試行錯誤中
『決意』2
「とりあえず風呂だ。セックスの前は風呂がしかるべきだ。そんな事は童貞にも解る事だぞ」
今にも俺を押し倒さんばかりのトチ狂った鈴木を落ち着かせるべく、ひとまず風呂の提案をする。
しかしながら、風呂に入ろうが入るまいが俺の心持ちは変わらない。
ロストバージンする気などない。
ついでに奴の尻に指だのバイブだのを突っ込む気もない。
セックスなど興味ない。
しかしながら、今現在目の前でギラギラと目を光らせている鈴木はいつどのタイミングで何をしでかすか解らないので、ここはひとまずこいつを落ち着かせる事から始めた方がいいに違いない。
と思ったのだけれども。
「じゃあさっさと入ってこい、俺はもう入ったからな」
何だその万全さは。
いやしかし待て落ち着け。
風呂で終わりではないぞ、まだ幾らでも時間を稼ぐ方法はある。
「そんでもってお前、風呂の後は飯だぞ。そういうもんだぞ。ちなみに今晩は魚希望だ」
「知らん。つか飯はやめとけ。吐くぞ」
「いやもう現段階で既に吐きそうだ」
「まあ安心しろ、目の前でテメーが吐いたくらいじゃ俺の息子は萎えやしねえ。萎える気がしねえ」
「お前もう脳神経外科行けよ今すぐ行けよ。絶対どっか異常きたしてんよ」
「うるせえ、好きな奴とセックスしてえと思うのは男として正常な感情だ」
好きな男の尻穴にイチモツをぶちこむ為に自分の尻穴まで犠牲にしようとする男の決意が正常なものなのかどうか、もはや俺の頭では判断がつかなかった。
その後ほとんど無理矢理な形で風呂場横の脱衣所に押し込まれた俺は、奴に手渡された換えのパンツ(新品)と着替えのスウェットを手に一人溜息をついた。
パンツはショッキングピンクに黒の英単語がプリントされたやたらに派手なトランクスである。
ちなみに俺はボクサー派だ。
(あー面倒くせー面倒くせーセックスとかマジ面倒くせー)
冗談抜きで生まれてこの方俺はセックスに興味を抱いた事がない。
と言うかそもそも俺には性欲がないのかもしれない。
事実ここ数年マスターベーションすらした記憶がなかった。
リアルに最後にしたのがいつなのか思い出せない。
そもそも朝立ち以外で自分の息子が勃起している様子も見た記憶がなかった。
つか本気でここ数年夢精以外で射精した記憶がないのだが。
そもそも俺の年で夢精するってこと自体滅多にない事なのではなかろうか。
エロい夢すら見る事なく夢精すると言うのはもはや特技と言ってもいい事なのかもしれない。
誰に自慢したらよいのかも解らないが。
(そんな俺が男とセックスだと)
しかも言っちゃ悪いが俺は別にあいつの事が好きと言うわけではないのだ。
(かと言って嫌いでもないが)
そんな相手に尻穴を開発されようとしている事実を果たして俺はどのような心持ちで受け止めれば良いのだろうか。
(いやはや参った。流石に参った)
重度の無頓着さ故、これまでほとんど自らの意志で行動すると言う事をしないで生きてきた俺だが、今回ばかりはそうもいかないのかもしれなかった。
真摯な気持ちで真剣に、今現在置かれている状況と向き合わなければならないのかもしれない。
しかしだ。
(でもなあ、セックスしたところで減るもんでもないんだよなあ)
まあ出すところに入れるのだからそりゃ痛いんだろうが、それでもなおヤっている奴らがいると言う事は言うほどでもないのかもしれない。
第一女なんて入れるべき場所に入れてもなお初めての場合は痛いらしいのだ。
それならば痛みに関しては我慢する他ないのかもしれない。
それ以外の事で考えてみれば、女と違って妊娠するわけでもなし、男じゃなくなるわけでもなし。
いやでも待て痔になる可能性がある事は否めない。
果たしてアナルセックス経験者の何割が正常な尻穴を保てているのだろうか。
しまったそれを先に聞いておくべきだった。
この年で痔は流石に嫌だ。
(痔になったらあいつ慰謝料払ってくれっかなあ)
なんて事を考えていると、ふと脱衣所の扉の向こうに人の気配を感じた。
「おいテメー何してやがんださっきから。水音が一切聞こえねーんだけど。ちゃんと風呂入ってんのかよ」
「いや未だに服すら脱いでいない」
「なっ!ざけんなよクソ野郎!てめーが風呂っつったんじゃねーか!早く入れよ!」
怒られた。
「……………………………あーいやもー面倒くせー風呂とかもう良いわ、考えるだけ無駄だなこれは」
「は?」
「朝普通にクソした尻穴で構わねんならさっさと突っ込めや。そんで早く終わらせよう。それに限る」
「……は?」
幾ら考えたところで痔になる確率もアナルセックス経験後に起きるその他諸々の弊害も解らなかった俺は、もはや考える事を放棄して脱衣所を出た。
すると目の前には「信じられない」と言った様子で目を見開いている鈴木がいた。
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今にも俺を押し倒さんばかりのトチ狂った鈴木を落ち着かせるべく、ひとまず風呂の提案をする。
しかしながら、風呂に入ろうが入るまいが俺の心持ちは変わらない。
ロストバージンする気などない。
ついでに奴の尻に指だのバイブだのを突っ込む気もない。
セックスなど興味ない。
しかしながら、今現在目の前でギラギラと目を光らせている鈴木はいつどのタイミングで何をしでかすか解らないので、ここはひとまずこいつを落ち着かせる事から始めた方がいいに違いない。
と思ったのだけれども。
「じゃあさっさと入ってこい、俺はもう入ったからな」
何だその万全さは。
いやしかし待て落ち着け。
風呂で終わりではないぞ、まだ幾らでも時間を稼ぐ方法はある。
「そんでもってお前、風呂の後は飯だぞ。そういうもんだぞ。ちなみに今晩は魚希望だ」
「知らん。つか飯はやめとけ。吐くぞ」
「いやもう現段階で既に吐きそうだ」
「まあ安心しろ、目の前でテメーが吐いたくらいじゃ俺の息子は萎えやしねえ。萎える気がしねえ」
「お前もう脳神経外科行けよ今すぐ行けよ。絶対どっか異常きたしてんよ」
「うるせえ、好きな奴とセックスしてえと思うのは男として正常な感情だ」
好きな男の尻穴にイチモツをぶちこむ為に自分の尻穴まで犠牲にしようとする男の決意が正常なものなのかどうか、もはや俺の頭では判断がつかなかった。
その後ほとんど無理矢理な形で風呂場横の脱衣所に押し込まれた俺は、奴に手渡された換えのパンツ(新品)と着替えのスウェットを手に一人溜息をついた。
パンツはショッキングピンクに黒の英単語がプリントされたやたらに派手なトランクスである。
ちなみに俺はボクサー派だ。
(あー面倒くせー面倒くせーセックスとかマジ面倒くせー)
冗談抜きで生まれてこの方俺はセックスに興味を抱いた事がない。
と言うかそもそも俺には性欲がないのかもしれない。
事実ここ数年マスターベーションすらした記憶がなかった。
リアルに最後にしたのがいつなのか思い出せない。
そもそも朝立ち以外で自分の息子が勃起している様子も見た記憶がなかった。
つか本気でここ数年夢精以外で射精した記憶がないのだが。
そもそも俺の年で夢精するってこと自体滅多にない事なのではなかろうか。
エロい夢すら見る事なく夢精すると言うのはもはや特技と言ってもいい事なのかもしれない。
誰に自慢したらよいのかも解らないが。
(そんな俺が男とセックスだと)
しかも言っちゃ悪いが俺は別にあいつの事が好きと言うわけではないのだ。
(かと言って嫌いでもないが)
そんな相手に尻穴を開発されようとしている事実を果たして俺はどのような心持ちで受け止めれば良いのだろうか。
(いやはや参った。流石に参った)
重度の無頓着さ故、これまでほとんど自らの意志で行動すると言う事をしないで生きてきた俺だが、今回ばかりはそうもいかないのかもしれなかった。
真摯な気持ちで真剣に、今現在置かれている状況と向き合わなければならないのかもしれない。
しかしだ。
(でもなあ、セックスしたところで減るもんでもないんだよなあ)
まあ出すところに入れるのだからそりゃ痛いんだろうが、それでもなおヤっている奴らがいると言う事は言うほどでもないのかもしれない。
第一女なんて入れるべき場所に入れてもなお初めての場合は痛いらしいのだ。
それならば痛みに関しては我慢する他ないのかもしれない。
それ以外の事で考えてみれば、女と違って妊娠するわけでもなし、男じゃなくなるわけでもなし。
いやでも待て痔になる可能性がある事は否めない。
果たしてアナルセックス経験者の何割が正常な尻穴を保てているのだろうか。
しまったそれを先に聞いておくべきだった。
この年で痔は流石に嫌だ。
(痔になったらあいつ慰謝料払ってくれっかなあ)
なんて事を考えていると、ふと脱衣所の扉の向こうに人の気配を感じた。
「おいテメー何してやがんださっきから。水音が一切聞こえねーんだけど。ちゃんと風呂入ってんのかよ」
「いや未だに服すら脱いでいない」
「なっ!ざけんなよクソ野郎!てめーが風呂っつったんじゃねーか!早く入れよ!」
怒られた。
「……………………………あーいやもー面倒くせー風呂とかもう良いわ、考えるだけ無駄だなこれは」
「は?」
「朝普通にクソした尻穴で構わねんならさっさと突っ込めや。そんで早く終わらせよう。それに限る」
「……は?」
幾ら考えたところで痔になる確率もアナルセックス経験後に起きるその他諸々の弊害も解らなかった俺は、もはや考える事を放棄して脱衣所を出た。
すると目の前には「信じられない」と言った様子で目を見開いている鈴木がいた。
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