恋愛委員会!

紫 ヤタガラス

051

男子が屋上で話している時、恋愛委員会女子は一階の多目的ホールに集まり話し合う。


「で?何かいい情報は聞けた?」


 拳子は雅に聞く。
 しかし雅は何も言えずにいた。確かに言えるはずがない情報を聞き出すどころかほぼ喧嘩をうっていただけだと。口が裂けても言いたくはなかった。
 だが報告はしなければならないので敢えて一言で


「す、すみません。何も情報を得られませんでした。付き合った経緯、どういったところが好きになり付き合ったといったことは全く聞けずに戻ってきました。すみません!」


 申し訳なさすぎて、その場に集まっている4人に土下座する。
 アルトは雅の土下座にびっくりして、気絶する。


「ちょ!やめなって。漫さん!小平さんが気絶したから介抱してあげて!」


「ほいほーい」と祭子はアルトのもとまでよって身体を揺さぶる。


「あーちゃん。あーちゃん!起きてぇー」


 ガタガタ!ガタガタ!


 揺さぶるが全く起きる気配がないアルト。


「仕方ない。気絶してしまったものは仕方ないし、しばらく安静にさせておこう。漫さん、そのまま介抱をお願い、ただ身体は揺さぶらずにおいて」


「ほいほーい」とまた反応し祭子は揺さぶるのをやめて、腰を下ろし、アルトの頭を膝に乗せて膝枕をさせてあげた。


「お前、そいつ一応男だぞ?」


 雅は祭子に言う。祭子は


「別に大丈夫でしょ。あーちゃんにそんな度胸あるわけないじゃん。丸山の土下座で気絶するくらいなんだからこれくらいで反応したりしないでしょ」


「漫って意外と緩いんだな」


「え?何が」


 雅は祭子に言うが、祭子は雅の緩いといった意味がどういう意味かわからないのでキョトンとした顔をしていた。
 雅はそれを見て、祭子はピュアなんだなと思い、もう貞操概念についていうのはやめた。


「さて話がだいぶそれたがつぎはどうする?」


 拳子は祭子、雅、和美に聞く。
 雅が挙手し、意見を言う。


「私は今度は鬼島先輩が万田に直接聞きに行くのを提案します」


「私が?別に構わないが。他には?」


 拳子は言うと次に和美が挙手する。


「葵さんからか。でどんな案かな?」


「はい。私は男子の丸山 太先輩と一緒に万田と阿村を調査することを進言します」


・・・はぁぁぁぁぁぁぁ?


 雅は思わず心でそう思うがその前に拳子は言う。


「待って葵さん。先生から言われたでしょ?女子は万田を、男子は阿村をと」


「確かに言われましたが、豊臣先生に進言すればいいだけですよ。私と太先輩で調査したいと」


 何いってるんだこいつと思いながら雅は隣で聞いていた。

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