俺の人生設計に幼馴染みが居た結果・・・

ノベルバユーザー244497

転校生と幼馴染みが修羅場すぎる!?

二度目の入学式からはや1ヶ月が過ぎようとしていたある日のこと

俺はいつものように学校が始まる10分前には席につき、イヤホンを付け読書に耽る
いまでは俺の朝の日課ルーティンになっている

だが、今日の朝はどことなく騒がしかった......。
まるで、これから未知の世界に足を踏み入れるかのように......

「ねぇねぇ、あの噂きいた?」

あの噂とは......?

自分の世界に入っていても、イヤホン越しにクラスメイトの女子の声が耳に入ってくる

「あの噂だよ。この学校に転校生がくるっていう」

転校生? この学校に?

別段、転校生ごときを気にしているわけではないが......

「それにしても、妙だな。この時期に転校生だなんて......」

と、思った途端、朝のチャイムが鳴った

「HRを始めるぞ-! お前ら、席につけ-!!」

「......あ、やば。先生きた!」

話し込んでいた生徒たちはすっかり自分の席に戻り、先生は話し始める(ちなみに女の人)

「──以上だ」

先生は伝えることを伝え終わったのか、クラスから出ようとして廊下地帯に足が入る

「あっ」

......が、そこで気付いたのか生徒たちに向きなおり──

「あぁ、すまない......、言い忘れてたが、ここに転校生が加わることとなった。」

その瞬間、室内で一気に歓声がわき起こる。

というか先生......あんた完全に転校生のことわすれてただろっ!?
“あっ”ってなんだよ、“あっ”って!?

「お前ら、静かにしろ! 転校生がおびえきってるじゃないか」

今のいままで転校生置き去りにしてた人がよく言う......

......とは言え、先生の一言でまたもや一気に周りの熱が冷めた

落ちつくと先生は大きく息を吸い

「......いいぞ、入れ」

「はいっ!」

先生が合図を出すと、か細く、だけど決して弱くはない、女の子らしい声とともに
その生徒は入場してきた。

教壇の横まで行くと、今度は正面を見据え

有栖川ありすがわアリスです! 気楽にアリスって呼んで下さいねっ♪」

と、なんともお嬢さま風な自己紹介の後に場内はさながら動物園のような騒々しさで出迎えた。

「転校生キター!! しかも女の子! めっちゃ可愛い~!!」

「おお~!! まじかっ! まじでかっ!? すっげぇ」

お前にいたっては、「まじ?」と「すげぇ!」しか言ってない気がするんだが......
ってか猿か!? 猿でももうちょいマシな言語話すわっ!

「かわいい~! なにこの子? 超美人さんじゃ~ん!」

「だよねだよねぇ~! お近付きになりたいなぁ......」

にしても、まさか転校生が女の子だったとは......

......いや、違うぞ? 俺も一般男子高校生の端くれだからといって、別にやらしい気持ちでいるんじゃないからな? あくまでも健全だ。紳士だ。

と、そんな冗談のような、半分本当のようなことを思っていると、後ろからものすんごい剣幕で睨まれている気がして振り向いてみると......、案の定、と言った方が正しいんだろうか? 俺の幼馴染みの咲良が隅から俺の方を凝視しているのがうかがえた。殺す気か......? 目だけで。

「見なかったことにしよう......」

何事もなかったかのように平然と、例の転校生の方を仰ぎ見る。

「......」

自己紹介が終わったんだろう。転校生は口を噤んだまま、辺りをキョロキョロと見回している。

「で、なんだが有栖川にはそこの空いてる席に座って──」と、先生が言いかけた途端、

転校生の言葉がそれを遮った。

「あ、いた! 私、あの子のとなりが良いです! ......ダメ、ですか?」

ずっきゅーん! ......今の発言は不確定多数の男子、女子ともに抜群の効果があったようだった。
その証拠に、クラスの3分の2が既に息絶えている......。

(なんていう破壊力なんだ......)

その反則的な可愛さに屈っしてしまいそうになるところで、彼女が俺に向かって指を指していることに気がついた。

「......えっ、俺?」

そうして、ずかずかと俺の方へ歩み寄ってくる転校生。

周囲の(主に男子の)好奇と呪詛的な何かが入り交じった視線がこわい......っ!

まじで何なんだよ......。

事なかれ主義の俺にとっては、できることなら面倒事には首を突っ込みたくないんだがな......。

そう心の中でぼやき、不条理な現実に呆れていると......。

「となりの席、空いてる? 空いてるわよね?」

転校生が不意に言葉を発した。だが、

その強迫ともとれる彼女の言葉は、俺ではなく、となりの席に座っている男子にむけてのものだった。

「......あ、はい」今どきます、ととても小さな声で言って、男子はその場を離れた。

そして、例のごとく俺の横に座ると......?

「久しぶり、また会えてうれしい」

「......は?」

今初めてあったというのに、“久しぶり”ってどういう意味なんだろう?
それに、“また会えてうれしい”って......。

いつになく俺が思考していると、怪訝に思った咲良がしびれを切らして間にはいってきた。

「輝夜、誰なのよこの人はっ!? 輝夜の知り合い? それとも親戚? ......この際どうだっていいわ......。輝夜、しってたなら先に話してくれたって良いじゃないっ! 私達、幼馴染みでしょ......?」

なにを怒っているんだ、こいつは?

理不尽に幼馴染みに怒られているため、俺は必死に弁解する。

「俺だって、しらねぇよ! 転校生がこの学校に転入してくるなんて微塵も聞いてなかったしなっ!」

「でも......!」

と、そこで横やりを入れてきた同級生に腹が立ったのか、有栖川?が咲良に激情する。

「あなたこそ、どなたなの? 私と輝夜くんの邪魔をしないでいただけるかしら?」

有栖川は怒っているようにみえない。むしろ冷静だ。だけど、冷静に怒っているようにも思えない。

いったい何者なんだ......?

「私はっ! ......輝夜と小学校のときから一緒だったもんっ!」

「それが?」

「だから......いくら貴方が輝夜と面識があるからって......私といた時間は貴方に負けっこないっ!」

一体なにを言い出すんだ、咲良は?

その挑発にも満たない咲良の言い分に、有栖川は乗っかる。

「私だって輝夜くんといた時間なら誰にも負けないわっ」

「ぐぬぬ......」と有栖川の猛攻に打ち拉がれそうになる咲良。

そうはいかないと攻めに転じる。

「何と言われようと、私の方が多いのっ! じゃあ訊くけどっ、有栖釜(がま)さんが輝夜と一緒にいた時間は?」

早速、名前間違ってるし......。覚える気無いだろ......絶対。

「私は、かー......じゃなかった! ......輝夜くんとは幼稚園からの付き合いよっ! ......それと、有栖“釜”じゃなくて有栖“川”ね? ちゃんと人の名前おぼえなさいよっ!?」

「知らないわよ! 有栖釜だろうが有栖川だろうがっ! ......って、うそ、幼稚園から!?」

そんな顔で睨まれても困る。俺だって初耳だぞ......。

「おいっ、お前ら! 早く席につけ! 一時間目の準備だ」

先生の一喝によってこの場の事態は収まった。

もしあのままやってても収拾がついていなかっただろうしな......。

はぁ、先行きが不安だぜ......。

暗澹たる思いを馳せながら、俺は一時間目の授業を受けるのだった。

「かーくん♪ これから、よろしくね♡」




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