恋愛委員会!

紫 ヤタガラス

004

「はぁはぁ。そろそろ教室に行かなきゃ。」


 階段をゆっくり登りながら太は自分の教室へと向かう。


「はぁはぁ、教室が遠いよー。」


 恋尾学園は1学年につき6クラスあり、一から手前で6が一番奥に分かれている。階段は1つしかなく、手前のクラスは1。太のクラスは6である。


「はぁはぁ」


 クソォォ。遠すぎるよ〜。教師の嫌味さを感じるよぅ。なんで階段を一番端っこにして2ー1からなんだよ畜生!俺を痩せさせようってか!俺これ以上痩せるとヤバくなっちゃうぜ!


 1人なにかを思っていた。太だが去年の太は・・・


「いや〜1一1とか近くていいわ〜。マジ楽だわ〜。最高だね。1ー6の人頑張れ〜」


 とか太は思っていたが、自分が6番めのクラスになれば言いたい放題である。


「はぁはぁ。もう少しでつくぅ。」


 もう少しで2ー6に到着するときに、廊下にクラスの人であろう方たちが出てくる。
 そこには時夫もいて、時夫は太を見て


「やっときたのかよ。もう朝礼終わったぜ。今から入学式だよ。ほら、早く荷物置いて列に並ぼうぜ!」


「う、うん」


 鬼畜か貴様ら!俺はまだ着いたばかりだぞ!いたわれよぅ。


「なんかいたわれよみたいな顔してるけど、自業自得だぞ。さぁ後は荷物を自分の机の上に置くだけだ。早くしてこいよ。親友」


 くぅ〜。そこまで言われちゃ早くしたくなっちゃう。


「なぁ古河?お前あの今遅れてきたデブと仲良いのか?」


 太が教室に入ると、クラスのやつが時夫に聞く。


 なんかよく聞き覚えの単語が聞こえたが、きっと俺じゃないから気にしないでおこうと。さて早くしないとな。


 太は周りからデブと言われても全く自覚がないのでデブとかいう単語が出ても自分ではないと思っていた。


「デブ?あぁ太のこと?あいついいやつだからさデブと言うのはやめてくれよ。まぁ実際太っとるかもしれないけど口にしないでやってくれ。一気にするかわからないし、もしも今気になって落ち込まれて不登校になったらひどいしさ。デブとかいうのはやめようぜ。」


 流石は親友。よく俺のことわかってるぅ。まぁデブなんて認める日が来るとは思わないけどね。俺本当に太ってないから。なんどもいうけどほんとだよ。太ってないよ!


 少し遅かったのか教室に顔を出して、時夫が


「早くしろよ太〜。入学式まで遅刻しちまうぞ〜。」


 と時夫が冷やかしたように言うと、太は今までの動きが嘘だったかのように俊敏に動き、


「配置につきました!時夫殿!」


 と皆が並んでいる列に並び何故か敬礼していた。


「おっ、おう。それじゃ列の隊列を整えるよ〜。」


 1番前の人がそう言って、言われた通りに列を整えて、入学式の会場である体育館に向かった。

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