異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

魔王将の会話

「アスラス、我は今からこの帝国とは別にある国、ガイアラン皇国を攻めようと思うのだが貴様も一緒に行かぬか?」


 カスマはアスラスにガイアラン皇国に共に行かないかと提案する。


「一つ聞いていいか?」


「?あぁ。構わぬよ?」


 アスラスはカスマにあること聞く。


「なぜガイアラン皇国をお前が攻めに行こうと考える。この帝国の主導者、あの男に任せておけばいいだろう。私たちは念願の魔王様復活に備える方が良くないか?」


「確かに貴様のいう通りその方が良いかもしれぬな。しかし、我にはこの身体を依代として譲ってくれる代わりに我に頼みをしたのだ。この男は」


 カスマはアスラスに言うが、アスラスは納得がいかない顔でいた。


「なんだアスラス。なぜ貴様そんな納得のいかないような顔をしている?」


「当たり前だ。私たちは魔族。なぜ人間ごときの願いを聞かねばならぬ。そんなもの無視すればよいではないか」


「貴様の言うこともわかるがこやつには大事なことらしくてな。我も根負けしたわけよ」


「炎の魔王将が人間ごときに根負けとは恥ずかしい限りだよ。でどんな願いなんだ?」


 アスラスはカスマにカスマの体の依代、アムライの願いを聞く。


「なんだ我にそんなこと言っておいて結局は気になるわけだなお前も」


「そりゃカスマ様が聞くってんだからよほどたいそうな願いなんだろ?」


 アスラスはカスマをあおる。


「ああ。お前にとってはたいそうじゃないかもしれないが我にとってはこいつの願いは」


「願いは・・・」


 アスラスはカスマの言葉を復唱する。


「ガイアラン皇国の王との決戦だ」


「ガイアランの王との決戦だとぅ?」


「言ったろ貴様にとってはどうでもいい願かもしれぬが我にとっては熱い願いだと」


「まぁ熱いとまでは言ってないが。なるほどお前ならそれは根負けするだろうな。なんせお前は」


「そう、我はこう言う決戦と言う言葉には弱いのだよ。はっはっは」


 カスマは笑いながら言う。
 アスラスは誇ることかよそれとは思いながら聞いていた。


「お前がガイアラン皇国に攻めに行く理由はわかった。しかし、何故私まで誘う?炎の魔王将であるカスマ、お前がいれば人間の国くらいは簡単に落とせるだろ?」


「確かに簡単かもしれん。だが我はガイアラン王とのためにできるだけ温存しておきたいからな。ウォーミングアップ程度には動くつもりでいるが流石に弱者だらけの皇国ではないと思うからな。だから出来ればだが親友であるお前も来て欲しい」


 アスラスは少し考える。カスマのお願いを聞こうかどうかを。確かにアムライも軽くウォーミングアップはしたいが人間ごときのために誇り高い魔王将が2人も行くものかと。
 少しの間アムライとカスマの間では沈黙状態でいた。

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