普通な人が異世界行ったら普通じゃなかった。

のてお

少女と俺

森の果実を適当に食った俺はとりあえず道に出た。
道というか人がいっぱい歩いて草が生えなくなっただけのようだが。

誰かが戦っている。

僕と同じぐらいの歳の女子が必死に剣をふるっている。

え、剣? ここ日本だよね?

その子は俺ぐらいの大きさのイノシシと戦っている。

え、イノシシ? ここ日本だよね?

どうやらその子は俺に気がついていないようだ。
イノシシを倒した少女に俺は声をかけた。

「えーと、ここどこですか?」

「キャーーーーーーーーーーーーーー」

草原に少女の叫び声が響き渡った。

俺は、パンツ一丁だった。


なんとか呼び止めて少女の毛布と予備の服をもらった俺は現状を理解しようと考えた。

「ありがとう、それで...」

「で、何?早く行きたいんだけど。」イノシシを背中に背負った少女はすぐに帰ろうとする。

「えっと、ここはどこですか?」

「なんで私がそんなことあなたに教えなきゃいけないのよ。まあいいわ。ここはグレゴリー王国のマット県のシアの町のそばよ。」

「ん?」
俺の脳は全く聞き覚えのない単語を聞いて思考が停止していた。

「シアの近くだって!」
「じゃあね。」

「え、え?グレゴリー王国?なにそれ...
あ、ちょっと待って。シアにはどうやって行くの?」
「この道をまっすぐよ。」そう言い捨てて少女はスタスタと足早に去っていく。


「...。」

俺は一人悲しくシアへの道を歩くのであった。

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