異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

ガスタ一味との決戦前〜アルダスと弓道寺の場合〜

ダーラスとダークルンが妖精族について話している間、街に向かったアルダスと弓道寺は・・・。


「なぜ私と街に行こうと言ったんだ弓道寺」


 街でぶらぶらしている時、急にアルダスは弓道寺に聞く。


「それはあいつらが家族なんだし部外者が久々の再会にいてはあれだろう。話したいこともたくさんあるだろうし」


「それはわかるが、本当にそれだけなのか?」


 真剣な顔でアルダスは聞く。


「まぁほかの話もあるがな。あいつらが話したいことがあるように私も闘将様と喋りたいことはあるのさ」


「闘将と呼ぶのはやめろ。私は今はその地位にいるかは危うい状態だ。監視もされている状態だからな」


「監視?誰にだ?」


 弓道寺が聞くと、アルダスは


「そうだ!ダーラスには監視の任務があるのに私は離れてはいけないんだった」


「大丈夫だろ。1人にならなければいいんだろう?私がいるから大丈夫さ。多分な」


「王はお前が復帰したことは知らないだろう?」


「知らないも何も伝えてないからな。まぁ最近会ってないから何かあったとは思われるかもな。ならば今から城に行くか?」


 弓道寺はアルダスに言うがアルダスは


「私はまだ城には行けない」


「何故だ?私と一緒なら大丈夫であろう?」


 弓道寺は言うが、アルダスは


「あまり言いたくはないが、今私の家の者が皆敵に寝返っていてな。そんな奴が王に会いに行けるわけないだろ?」


「そんな些細なことを気にする王なのか?ガイアラン王は?」


「今までなら気にしないかもしれないが状況が今はヤバイからな。疑いがあるやつから疑うのが当たり前だよ。納得いかなくても仕方ないさ」


 アルダスは言うが納得のいく顔をしていなかった。


「・・・ならば尚更王に会いにいかねばな」


「今の話を聞いていなかったのか?私は王に疑われているんだぞ?それに今は帝国がいつ攻めてくるかわからないから王はそのことに関して考えているのに邪魔をしては・・・」


「この阿保ぅが!」


 弓道寺は言い訳するアルダスの頰を殴る。


「何をする!」


「お前が言い訳ばかりするからだ!いいから行くぞ。お前が王にとってどれだけ大事か聞きに行く!早くしろ!」


 弓道寺はアルダスの手を引き、ガイアラン城へと向かおうとする。
 しかし・・・


「今はいいんだよ!今は戦力強化をした方がいい。だから」


 そう言って弓道寺の腕を払い、アルダスは


「お前の実力を試させろ。今から城に向かうのではなく皇国外に向かう」


「・・・わかった」


 アルダスと弓道寺はガイアラーの森の近くまで行くことにした。

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