恋愛委員会!

紫 ヤタガラス

016

「き、鬼島さん?お、俺に何か用でも?」


 俺悪いことしてないぞ!本当だぞ!


「いや、今日の昼に学園長が恋愛委員会は学園長室にまた集まれだってさ。それだけよ。じゃまた後で」


 ふぅ〜。良かった殴られるかと思ったなんせ俺は学園に持って来てはいけないものを持って来ている。そう、アニメの雑誌だ。これを見られれば殴られてしまうかもしれない。さ、さっさと学園に入ろう。


「鬼島さんこそ、また後で」


 その時、太は誰かと運悪くぶつかり、鞄の中身が床にぶちまけられる。


「前見て歩けこのデブ!」


 ぶつかって来た人は太に謝りもせずに言う。


「す、すみません!い、以後気をつけます!」


 ぶつかって来たのはそっちのくせに!こっちも謝ったんだからそっちも謝れよ!
 太は思わずぶつかって来た不良のような生徒を睨みつけてしまった。
 不良はイラついたのか、太の胸ぐらを掴み、


「おう、このデブ。なんかあるってんなら話そうじゃないか。今から学園の裏にでも行こうぜ。ほらお前らぶちまけられた荷物拾ってやれよ」


 そう不良が言うと、一緒にいた不良の子分的なやつが太のぶちまけられた荷物を集めようとする。拳子が口を出そうとした時、不良の背後に誰か現れ


「ねぇ頭の悪そうなお兄さん?私の太先輩に何してるの?」


「!な、なんだこのアマ!」


 一旦不良は距離を置く、背後に現れた女性は葵 和美だった。


「ねぇ聞いてるじゃないですか〜。私の太先輩に何しようとしたか聞いているじゃないですか〜。教えてくださいよ、ねぇ」


 まるで追い込むかのように和美は不良に聞くが、不良は


「けっ。俺はそんな脅迫みたいな真似には屈しね。しかしよく見ればいい顔してんじゃねえか。いい髪の色もしてるしよ」


 不良はそう言って和美の髪を触ろうとした。すると和美はその不良の手を弾き、不良に言う。


「私に触れていいのは太先輩と私が認めた人だけ。あなたはダメ。絶対ダメ」


「言わせておけばこのアマ!」


 不良が手を上げようとした時、その間に拳子が入り。


「喧嘩がしたいのなら私が教育してやろう。その風貌、新入生か?」


「そうだよ。昨日入学した有山 奈雨だ。これでもこの米田タウンの中学、アルマ学校で頭やってたんだ。女になんか舐められるかよ。」


「それは教育しがいがありそうだ。すまない後のことは任せるよ」


 場にいた風紀員に後を任せて、拳子は有山とどこかへ行く、子分と一緒に。
 その前に拳子は太に言う。


「君にもまた後で話すことが出来た。覚悟して置くように。」


 ば、バレていたか・・・
 床に荷物をぶちまけた時、不良の絡みで忘れているかと思っていたがどうやら持って来ていた、アニメの雑誌を見られたっぽい。


「今日はなんて日だ」


 空を見ながら太は一人つぶやいていた。

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