ロワとカラス城の魔女
12
「それじゃあ!!研修を ︎」
私は思わず大声を出す。魔女は驚いた様子で、両耳に手を当てた。私自身も、自分がこんな大声を出せるのかと驚いたくらいだ。
魔女は振り返ると、すこし面倒くさそうにため息をついた。
「正直に話したら、研修を受け入れると言ったはずよ?」
魔女の言葉に私は困惑が隠せない。
「ででも!いいんですか?理由が理由だし、それに向いてないって……」
「そうね、本当に向いてないもの。こんなバカ正直、騙されて利用されて殺されるのがオチね。嫌なら帰りなさい」
魔女は喋りながら、2階へ続く階段に消えていった。最後にちらりと見えた魔女の口元は微笑んでいるように見えた。
「いえ!私頑張ります!お世話になります!」
私は魔女が消えた暗闇に慌てて叫んだ。返事はないけれど、研修の受け入れを認められたのだ。
小躍りして喜びたい、大声で歌いだしたい衝動に駆られるのを抑えた。顔の筋肉が緩んで自然に笑ってしまう。今でも魔女の言葉がぐるぐる頭を回る。
「魔法は、希望」
言葉にすると、不思議と力が湧いた。その希望で、私は人を傷つけたりはしない気がする。
カラス城の魔女は怖くて、ひどく暗い場所にいる。なのに、魔女は……いや、彼女の使う魔法はとても暖かくて、良い香りがする。本当は、とても心優しい人なのかもしれない。
私の夢の研修生活。尊敬する人の元で生活をする。まずは、第一歩がやっと踏み出せたのだ。
私は思わず大声を出す。魔女は驚いた様子で、両耳に手を当てた。私自身も、自分がこんな大声を出せるのかと驚いたくらいだ。
魔女は振り返ると、すこし面倒くさそうにため息をついた。
「正直に話したら、研修を受け入れると言ったはずよ?」
魔女の言葉に私は困惑が隠せない。
「ででも!いいんですか?理由が理由だし、それに向いてないって……」
「そうね、本当に向いてないもの。こんなバカ正直、騙されて利用されて殺されるのがオチね。嫌なら帰りなさい」
魔女は喋りながら、2階へ続く階段に消えていった。最後にちらりと見えた魔女の口元は微笑んでいるように見えた。
「いえ!私頑張ります!お世話になります!」
私は魔女が消えた暗闇に慌てて叫んだ。返事はないけれど、研修の受け入れを認められたのだ。
小躍りして喜びたい、大声で歌いだしたい衝動に駆られるのを抑えた。顔の筋肉が緩んで自然に笑ってしまう。今でも魔女の言葉がぐるぐる頭を回る。
「魔法は、希望」
言葉にすると、不思議と力が湧いた。その希望で、私は人を傷つけたりはしない気がする。
カラス城の魔女は怖くて、ひどく暗い場所にいる。なのに、魔女は……いや、彼女の使う魔法はとても暖かくて、良い香りがする。本当は、とても心優しい人なのかもしれない。
私の夢の研修生活。尊敬する人の元で生活をする。まずは、第一歩がやっと踏み出せたのだ。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
15254
-
-
59
-
-
381
-
-
337
-
-
75
-
-
2
-
-
361
-
-
140
-
-
111
コメント