俺の人生設計に幼馴染みが居た結果・・・

ノベルバユーザー244497

画策

「で、なんでだっけ──?」

「何がですか?」

「......何でこんなところにいるのか聞いてんだよォッ!!」

「......ひっ!」

「ちょっとあんた、華恋ちゃん泣かしたらタダじゃ置かないわよ」

「はい......」

 捜査開始から約一時間......。
 俺たちはというと、なにもない空虚な教室で長机を挟む形でL字型になって椅子に座っている。
 ただ座っているだけならいい、いや良くない。かれこれ10分は放置プレイである。これが、並のソシャゲなら即ユーザーに呆れられてサービス終了の運びとなるだろう。サービスを開始したはいいもののそれがメンテ続きのクソ仕様なら、もうやる気も失せて他のとこに行く。だが俺達はそうしなかった。
 なぜなら、臭うからだ。いや別に昨日お風呂に入ってないから臭うとか、そういうんじゃないぞ!?
 うっ......盛大に墓穴を掘った気がするが、そんなことは今はどうでもいい。俺達がここに来た理由はただ一つ。残り一つの文化部の正体を洗いざらい完膚なきまでにつきとめて、先生を奪還するためだ。まぁ、ここじゃなかったら俺は自分の首を斬って死にます......。ありがとうお母さん、親父。
 ちなみに一通り文化部は見終わったのだが......ここの文化部ロクなもんじゃねぇな。なんだよ、恋愛研究部って? 破廉恥同好会とかいうのもあったし......。ちがうだろ、破廉恥同好会(笑)だろ? 他にはロリを愛でる会、明日を生きる会、痴漢被害者アットホームな住居......って、もう犯罪の臭いしかしねぇよ! この中でまともなの明日を生きる会だけだよ! いや、やっぱ意味分からん......。
 んでここはその最後。なんつったっけ? たしか......電気工学部って名前か? おお、なんかそれっぽい......! ここに来てようやくちゃんとした部活の名前してる気がする。
 
「待たせたね。さあ、こっちに入って」

 イケメン風吹かしてるにわかイケメンが、おおよそいつも活動してる場所に招き寄せる。

「は、はいっ!」

 おーい華恋ちゃーん、知らない人にそう易々ついて行っちゃいけないって学校の先生方から教わりませんでしたかー? まあ、咲良も一緒だしある程度は大丈夫か。
 今いる教室の廊下側黒板方面の黒いロング丈ののれんをくぐると、こことは違う異様な空間が隣接していた。辺りは黒いカーテンで閉め切られ、明かりは中央に配置されてあるモニターから漏れでる光だけだった。もっと周りを注意深く見てみるとさらに不思議なものがこの空間の床に存在していた。
 ......魔方陣? 付け焼き刃にしては本格的だな......。それもここ数日のものじゃない。一体、誰が何のために......? とここで改めて目の前にいる人物に目を向ける。おそらくは部員だろう。ならたぶん、これを書いたのもコイツってことになる。ますますきな臭くなってきたな......。

「おい、お前。ここは本当に部活動をしている場所なのか? どうも胡散臭い......」

「失礼だね、きみ。場所もなにも、ここはボクたち電気工学部の神聖なる部室だよ」

「けっ。神聖とかいってる時点でお前の黒は確定的なんだよ」

「ちょっと、輝夜! まだこの人が犯人だって決まったわけじゃないでしょ!?」

「黒......? 犯人......?」

「ふむ......」と言って顔をゆがませるにわかイケメン。どうせなら、一生元に戻らなくなるくらい歪んどけ! このイケメン風情がッ!

 空前の童貞発言を心の中でかましていると、横にいる霧崎が手を挙げて話をこう切り出す。

「ところで、お名前を聞いてませんでした」

「あぁ......。私かい? 私の名前は、支倉はせくら亮一郎。君たちの名前はもうしってるから無理に言わなくても良いよ」

「では支倉さん。単刀直入に聞きますが、サッカー部の部室を無断使用してるのはあなたですか?」

「華恋ちゃん......!?」

 咲良は、俺といい、霧崎といい。どうして後先考えず向こう見ずな行動に出るのか......それがたまらなく無粋でどうしようもなく悩ましかったらしい。
 まあ、それはともかく。これでヤツの尻尾をつかめるんだったらなんだってアリだ。

「そうだねぇ......その質問に答えるのも非常に魅力的だが、今はいい。それより──」

 男はニヤついた笑みを浮かべながら、真ん中にある機械に体を向け操作しだす。しばらくして動かしていた手が止まると、こちらに向き直りモニターを手で示して見せた。

「......君たちが探していたのはこの不要品だろ?」

 そこに映っていたのはうちの担任教師、橋倉友代先生だった。

「「先生っ!!」」

 幸いどこにも目立った外傷はなく、身の安全は保証して良さそうだ。

「支倉てめぇ! 友代先生をどこへやった!」

 俺は支倉を突き飛ばす勢いで胸ぐらを掴み持ち上げた。

「さあ......ねっ、わた、し......は、知らないっ。さしあたり......っ! どこかの病院に入院してるんだろ............かはっ!」

 その場は幼なじみの止めが入り、俺は支倉の首を絞め殺さずにすんだ。

「先輩っ、はやく先生を見つけ出しましょう!」

「ああ、そうだな......」

 そのとき俺は自分の無力さに嘆き苦しんだ──。

 





 

「俺の人生設計に幼馴染みが居た結果・・・」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く