異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

イナハルの回復

 アワルディア帝国が着々と実力をつけている間、ガイアラン皇国も、個人個人己に何が足りないかを模索していた。
 前回のバウラム、アムライ襲撃に対してもガイアラン皇国は劣勢を強いられ、ほとんどの強者が敗戦した。


「さて、我々が今しなければならないのは個人の強化だ。」


 ガイアラン皇国王は、ガイアラン皇国の中で実力があるものを集め会議を開く。
 そこには理人も入っており、他には実里、アルダス、ダーラス、ガイ、カルナク、ヴラドリオが集まっていた。


「我々の中に強者はこれだけしかいない。アムライたちの裏切りの襲撃により、同盟相手のリーダー、弓道寺も死にはしなかったがかなりのヤバイ状態だ。しばらくは戦えないと思う。そこで戦力強化と同時に村や他の国を回り、助力を求めて欲しい。」


「待ってください王よ。」


 ガイアラン王が演説している中、アルダスが挙手する。


「何だアルダスよ?」


「なぜこの場にはアムライ7だったものたちを入れていないのですか?彼らは我が皇国の戦力としてはかなり使えると思うのですが?」


 はっはっはとガイアラン王は笑い、


「愚問だぞアルダスよ。アムライが敵に回った今、彼らを信じることなど私には出来ない。よってアルナラたちは指名手配とする。」


「そんな!そこまでしなくても良いではないですか王よ!たしかに父は敵に行ってしまいましたが彼らがつながっているということは・・・」


「そんなこと言えるのかアルダスよ。彼らはこの皇国のためにたしかに尽くしてくれた。しかし私は信じることはできない。かつての友、アムライが私を裏切ったのだからな」


 ガイアラン王の言葉に何も言えないアルダス。アムライだけでなく、バウラムも裏切っていたので今アルダスの地位は危うく、下手をすればアルダスも捕らえられてしまうので不容易には発言できない。






 皇国で会議が行われている間、皇国の病院では
切り裂き魔との戦いで重傷を負った男が目覚めようとしていた。


「ーーーっ。」


 イナハルの意識が途絶えている間、1日に3回、イナハルがいつ目覚めるかもわからないのでスタッフは訪問していた。


「イナハルさんまだ意識が戻らないわね。ちょくちょくダーラス様が訪れて語りかけているけどいつ目覚めるのかしら」


 女のスタッフはイナハルの寝ているベッドを見ながら言う。


「ーーーーッ」


 ピ!ピッ!
 医療器具が反応する。そしてスタッフの人はイナハルの顔を見る。すると・・・


「こ・・・ここは?」


「!イナハル様!目覚められましたか!ここは病院です。今先生を呼んできますので少々お待ちください」


 スタッフは急いでイナハルの病室を出て、担当の先生を呼びに向かった。

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