俺の人生設計に幼馴染みが居た結果・・・

ノベルバユーザー244497

救出

 担任教師誘拐事件は思った以上に困難を極めた。
 でもあれって、霧崎から聞いて先生がロリになったってのを鵜呑みにしたところから始まったんだよな? なんで、誘拐されてんの......先生? しかも支倉とかいう訳分かんねぇ奴に。
 それはいいとして、俺もただ黙ってみているわけではない。こんなこともあろうかと、捜索隊を用意して見せた。俺が誇る全高等学校屈指の秘密部隊である。なんかこう聞くと、悪名高い雰囲気がしていなくもないが、それでも俺には一番信用に値する人物であることに変わりはない。
 そう、その人物とは──

「ダーリーン♡ 第二校舎には先生を見かけた人誰もいなかったって~!」

「ぐふっ! お、おいっ、お前。まだこの校内には残っている生徒もいるんだぞ! 聞かれたらどうする!? 場所を考えろよ、場所を!! そしてこれみよがしに抱きつくな」

 有栖川ありすがわアリス。高等部2年で数少ない俺の幼馴染み。つい先日、デート?の最中に告白をされた。しかし、その返事は未だできないままでいる。

「最近出番少なかったから、かーくん成分を補充しとかないとねっ♪」

「ねっ♪じゃねぇよ! 大体、かーくん成分ってなんだよ? いちいち言動がメタイし、そのぶりぶりした喋り方やめろ! ......かわいいから」

「ひっどーい。ぶりぶりしてないもん!.........え、最後なんて言ったの?」

「っ! ......な、なんでもねぇよ!! わすれろっ!」

「えー、もっかい! ねーおねがいー」と、終始ぶりっ子をやめなかった幼馴染みをやり過ごし、俺はアリスにもう一つの頼み事をしたあとで当てのある場所へと急いだ。

 依然捜索活動中の咲良たちにも招集を呼びかけ、一度全員で落ち合うことに。
 その前に俺はやるべき事をやっておかなければならない。

「......おいオマエ、こんなことをしてタダで済むと思ってるのか?」

「それはこっちのセリフだ、支倉。先生を何処へやったのか目星はついてるんだ。さっさとそのご自慢のPCとやらで洗いざらいよこしな。何せ俺は今までにないくらい怒っているんだ。解除法はその箱に入ってるんだろ?」

「もしそうだとして、キミに教えてやる道理はない。帰りたまえ」

 はあ......これだからこの世界はつまらないんだ。

「いいぜ。そっちがその気なら、俺は悪にでも何にでもなってやる」

 そう言って俺はこの場を後にした。

「わるい、待たせたな」

「いいえ、大丈夫です。それより、なんでまた此処に?」

「そうよ、私達は一刻も早くともちーを探し出さなくちゃいけないの。こんなところで道草を食ってるヒマはないわ」

「そうだな。......だから、この事件に終止符を打とうと思う」

 驚きの声色で顔を見合わせる二人。俺はそんなふたりには目を向けず、かわりに前にある一枚のいかにも頑丈そうなドアを指さす。

「サッカー部の部室の扉......」

 二人はその瞬間、「あっ」と声にならない声が口の隙間から漏れだした。

「もしかして、この中に......?」

 霧崎は何かに怯えるように、それと同じく惹かれるように虚ろな目をしだした。
 胸が押し潰されるような異様な感覚を覚え、背筋を伝う計り知れない寒気も尋常ではなかった。これが悪寒というものなのか、何か良くないことが今まさに起こり得ようとしている、そんな気がしてならない。

 「じゃあ、行くぞ?」

 「はい......」

 震える手を押さえながら、恐る恐るドアノブに手を触れる。ぐるりと旋回し気味のわるいような音を立てドアが少しだけ前に移動するのを確認すると、鍵はかかってないようだ。そのまま徐々に中の様子が露わになり、予想していた現実に俺を含め三人とも目を見張った。
 ──だが、何かが違った。俺達が目を見張った理由は他にある。 予想は一片の悔いなく的中していたのだが、それが意外にも幼かったのだ。──考え方が、ではない。姿形が、だ──

「幼女──?」

 俺の肩から顔をのぞかせていた咲良があからさまに目を細める。
 そこにいたのは勿論、先生......だったはずなのだが、冷たいコンクリでできた地べたに体育座りをしているなんともシュールな絵面の少女だった。
 幼女......というと、誤解を招く恐れがあるので咲良とは違ってここは言うのを慎んでおこう。ロリコンは往々にして紳士なのである。
 幸い、どこにも目立った外傷はなくこっちも安心してよさそうだ。古傷めいたものは見つからなかったが、ところどころに何かきつく締め付けられた痕が見て取れた。ためしに少女の周りを見てみてると、足下には、少女の身体を囲むようにして縄のような紐状のロープが落ちてある。縄......? 縄ってなんだよ? そこで俺は得も言われぬ違和感を覚えた。既視感......と言った方が、正しいんだろうか?
 
 幼女は俺にナイフを突きつけるような鋭い目で睨んできた。あっ、幼女って言っちゃったよ。

「おねえちゃんっ!」

 お姉ちゃん?? 次から次へと俺の知らない新事実が飛び交いすぎて、いよいよ分からなくなってきたぞ?
 霧崎はうなだれるようにしてお姉さんらしきその少女に飛び込む。うーん、体格差的にはどうみても霧崎妹のほうが姉だろ。胸も負けてるし......。などと考えていると、本当の姉からすごい目つきで睨まれた。さっきの比じゃないだろ、それ?

「で、いい加減説明してほしいわね、華恋ちゃん?」

「あ、あ、あ、すみませんっっ! 不覚でした」

 何がだよ? あと、“あ”が多いよ。なんだよ、ツンデレかよ笑

「......えっとですね。話すと長くなるんですけど──」


 霧崎の話によると、今目の前で仏頂づらをしている幼女が霧崎の姉で、幼女はつい先日までこの学校の先生をやっていたりしていたところ事件に巻き込まれ電気工学部とかいう訳分からん部にさらわれた後、サッカー部がいつも使っている部室に拉致監禁されていた。そこを俺たちが見つけ出し幸か不幸か俺たちが探し求めていた人物もこの幼女、と......。ってことは、あれか? 詐欺ですか!? 俺の純情をもてあそんだんですか!? こんな幼気な青年をいたぶって、楽しいんですか?

「なにを馬鹿なことを言っている!?」

 俺が絶望の縁に追いやられていると、どこから持ってきたかわからない新聞紙を丸めた筒状のもので頭頂部を思いっきし叩かれた。いや、エスパーかよ。

「先生こそ、そんな馬鹿げた格好しないでくださいよ。それじゃ、俺がみんなからロリコン認定されちゃいますって」

「ふん。いいじゃないか。レッテルの一つや二つ、もう嫌というほど持っているだろう?」

「そういう問題じゃないですって......つかなんすか、もとから持ってるレッテルって......?」

「女たらし」

「......ハァ!? それは絶対違いますよ! だって、俺モテたことないし」

「......そう思うなら周りを見て見ろ」

「周り?」いわれたとおり周りを見てみると、顔を見当違いな方へとそむけている咲良と、唇を歪ませ下半身辺りからもじもじしている霧崎が目に飛び込んできた。

「妹まで毒牙にかけおってからに。この落とし前きっちりつけてもらうぞ?」

「俺は無実だ! だいたいなんだよっ、妹まで......って。神に誓って、女の子を毒牙にかけておりません! ......ん、落とし前?」

「ふん、もう忘れたのか。これから私をさらった犯人に報復しにいく。お前らもついて来い」




 

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コメント

  • AZAMI

    毎回毎回とても面白いです!
    (今回はアリスが)

    これからもお互い頑張りましょうね♪

    あともし宜しければ僕の作品もよろしくお願いします!

    1
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