異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

ガイアラーの森の悪魔

 カルナクとヴラドリオが話している間に理人も皇国入口に辿り着く。


「すまない。遅くなった」


「全くだ。早く向かおうぞ」


 急いでいたヴラドリオは理人が合流した瞬間、カルナクに言う。


「待ってくれ。まだガイが来ていない」


「いや俺はここにいる」


 カルナクが言うといつのまにかガイが皇国の入口にいた。


「いつからいたんだ?」


「今理人が来たくらいにひょっこりといたよ。理人の後ろに」


 後ろにいたと聞いて理人は


「少し怖いぞそれお前。でギルドに行って何してたんだ?」


「ギルドでクエスト受けて来た」


「アワルディア帝国に行くときにこなせるクエストなのか?」


「ああ。多分これをこなせればお前は喜ぶと思うよ。依頼者はわからんがな」


「?」っと思った理人だがまぁ街にも考えがあるんだろうと思い、クエストのことはガイに任せて気にしないことにした。


「さてそれではアワルディア帝国に向けて出発しようか」


 ヴラドリオが仕切ると、ガイが口を出す。


「待ってくれ。アワルディア帝国に向かうにはガイアラーの森を抜けて行くんだろう?」


「まぁアワルディア帝国に行くにはあそこを超えて行くのが一番近いからな」


 まぁ近いと行ってもアワルディア帝国に向かうにはガイアラーの森を超えるしかない。昔はほかにも道はあったらしいが今はそれも無くなってガイアラーの森を超えるしかない。


「ギルドからここに来るときに軽い噂なんだが聞いて見たんだ。少しやばいっぽいから」


「やばいとは?」


「ガイアラーの森を夜歩くと悪魔のようなモンスターが現れるらしい。そしてそいつを見たやつは2度と帰ってこられないという」


「噂になってるなら誰か話してたってことだろ?」


 ヴラドリオがガイに聞く。まぁそうでなければ噂にはならないだろうからね。


「それはな、二人組で行った冒険者の一人が運良くさっき戻って来てあっという間に噂になったらしい。行方不明の噂はもともとあるだろう。だからすぐに広まったんじゃないですか?」


 「なるほど」とヴラドリオは返し、


「特徴とかは聞いているのか?」


 とガイに聞く。ガイは噂を聞いた程度なので


「そこまで具体的なのは知らない。ただ聞いた噂ではそのモンスターは生き物の血を吸うらしい」


「血を吸う?変わったことをするものだな。何にせよ、そやつとあったらとりあえず各々で対処することにしよう。では行くぞ」


 ガイアラーの森の悪魔に関しては各自で対応することにし、理人たちはガイアラーの森へと入った。






 その頃ガイアラーの森では


「はぁはぁ人間の血は最高だな。やはり外はいい!こんなにも生き物にあふれているのだから」


 ダーランマに何かを飲まされ吸血鬼となったマリアルはガイアラーの森で快楽のままに血を吸いつずつけていた。

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