ViNUfR

えれべすと

Prologue

唯一の生命線であったエアコンがついに壊れた。
もうすぐ壊れる、もうすぐ壊れると思い続けて、もう3年かー、と、ボロボロになったエアコンを見てそう感じた。 
母親に、「もうボロボロで今にも壊れそうだから流石にもう買い換えようよ。」と言ってみたこともあったが、「いやいや、あと5年は持つでしょ」と、どこから生まれてきたのかわからない謎の自信に満ちていた。
その後も、何回かエアコンの買い換えをお願いしたものの、適当に受け流されるだけだった。

いまは中学生3年の夏休み中盤、40度まで行ったことも度々あった。
こんな暑い時期にエアコンが無くなるのは、かなり深刻なものがあった。
体を大の字に広げ、仰向きになりながらアイスを口の中に突き刺し、うちわを扇いでいる事で、何とか死亡するのを防いでいた。
昨日の夜は暑くて寝れなかったため、12時を少し過ぎた辺りから、猛烈な睡魔に襲われた。
このまま、1番暑い時間帯をスキップ出来るのなら、もうこのまま寝てしまおうと思った。
出来ることなら夕方まで寝ていたいと思い、目を瞑った。


────俺は、あまりの寒さに目を覚ました。

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