異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

弓道寺オミコとカルナク

「あ、あんたが弓道寺オミコなら、弓道寺健吾を知っているか?」


 オミコは顔を上下にふり、コクコク頷く。


「健、ちゃん、は、わた、しの、旦、那」


「やはりそうか。弓道寺健吾は今はな、レジスタンスのリーダーをしている。リーダーは何かを探していると聞いていたがまさか嫁さんとはな」


 オミコはカルナクに必死に飛びつこうとする。


「健、ちゃん、も、こっちの、せ、かいに、きてい、るの?」


「ああ。いるよ。レジスタンスのリーダーやってるよ。私もそこに所属している」


「あな、たに、ついて、いけば、わた、しは、健、ちゃんに」


「ああ。会えるし、いや、会わせてみせる。あんたはもしも戦力外だろうと私が必ずあなたをリーダーに会わせる。必ずだ」


 カルナクはオミコの手にかかっている錠を隠し持っていた武器で破壊する。
 パキンッ!


「こ、れで、やっ、と、健、ちゃんに」


「あんたはなんでこの世界に飛ばされたんだ?」


「わ、わから、ない。家で、は、私は、専業、主婦、をして、いた。そして、地面が、急に、光り出して、気づいたら、この城、の中にいた」


「その専業主婦とやらは知らないが、この世界に来てすぐに捕まったのか?」


「うん。急、に、鎧?のよう、な、ものきた、人、たちに、捕まった」


「そうか。それですぐに牢屋にぶち込まれたのか?」


「ううん。私、最初、偉い人?達がたく、さんいると、こにつ、れていか、れた。それで言われ、た」


「なんて言われたんだ?」


 カルナクは興味がありオミコに聞く。これでオミコが詳しくダーランマ達のやることについて知っていればガイアラン皇国に帰った時、対策を練られるからである。


「言われた、のは」


「言われたのは?」


「“お前ではない”と、いわれ、た」


 カルナクはやはりそう簡単には行かぬかと思いながら、次の行動に移るために、オミコを背中におぶる。


「あ、りがと、う」


「これくらいいいさ。ところで聞きたいんだが、あんたは異能力は使えるのか?」


「わ、たし?異能力?わ、からな、い」


 オミコが異能力を知らないことに驚くカルナクだが、外の世界に出てないから仕方ないと思い、牢屋のある部屋から2人で脱出し、アワルディア城の廊下に出る。


「さて私の目的はもう果たされているが、そのお方を護衛しているやつの目的が果たされずそのお方を皇国に連れて行くにはそいつがどこにいるかを調べなきわよ行けない。でもあなたが危険な状況、もしくは私がやばくなった時あなただけでも必ず逃してみせるから」


 カルナクはおぶっているオミコにいい、オミコは後ろで頷く。
 2人は城の探索を始めた。

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