あれ以来俺は……ほかの女じゃできない。かと言って欲は溜まるんだ。」

「んなの知らね、私にとって君は男としては過去の人。幼なじみに過ぎない。女としてみるなら私は帰るよ」
「…尾海、お前変わったよな、きちんとした母親って感じがするよ。」
どこか悲しそうな切なそうな顔俯いて言う佐藤は私の手を掴んだ。
「俺は……ずっと尾海が俺を求めてくれると思ってた。」
「馬鹿なこと言わないでよ。あの頃は軽率にずっと好きだの言ってたけど、もう私は若くない。佐藤、私は老後の暮らしで悩みたくない。息子を困らせなくないんだ。共に……死ぬまで家族として支えてくれる人じゃないと大きな病気したとして息子以外で手術などの同意書は……病院としてはいい顔しない。息子1人だとあの子はきっとすごく悩むだろう、だから私は交際求めるなら養父候補なる気がなきゃ交際しないと公言してる。」
「まだ三十路なのにそこ考えてるんかよ。まあお前らしいな」呆れて言う佐藤。
「悪かったわねでも今のうちに老後に向けてと息子のためにできることして生きるのが私の今のすべき事よ。」
佐藤はため息ついて
「なら…いい人を演じるの諦めるか…」と項垂れていたと思えば……佐藤が強引に私の手を引き、人気のないトイレの裏に連れられ、トイレの壁に私を押さえつけ強引なキスをする。
ブチッと音がして服が少し破れる音がした。
私が首筋や耳を触られると弱いのを知ってるから優しく触ってくる。怖くなり目をつむった。

ふと涙が出た。
いちさんの顔が脳裏に霞めて、助けてと言いたくなった。

不意に押さえつけていた手が離れて
「なぁ、尾海…君はやっぱり狡いよ」
そう耳元で言われて耳を甘噛みする。
「は、離…れて」要するが男の力強さには勝てなかった。足掻こうにも押さえつけられる力が強くなるだけ。抵抗するうちに首筋を噛みつかれ、痛みに驚いて固まった。
「尾海、オレはお前が好き、ずっとこれは変わらない。お前の心変わっていこうが俺は忘れない、お前が……ずっとあの頃に言ったあなたの前に現れる時、私は今よりいい女なって悔しがってもらうって俺にとっては今や呪いだよ。」
「聴きたくもないわ、つまんないこと言わないで…帰る!」そうゆって諄いと一言言おうと続けようするが遮るように言った。
「尾海、俺は後悔してるんだ。親戚や親にずっと俺は……『親父たちのようにならないために結婚だけはしない、固く誓ったんだ』って言ってたから。今更覆すのは俺には……無理なんだ。」そう嘆いていた。
その時私は佐藤のあれの所をを蹴りあげた。佐藤は痛みに悶絶し、転がるのを他所に……距離を話して悲鳴に近い大きな声で叫んだ。
「知ったこっちゃない。私は私よ。君が私を求めるなら私のことも聞いてよね。私は過去に君との未来を本気で夢見てたが今はそうじゃない。君はプライドなんてかなぐり捨てて大事なもの掴めなかった。もう私には君は気味が悪い。私は私の幸せもそうだがマモルべきものがある以上、あのころのようには動くつもりは無い。ビッチだと君は思ってるだろうが、若い頃はどんなんであろうと君を求めていただけ、今は最善の道を考え歩んでるだけ。更に君との恋愛感情なんてもう氷点下で関係なしだよ。」走って愛車乗り、にげた。

時間たってるのに首筋の感覚が未だに余韻が残る。
佐藤との事を認めておかないと、でも否定したいし、正直気持ち的に気味が悪い。

泣きたくなった。瞬くんのコンビニへとバイクを走らせ駆け込んだ。

瞬くんがレジに居て私を見た途端バックヤードに私を通した。
「服、破れてるし怯えた顔で泣いてるし……どうしたんだい?いちさんとか呼ぼうか?」近くにあった上着を掛けてくれた。
「ごめんなさい言いずらいの…いちさんに助けてなんて…仕事だろうし…とりあえずTシャツ買いに来たの。っても無いよね…」私はなんていいか分からず釦が弾け飛んだブラウスのボタンが胸の下までが外れかけてるのに気が付いて慌てて手で抑えた。
そんな私に目をそらす瞬くん。
「そうか…ここで大人しくしてて?確か昔の制服のだけどTシャツ在庫あったからまってて取ってくるよ」



Tシャツ、探すのには時間が経ってるが、どうしたんだろう……
そう思ってるといちとTシャツ持った瞬くんが来ていた。

私の姿を見たいちの表情は殺伐としていた。
だが……私はいちさんの顔みて安堵し、堰が崩れたように涙が止まらなかった。
「ケット!お前!何かされたのか?」
「……仕事しにこっちへきた同郷の幼馴染…佐藤さんが高速バスの時間を逃したらしくて送る最中の高速で休憩とるってなってそのときに物陰に無理やり連れ込まれて…男のあれを蹴りあげ…逃げてきたんだ。」
「なぁ…不用心すぎるよ、シャツ着てくれ、瞬、そのシャツありがとうな」
男二人出ていき私はとりあえずシャツを着てバックヤードから出た。

出た時、いちは相変わらず青筋たった厳つい顔でいて私を見る。
「ケット……否、君のホントの名前は?…」
「言ってどうするの?」
「さあな……」
「……尾海瑞乃おうみたまの」  
「タマノ……猫みたいな名前だな、それでcatSeaなんだな。俺は久野一、漢数字の1を書いてはじめとよむんだ。」
「そうなんですね、ありがとうございました。今度お礼を」と言うと遮るように
「いいよ……それよりも瑞乃来なさい、俺の気持ち分かるか?あ、瞬、ありがとうな」
と手を振って私をコンビニから連れ出した。
トラックの荷台にバイクは縛られ固定された状態で私はその車に乗せられた。
私の家まで送ってくれて。バイクもおろしてくれたいちさん、「時間あるか?」
と急に聞いてきた。

「少しだけなら、どこかカフェ行きますか?」
「そうか……いやいいよ。ただ大事な話ししたいんだ。」いちさんは真剣な顔で私を見た。
思いつく場所がなく
「ごめんなさいここ、ここら畑しかないしとりあえず家に……」

「……分かってねぇ」いちさんは低い声でぼそっと言うがマンションの部屋に来てくれた。

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