異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

接触

「さぁみんなどうする?僕らはあいつらと明日の夜、ガイアラーの森に入る前の広い森林で戦うんだけど。各々やりたいことある?」


 ガスタは一味の者たちに聞く。
 ガスタ一味はガイアラン皇国旧商店街を根城としていた。


「私は精神統一していたいからその時になってから呼んでくれればいいわ」


 アスレはそう言って旧商店街の奥へ向かう。


「お前らはどうだ?タルム、ハラサ、テイク」


 ガスタはタルムとハラサ、そしてテイクという一味の仲間3人に尋ねる。
 先にタルムが


「あっしはリーダーのそばにいるんでお構いなく〜」


 と呑気にいう。次にハラサは


「俺もリーダーといる。敵のことは知りたいがリーダーを守るのも一味の使命」


 最後にテイクが


「おいもリーダーといるでやんす。男3人仲良くするでやんすよリーダー」


 3人ともガスタといると聞いてガスタは


「ふ、皆僕がいないとダメなんだな全く。しかし明日の夜まで何するかとか全く考えてないしなー。どうしようか?」


 ガスタは残った3人に聞くが、3人とも


「リーダーに合わす」


 と言ってガスタに任せる。


「全くどう時間を潰そうか。今更訓練するのもめんどくさいしなー。さてさてさーてと」


 ガスタが考えていると遠くから足音か何か気配のようなものを感じるガスタ。


「気をつけろお前ら。だれかこちらに近づいてきている。いつでも戦えるように構えていろ」


 3人とも武器を構えて、近づいてくる人を警戒する。
 やがてフードを被った1人の人が見える。


「敵は1人か。さてどういうつもりで僕たちの所に来るのかね」


 ガスタがブツブツ言っている間にフードを被った男はガスタの前にまで来て止まる。


「あんたガスタ・アブラってやつか?」


「いかにも僕こそがガスタ・アブラだが何用かな?」


 男は腕をでしてガスタに言う。


「ある男の依頼であるものを渡しに来た。手を出せ」


 ガスタは手を出し、男はガスタの手のひらにカプセルのようなものを渡し、後ろにいる3人にもカプセルを投げつける。


「なんのカプセルだこれは?」


 ガスタは聞くが、男は


「さあな。私はそれをガスタ一味に渡せと言われただけだからな。それでは依頼はこなした私はこれで役割を終えたのでさらばだ」


 男はその場で消え去り、男はが着ていたフードだけその場に残り、完全に消滅する。


「なんなんだろうなこれは。僕たちに渡せって」


「リーダーはこれを使うのかい?」


 タルムがガスタに聞く。ガスタは


「いや使わない。これはお前ら今その場で捨てろ。知らぬ者からもらったものなど使えるか」


 ガスタはカプセルを地面に叩きつけて踏み潰す。他の3人も同様にする。


「よし、じゃ明日の夜まで何するか考えるか」


 ガスタは言うとタルムとハラサはガスタのもとに近づいて話し合うがテイクだけ自分の手のひら、カプセルをもらった手を見ていた。


「どうしたテイク?こっちに来いよ」


「わ、わかったでやんす〜」


 そう言った後テイクはズボンのポケットに何かをしまいガスタのもとに行く。
 ガスタ一味は決闘の夜まで男衆は笑い合い、アスレだけは精神統一していた。

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