恋愛委員会!

紫 ヤタガラス

050

「なるほど。古川君の言うことには一理あるがしかし、万田は女子の担当。それについてはどうしよう剛」


 剛からあらかたの事情を聞いた多羅は時夫の意見はいいと言うが、問題が1つある。それは万田が女子の管轄だということ。


「それはそうだが、今だけはともに両方を調べられる休戦協定でも出すか?」


「それは私はいいけど剛が鬼島と揉めるだろ?」


 たしかに休戦協定は多分他のものなら問題ない。だが、剛は毎回拳子と衝突している。


「牧月先輩、少しいいですか?僕にいい案があります」


「なんだ?言ってみろ」


 剛と多羅が話している間に入って時夫は言う。


「この委員会には仲のいい男と女がいます。その2人に一度任せてみたらどうですか?」


 時夫は言い、多羅は考え込む。


「まぁ、全員で行くよりかはいいかもしれないな。で、その男と女は?」


「こっちは丸山 太を、そしてあちらは1年生の葵 和美をと私は考えています」


「ほう。何故その2人を?丸山は特に女に相手にされなさそうな奴だが?見た目的に」


 多羅は太のことを考えながら言う。自己紹介の時は世迷言を言うは先生には気持ち悪いことを言うわのあいつが女、ましてやあの白髪美人の和美に惹かれているわけがないと思っていた。
 普通の人はたしかに多羅と同じようなことを思うだろう。
 しかし、時夫は前の和美と太の会話を聞いて和美が太を好きでいるのがわかっていた。


「確かに太は、丸山はかっこよくはありません。ですがいい奴なんです。見てる奴はきっと彼のことを理解する。それで葵はわかりませんが何故か丸山に惚れている。私は前に話した時にそう確信しました」


「そうなのか。私たちはまるで見る目がない奴だと言われているがあまり気にせずに行こうか。とりあえず本人が戻ってきたら話してみるか」


 多羅がそう言った頃にちょうど屋上に入る扉が開く。


「あ〜。トイレスッキリした。いや出すもん出したらやっぱりスッキリするね」


「お、丸山いいところに戻ってきたな。お前に話がある」


「え?話?」


 なんだろう?まさかやっと俺の良さに委員会の奴ら気づいて俺の意見を聞こうってか?仕方ねぇな〜。


 そう思いながら太は多羅と時夫のもとまでいくと次のたらのセリフに太は愕然とする。


「葵 和美と一緒に万田と阿村について調べてくれないか?」


「え?」


 えぇぇぇぇぇぇぇ!


 太が心の中で思っていた言葉が先に口に出ていた。

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