恋愛委員会!

紫 ヤタガラス

019

 昼までを恐怖で怯えながら授業を受けていた太は授業内容が全く入ってない状態で、気づけばもう昼だった。


「おい!おい!大丈夫か太!俺が誰だかわかるか?」


 うー、なんか見たことある顔。この安定の幼地味顔は!


「このふくよかな俺に対してやきもちをやいている時夫君?」


「ふくよかさにはやいてねえよ!しかしよかった平常運転で、授業中お前のこと見てると心ここに在らずみたいな感じだったからな」


 え?俺のことずっと見てた?時夫、まさか彼女ができないからって、


「すまない時夫。このふくよかさに惚れたのはわかるが、俺はノーマルなんだ。特殊側には行けないよ」


「人が心配してやってるのに失礼なやつだな。俺もノーマルだから安心しろ。いくら彼女ができんからといって男にはしったりはせん。後、お前と違って俺は付き合おうと思えば誰とでも付き合えるから」


 ぐぬぬぬぬ。まぁいいさ。その余裕も今だけさ。何故なら・・・


「とりあえず学園長室に行くぞ。もう昼飯食ったろ?」


 ・・・・?昼飯?まだ食べてないけど・・・


「お前まさかまだ食べていないのか?もう昼休み後時間的に言えば半分しかないぞ」


 太は慌てて時計を見る。すると後30分ほどしかなかった。ちなみに昼休みは皆一時間与えられ、基本的には30分で昼飯を食べ、残りの30分で自由時間、委員会作業といった感じである。


「・・・どうしよう。まだ一口も食べてない。」


「太、お前まさか30分も呆然としてたのかよ!仕方ない、出来るだけ早く委員会終わるよう頼んで見るから今から急いで学園長室にいって要件を済ませるぞ!」


 時夫はそう言って、太の腕をつかみ連れて行こうとしたが、


「お、重いぃぃぃぃぃ」


 と呟いていた。それを聞くと太は


「し、失礼な。俺はふくよかで人よりお腹がでかくて重く思えるかもしれないが、俺は軽いふくよかな男だぜ!」


 太は親指をぐっと立てる。時夫は呆れていたが


「た、頼むからちょっとでいいから、自分を見つめ直してくれぇぇ」


 と太に言う。太は


「何を言う。私はマイシスターに恥をかかせぬよう、自分に自信のある体型を維持しているんだぞ。時夫もわかってるだろ?」


「まぁもう言っても聞かないのはわかっているけど」


 時夫が太と話していると、そこに


「2人ともいつまで遊んでいるのかな〜。早く行かないと委員会遅刻しちゃうぞ☆」


 普段言わないような言動で鬼島は太と時夫に言う。そしてこの言葉で今の拳子の気持ちを感じ取った。


 い、急がないと、絶対、殴られる。怖い・・・


「鬼島さん。俺はいける準備できてるよ。だけど太が」


「鬼島さん。早くいって早くすませましょう」


 時夫が言い訳をしている間に、太は拳子に近づき言う。


「じゃ、準備できたなら3人で向かおうか」


 こうして3人は学園長室に向かった。

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