俺の人生設計に幼馴染みが居た結果・・・

ノベルバユーザー244497

捜査開始

俺と咲良と霧崎の三人は放課後、生徒の学ぶ教室がある棟から昇降口のある棟へと外通路を使って行き、そこからまた外に出て部室棟のある場所へとピロティを通って向かった。

「で、一体ここに何のようが?」

「えっとですね......ここは運動部員が運動するときにつかう用具類を、出し入れするときに使います。ですから運動部のための施設ということです」

「普通、だな?」

「はわっ! ......はうぅ、す、すいません」

「どうしたっ!?」

「どうしたもこうしたも、華恋ちゃんの話の腰を折るんじゃないのっ!」

両手を前にして持っていた咲良のカバンが俺の尻を殴打し、その衝撃で態勢を崩し前に倒れ込んだ。

「きゃっ!」

「うおっ!?」

バサ───ッ!

「あ......あちゃー」

砂煙が舞い、視界がわるくなる。
だんだんと見えてくるようになると、華恋ちゃんが下敷きになりその上に覆い被さるようにして輝夜の体が重なっていた。

「いてて......て、って? へ?」

「はあぁぁぁあ......っ!」

霧崎は頬を赤らめて、可愛らしく両手で顔を隠し指の隙間から俺の顔をうかがう。

咲良はその光景に身悶えし始め、我慢の限界といわんばかりに大きく息を吸い込んだ。

「いつまでそうしてるのよぉぉおお~~っ!!!!!」

「──はっ! ご、ごめん!」

「あ、えっと......だいじょうぶ......です」

俺は急いで霧崎から離れた。
霧崎はまだ地面にお尻をつけたままだったので、目の前に手を差し出す。

「あ、え......ありがとう、ございます」

さしだした手に女の子のやわらかい感触がつたわる。
そのまま霧崎の手を掴んで持ち上げた。

幼馴染みの咲良がふくれっ面をして睨みつけてくるのはなぜ?

いかんいかんと、当初の目的を思い出した俺は霧崎に話の続きをするよう促した。

「あ、そうでした。それではつづきをお話しますね」


「運動部が使う場所はここ、部室棟だけです。なのにおかしいんですよね......」

「おかしい、って何が?」

「あそこを見てください」

部室棟のいちばん奥。他の部屋の扉となんら変わらない普通のトビラだ。

「運動部がつかう部屋はそれぞれ決まっていて、いちばんおくはサッカー部によるものです。......それが、最近はめっきりその出入りがないんです」

怪訝に思った咲良が、霧崎に追いすがるように訊ねた。

「ん、それってどういうこと?」

サッカー部の部室の前にまで足を運びながら、霧崎の話の続きをきく。

「他の部屋はどれも違う部で埋まっていて、サッカー部も例外なく奥の方に割りあてられているのに部活動が始まる前も終わった後も、部室棟の近くに現れないんですよ」

「たしかにそれはおかしいな。でも、だとしたら何処に......?」

「わからないです......。わからないですけど、この部屋に別のだれかが出たり入ったりしてるところを見たことがある生徒がいるらしいんです」

「別のだれか?」

「誰なの、その人は?」

「すいません......それもわからなくて......」

「あ、ううん! いいの。華恋ちゃんが気にすることじゃないから!」

「本当にすみません......」

それにしても、誰が部屋を使っているというのだろう? 
サッカー部員じゃないとすると......あるいは......

「なあ、もしかするとその誰かってサッカー部にいるんじゃないか......?」

俺の発言にふたりとも動揺した素振りをみせた。

「何でそう思うんですか?」

「いやだって、この件に唯一関与してるのはサッカー部だろ? だったらサッカー部の一員だと考えるのが普通だ。無関係な生徒がうわさをでっちあげることはできても、事実ならサッカー部以外のだれかがこの部屋を使っているなんていう嘘をつく必要なんてないはずだ。それにたぶん、そいつがみたっていう生徒も別にいる。運動部じゃない誰かだ」

「その内容にはいくつかの不備があります! 仮にうわさを流した本人がサッカー部の中の誰かだとして、部室に生徒が侵入するのを許可するでしょうか?」

「しないだろうな。だからだよ」

霧崎はいっそう眉をひそめた。

「サッカー部の連中は自分たちの部室に無断で何者かが侵入しているのを知っていた。それもここ最近。でも誰かとまではわからない。だから部の中から一人派遣して、その動向をうかがっていたのさ」

「監視要員ですか」

「そう。それに、サッカー部に限らず部活に入ってるやつらはこのところ中間試験とやらで忙しいみたいだしな。おまけに、ここは進学校だからそれだけ学業にも専念してるんだろ」

「じゃあ結局、部室に立ち入った生徒って誰なんでしょうか? 運動部じゃないって言ってましたけど。それはどうしてですか?」

「ん? ......あぁ話は簡単さ。さっき霧崎はこの部室棟の部屋ひとつひとつに部がつかう個室が割り当てられてるっていってたよな?」

「は、はい」

「だったらわざわざサッカー部の部室を使わなくてもいいだろ? で、ここからが本題だ」

「「本題......?」」

「考えてみたら俺たちがここに来た意味って、友代先生をさがすためだよな?」

「あ、そうだったわね......」

「犯人捜しに夢中ですっかりわすれてました......」

連れてきた張本人がいうか普通......?

「推測なんだが、先生とこの件って繋がってたりしないか? どうもきな臭いっていうか......タイミングが似すぎているというか......。そう思って霧崎もここまで連れてきてくれたんだろ?」

「はい、そうでした」

「そこで! ──俺たちは今から全ての文化部を片っ端からまわろうと思う!」

「「ええぇぇ~!!」」

「運動部じゃない理由はわかりましたけど、文化部だっていう保証もどこにもないじゃないですかぁ~!」

「いや、あるっ! 部に入っていない生徒の可能性はきわめて薄い。なぜなら俺も含め帰宅部はそんなトコ、絶っっっ対っ入らないからだ! だって授業が終わったらすぐ帰りたいものっ!! そしてなにより帰宅部代表のこの俺が言うんだから心配ないっ!」

「あんたが言うと無駄に説得力あるわね......」

「その生徒を見たサッカー部の方に直接内容を聞けばいいじゃないですかぁ~」

友代先生......どこに行こうが俺が絶対みつけるからな!

俺たち三人は友代先生を見つけ出すついでに、サッカー部の部室に無断で立ち入る謎の生徒の情報を得るため、文化部へと聞き込みを開始するのだった。

「無視ですか、そうですかぁ......」






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