異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

実里と帝国女王 3

 実里とガイは門番を気絶させて、城の中へと進む。


「さてと、城の中に入ったはいいがカルナクはどこらへんだろうな・・・」


 実里は廊下を歩きながらあたりを見回す。
 カルナクに関する手がかりがあるかもしれないのでひたすらに見回し、警戒をガイに任せる。


「しかし不自然だな。門番が倒されたな普通の城なら兵士が何事かともう騒いでいるはずだ。なのにこの誰もいないような静けさ・・・おかしい」


 ガイは誰もいないことにきみ悪がり、実里も思う。


(おかしい。これが本当に城なのか?普通の城なら警報などがなるはずだ。なのになぜならない、それに誰も私たちを襲ってこない。一体なんなんだこれは)


 実里とガイがきみ悪がりながらも城の中を歩いていると、地面に倒れている人が1人いた。


「おい、あそこに誰か倒れているぞ!」


 ガイは倒れている人を見て実里に報告し、実里と共に倒れている人に駆け寄る。
 そして、近づいた時、ガイは一度実里の肩に手をおく。


「何よガイ。あんたが倒れている人がいるって言うから見に来たのにこのタイミングで止めるの?」


「今更になって冷静になればこんな人が1人もいないのに対して、廊下で1人だけ倒れてるなんて罠じゃないか?こんなの私でもわかるぞ?」


「わからないじゃない。人が1人もいないからこそ逆に1人で倒れているのかもしれないじゃない」


 実里はガイに言うと、ガイの言葉を無視して倒れている人の肩を叩く。


「おい、あなた!大丈夫?」


 ポンポンと肩を叩き、少し大きめの声で城内に響かないくらいの声で倒れている人に言うが、倒れている人はピクリとも動かない。


「待って、心臓は動いているわよね?」


 実里は倒れている人の背中に顔を当て心臓の音を聞く。
 ドクン!ドックン!


「生きてるわよね。ならちょっと強めに」


 バンッ!っと実里は倒れている人背中を叩くと倒れている人はピクピク震えだす。


「お、震えてるってことは意識が戻ったのか?」


 ガイは倒れている人の顔を見ると、倒れていた人は少し涙目で


「い、痛い」


 ガイに言い、ガイは


「やりすぎたんじゃないか?この人涙目だぞ?」


 実里に言うと、仕方ないじゃないと実里は返し、とりあえず倒れていた人を座らせる。


「で貴方は何故こんなところで倒れていたの?あと名前は?」


「な、前は、弓道、寺オミ、コ。倒れて、いたのは、疲れ、たから」


 弓道寺オミコと聞いて実里はどこかで聞いた名前だなと思う。


「弓道寺オミコ?・・・。もしかして弓道寺健吾って人知ってる?」


 実里が聞くと、オミコは


「ケンちゃんは、私の、旦那、だよ」


 実里はその事実に驚き、ガイは弓道寺健吾の名前を聞いて誰だっけと思っていた。

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