異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

皇国に攻め入るもの

「すまない!アスレ、もしもこいつが死んだら俺を恨むといい」


 弓道寺はそう言って、義足のギアを上げ始める。


「ギア1のトップ火力で行くぞ!義足よ。持ってくれよ!・・・10倍だぁぁぁぁぁ!」


 義足で思い切りテイクを反対方向へと蹴り飛ばし、テイクは皇国側から反対側の方にいた、ダークルン、ガスタ、ダーラスのもとに倒れていく。


「リーダー!危ねぇ!」


 アスレがそう言っている間に覚醒していたタルムが既にガスタ、ダークルン、ダーラスのもとまでたどり着き3人を被害が出ないところにまで体を投げ飛ばす。


「うぉ!」


「キャン!」


「タ、タルム!」


 ダークルン、ダーラスは軽く悲鳴をあげ、ガスタはタルムに手を伸ばす。


「あっしは大丈夫だからリーダー。気にするなよ。すぐにそこに行くから」


 タルムも瞬時に移動し気づけばガスタの隣にいた。


「流石は超人。人並み外れた行動をやすやすと」


「まぁそうあっしを褒めないでほしいですよー」


 タルムは自分の頭を掻いて照れていた。






 映像の魔法でテイクが倒れるところまで見たアワルディア帝国の者たちは行動を起こそうとしていた。


「そろそろ送りどきですね。今アルダスは彼が足止めしているはずですから今はダーラスたちだけ。彼らを倒せば皇国は陥落したも同然ですカスマ様」


 ダーランマはカスマに言う。


「そうか。ではそろそろ我らをあそこに飛ばしてはくれないか。軽く揉んでおとしてきてやるよ。まぁこんな卑怯なやり方私は好きではないがな」


「まぁまぁ。さぁ送りますからカスマ様、バウラム、テムルナ。このゲートを通って奴らを倒してきて。テムルナ。カスマ様の事、くれぐれも頼むぞ」


「ああ。俺が心配するよりカスマ様に心配など不要だと思うが」


 テムルナが軽い皮肉を言うと、ダーランマは軽く聞いたふりをした後にゲートの魔法でガイアラン皇国前にまでつなげる。
 ゲートを通ってカスマ、バウラム、テムルナはダーランマたちの前から消えていった。






 カスマたちが攻めてくることを知らずに休んでいたダーラスたちは・・・


「さてと、休んだらそいつも病院に運ぶか」


 モンスター化したテイクは元の人型の姿に戻っていた。


「しかしまさかもとに戻るとは思わなかった。まぁ僕は嬉しいけど。これで仲間を失わずに済むし。さてと」


 ガスタはダーラスに握手を求める。


「これから僕たちは君達に従う。上手く使ってくれ」


 ダーラスは握手に手を返すと


「こき使いまくってやるわ〜」


 と返していた。
 2人が握手を交わしている中ガスタの真横に謎の円状の穴が空間にあく。


「な、なんだこれ?」


 そう思ったガスタは次の瞬間真横に飛び、森の木に左肩をぶつけ、気絶していた。
 ガスタの横に現れた穴から、人が現れ、ダーラスは中から出てきた人物を見て、歯ぎしりしていた。


「お、お前らは・・・」

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