恋愛委員会!

紫 ヤタガラス

017

 朝のいざこざがあり、不良は拳子に連れていかれ、太はふつうに何事もなかったかのように登校した。


 後から待っているのは説教か。最悪だ・・・
 そう太が考えていると下駄箱で内ばきを取り出しているときに誰かに肩を叩かれる。


「よう太!そんなしょぼくれた背中してどうした?誰かに殴られそうになったのか?」


 まるで今までのことを見ていたかのように肩を叩いた親友、時夫は言う。


「・・・見ていたなら言う必要ないだろう。」


「まぁまぁ。しかし鬼島さんはいつも通りだがお前をかばってくれた人もう一人いたよな。あの人は誰だ?遠くから見てもすごいべっぴんさんだったな」


 よくわかるな?本当に遠くで見てたのかよ?


「あの子は新入生の・・・」


「どうも!新入生の葵 和美と言います!先輩のお友達ですか?」


 下駄箱で話していると和美が廊下から二年生側の下駄箱があるところに現れる。


「お、おう。俺は太の親友の古河 時夫だ。よろしく。しかし君えらい美人だね。恋人はいるの?」


 軽い冗談で時夫は和美に聞く。
 ふっ。その子に好きな子はいないよ。その子昨日俺に告白したばかりだからね。
 そう何故か太が余裕ぶっていると


「いますよ恋人」


「・・・へっ?」


 何故か太は驚いて手に持っていた内ばきを地面に落とす。
 そうかこの子あの時はあんなこと言ってたけど本当は取っ替え引っ替えで付き合ってくれるなら誰でもいいんだな。
 と太は思っていると、和美が


「私は太先輩という。恋人がいますよ」


 「・・・へっ?」


 今度は時夫と太で二人とも驚いていた。






 その頃、学園裏に行った拳子たちは殴り合いをしていた。
 それも一方的な。


「はぁはぁてめぇバケモンかよ。こんなに喧嘩が強え女見たことないよ」


 有山は拳子にボコボコにされ、有山の手下もボコボコにされて倒れ込んでいた。


「女性に対して喧嘩が強いとか言うもんじゃないよ。私はただ正しくあるためにこの力を身につけたのだからね」


「頭はってた俺がこのまま一発も殴れずには終われねぇな!」


 そう言って有山は殴りかかるが、避けられ、腹パンをかまされてしまう。


「うっ・・・畜生」


「これに懲りたら喧嘩なんてやめることだな。では朝のHRに間に合わなくなるので失礼する」


「ま、待ってくれ。あんたの名前を聞かせてくれ!」


 有山は気絶しそうだったが拳子の名前を知りたくて言う。


「先輩にその口の聞き方はなんだ全く。2ー6の鬼島 拳子だ」


 拳子はそういうと学園裏から去って行き、有山は意識が朦朧としながら思う。


「拳子さんか・・・いい名前だな」


 そこで完全に意識は途切れ有山は気絶した。
 後に職員たちによって発見され、有山と手下たちは午前中、保健室のベッドで過ごしたという。



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