恋愛委員会!

紫 ヤタガラス

044

「全く、この一年のせいで結構話がそれたが本題に入るぞ。今回集まってもらったのはほかでもない。委員会の仕事の調査について、各々どうしたらいいか意見を出してくれ」


 剛は周りにいる3人に言う。太が先に意見を出す。


「ではこのパーフェクトヒューマンと呼ばれるこの私が呼べばきっと調査対象はすぐに色々教えてくれるさ」


 太がそういうと剛は


「なんだお前調査対象のやつと仲がいいのか?」


 と太に聞く。


 ふっ。愚問だな。この俺にかかれば暴力以外で怖いものなどないからな。


「話し合いなら俺に任せな」


「だから仲いいのかって聞いてんだよ」


 剛は自分が無視されたと思い、もう一度太に聞く。太は2回目の剛の言い方が怖く。びびってしまい


「すいません。仲良くなんてありません」


 と真顔で答える。


「ならば却下だ。お前は自慢しかしなさそうだし話し合いにはならないと思う。もし行かせるとしてももう1人のやつだよ。あいつは人付き合いがうまそうだからな。あいつの方が適している」


「そうですか。わかりました、ならば仕方ありませんね」


 と太は納得する。ほんとは納得したくはないがまた起こられでもして暴力を振るわれるぐらいなら後のことを考えて剛の言葉に返事をする。


「おい、そこの1年、お前はどうだ?」


 剛は成尾に言うと、成尾は


「これは多羅先輩からの指示ですか?意見を出せという」


「いや、これは俺の指示だ、なんだ嫌なのか?」


「先輩が意見を出したら私も出します。それまでリーダーづらしている馬鹿は私に喋りかけないでくれ」


そう言って成尾は黙る。剛は今の発言でかなり頭にきていたが、自分にこらえろこらえろと言い聞かせてなんとか耐えた。


「なら多羅何か案はないか?」


 剛に聞かれた多羅はう〜んと少し首を傾げながら考え、意見がまとまったのか思いついた案を言う。


「まぁやっぱり最初の意見が妥当じゃないか?ただ人選は俺たちが決めた方がいいがな」


 と言って最初の太の案を押す。


「まぁやはりシンプルかつそれがいいか。問題は誰に行かせるかだな。誰がいいと思う多羅?」


 と剛が言った後に黙って聞いていた成尾が口を開く


「人選なんて考えなくてもここにいるじゃないですか。リーダーぶってるあの三年生がきいてきてくれるだろうよ。な?先輩」


「けっ!こういう時だけ俺を先輩扱いするのか。いいだろう、やってやんよ。しかし1人だと不安だから多羅もついてきてくれるか?」


 「もちろんです!」と多羅は言う


「全く、多羅先輩を巻き込むなよ。仕方ねぇ報告待ってるよ。それじゃ私は先に帰る」


 と成尾は立ち上がると教室に戻ろうとする。


「まて1年。放課後にまた集まれよ今日の報告会議をするからな。絶対に来いよ」


 そう剛が言うと、成尾は何も言わずに屋上から去っていった。

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