恋愛委員会!

紫 ヤタガラス

052

「葵さん。確かに男性と協力すれば付き合っている2人を調査するのは楽かもしれないけどなんで兄、丸山先輩なの?」


 雅は和美に聞く。雅は太が兄だとバレたくない思いでいたが自己紹介の一件でもうすでに恋愛委員会内では太が雅の兄だと普通にバレている。


「なんでって、逆に私は太先輩以外の委員会の男は嫌だし」


「なんで丸山先輩なの?あんなダメなやつのどこがいいの?」


「丸山さん。太先輩が兄貴なのはみんなにもうバレてるから別に隠そうとしなくてもいいんだよ。後理由はね一目惚れだよ」


 え、え、えぇぇぇぇぇぇぇ!


 またもや雅は思う。
 周りの奴らも思う、あんな気色悪くて自意識過剰の塊で体型もあんなデブのやつのどこがいいんだと。


「そんなみなさん揃って驚きの顔しなくてもいいじゃないですかぁ。逆になんで太先輩がダメなんですか〜。理由を教えてくださいよ」


「それはなんとも言えないが」


 拳子は和美に何も言えないでいたが間に雅が入る。


「いいでしょう。私が兄貴の気持ち悪さを包み隠さず教えてあげましょう」


 「まぁ妹が言うしそれなら私は納得はするけど諦めたりは多分しないと思うよ?丸山 雅ちゃん?」


「いんや。多分これを聞くと引くね。じゃ行くよ!」


 雅は1度呼吸を落ち着けてから太の悪いところを口にしだす。


「まずは重度のシスコン。別にシスコンはいいけど学園でも外でもとりあえず体に抱きついて来ようとする。これが1つ目。次にあのきもい体型。痩せて欲しいのにいずれ分かる人が現れるとか言って全く痩せる気は無いし」


「それは理解者が現れたんだから仕方ないよね」


 和美は雅が話している間にいい、理解者が現れてしまったことについて悔やむ。


「葵さんみたいな変わり種がいるとは思わなかったよ」


「ふっ。私はこんな顔してるからすぐ告白されたりするんだけどそういう男はみんな軽薄だと分かるからふっているんだよ。しかし太先輩みたいな人は違う」


「なんで兄貴が違うとわかるんだよ。兄貴だって軽薄かもしれないんだぞ」


 たとえで雅は言う。兄妹の雅は太はビビリだが軽薄な男とは思っていない。むしろ妹思いのいい兄貴だと本気で思っている。重度のシスコンがなければ。


「なんだろうね。入学式の日、玄関で倒れ込んでいる先輩を見て、こうビビッと来たんだよ。わたしにはこの人しかいないって。だから頼む!今回の調査、わたしと先輩に任せてくれませんか?」


 和美は拳子に言う。


「私はこの2人なら構わないが、丸山妹、お前はいいのか?」


 雅に聞く。雅は右手の拳を握りしめながら


「今回だけだぞ。兄貴をいじめたりすれば私は許さないからな!」


 雅は和美に言い、和美は喜んでいた。


「ありがとう!じゃ私職員室に行って豊臣先生に申請して来るね!」


 和美は職員室へと向かった。



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