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大切な人

ウミネコ

りゅうの気持ち

「……お母さん、俺は……なんでお父さん会えないのかわかんない。」
「……あの人は一見愛情深いけどね…あの人のせいもあるの……ここに居るのは。そして私からして見りゃ殺されかけても助けてもらえない人だからよ。」

「お母さんのアレルギーとかだよね?その話俺聞いたよね。」
「……リュウ他にも沢山あるの。人の金を黙って盗んで借金して……さらにみんな騙して……リュウを産むためのお金、私のお父さん達の信頼もを全てとられてて死にかけたこともあるの。リュウ、お母さんはあの時お父さんにみんなの前で土下座されて言葉ではいいよ・・・とはゆった。でも許してはないからね。私ならともかく、リュウの命かかってたからね?」

「お母さん……」

「あの人はいい人か思うだろうし父親に愛されたい気持ちはわかるから会いたいのなら会いに行けばいい。りゅうはいつでも会える、でもお母さんは……お父さんとは会えないよ。お父さんはリュウを愛し可愛がってたのは事実。リュウの気持ちを否定はしないよ。」頭撫でてからキッチンに向かった。
「お母さん……お父さんとやり直せない……んだよね?」
「出来るなら一生会いたくない、共に暮らすなら刺し違えてもいいくらいよ」

私はトントンと静かに人参を切り始めたが、それ見てりゅうは何故か怯えた。

「お母さん、僕は……お母さんの笑顔が見たい。でもそれとね……普通の・・・家族ノカタチって知りたい。おとうさんって呼べる人が欲しいんだ。」

「リュウ……お父さんとこ行っておいで。」
手をとめず人参を切る。
「……ごめんなさい。」
「謝らなくていい。お父さんは再婚するかもしれない。だからお義母さんと上手くやっていけば普通にかぞくは分かるよ。ごめんね……」

「お母さん……」
私は……それ以上のことは言えなかった。

人参を切り終えて玉ねぎ切る時異様に涙が止まらなかった。

リュウは……それ以来……なにか言おうとして…は辞めるを繰り返すようになった。

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