俺の人生設計に幼馴染みが居た結果・・・

ノベルバユーザー244497

不思議な幼馴染みのアリス

転校生がやってきて数日がたった。

この学校にきた当初はクラスメイトたちから軽く質問攻めをされて面食らっていた転校生も、次第に周囲に馴染んでいくのがわかった。

ただ気になるのが──

「ダーリン♡ 何してるの?」

こいつが俺をダーリンと呼ぶようになったことだ。

「あのー、ついこの間まで初対面だったのにどうしてそう親しげに話しかけてるんですか......?」

「初対面ってひどいわ......。私、あれほどダーリンのために尽くしたというのに......!」

有栖川がハンカチを目に当ててわざとらしく床に崩れ落ちた。

「うわ~、香坂くんって一度会った女の子をわすれても全然気にしないひとなんだー?」

「香坂サイテー、マジ氏ね!」

クラスにいた女の子から不穏なワードが飛び交う。その傍で──

「チラッ? チラッチラッ☆」

うん、おかしいよね? その反応? 俺が悪者扱いされてるのわかってやってるよね!?

「あぁもう、だから説明してくれ! 頼むからっ! ......それに、そっちは俺のこと知ってるみたいな口ぶりだったし......」

そう言うと演技派の有栖川はフフン♪と鼻を鳴らして立ち上がった。

「いいわよ? そのかわり、思い出したら私のこともハニー♡ってよんでねっ?」

頼まれても呼ばないからな!?

その後、ここじゃ話しづらいからと俺を教室から連れ出した。

──そして、やってきたのは屋上。衝立ごしに見える風景を眺めながら、隣にいる有栖川がおもむろに口を開けた。

「綺麗ね~!!」

「そうだな......」

本題にはいつ入るのか、そわそわしながらその時をまちわびていたのだが......。

「──さあ、ここで問題です!」

「なんだよ急に!?」

「私とはいつごろ知り合ったでしょーか?」

「はあ!? だからそれを聞きに来たんだろ?」

「じゃあ質問を変えます!」

「問題じゃなかったのかよ......」

「かーくんは私のこときらいですか?」

さっきとは打って変わって真剣な表情できいてきた。それも身長差のせいか、自然と上目遣いになっている。

「き、嫌いじゃねーよ! そもそも俺はお前のこと覚えてないし......」

「でも、嫌いじゃないんだよね?」

「あ、ああ......」

「なら、よかった♪」と、謎に喜ぶ有栖川。

「でもそれはそれなの」

「は?」まるで、有栖川の心が読めない。

言い淀んだ末に予想外の解答が耳朶を打った。

「だって、自力で思い出してほしいの......私のこと」

「それは説明放棄ということで、いいんだな?」

「うん」

よくわからないが、どうやら有栖川は俺に自分から思い出してほしいと言っているみたいだった。
意味はわかるんだが、理由がな......。

有栖川の言動から推察するに、もとより説明責任すら与えられてなかったんだろう。有栖川がこういう性格だったのなら無理もないのかもしれないが。

「じゃ、健闘を祈るわ♪」

有栖川は責務を果たしたように体を翻らせて、理想をおしつけたまま帰っていった。

思い出せ......か。
かつて仲のよかった女の子......。はたして俺の知り合いにあんなかわいい子がいたのだろうか?


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