異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

近づく悪意

「びっくりだわ。まさかアルダスが負けるなんて」


 ダーラスはてっきりアルダスの圧勝と思っていたのだが、カルナクがアルダスに勝ったことに驚愕していた。


「やはり腕は衰えていないなカルナク。いや以前にも増してつよくなったんじゃないか?」


「そうですか?あまり自分でもわからないのですがそれなら嬉しいです」


 ヴラドリオはカルナクの戦闘を久々に見て思った。ヴラドリオに素直に褒められたカルナクは気分が良かった。


「よかったね。闘将を一応倒したんだからこれでレジスタンスとの同盟を反対する人はいないよ」


 ダーラスはカルナクとヴラドリオの近くまで来て言った。


「ダーラス様。アルダス様は大丈夫ですか?手加減無用と言われたので加減なしで腹を思いっきり殴ってしまいましたが様子はどうですか?」


「あれくらい大丈夫さ。多分もう少しすれば普通に起きてくるだろうからな。ひどいことを言うようだけどあのくらいの攻撃を何回も受けきれるほどじゃないと闘将なんて座にはいないだろうしね。とりあえずアルダスが起きるまでと君のところのリーダーが戻って来るまでどうしていようか?」


 4人はとりあえずどうしようか考えていた。






 一方、弓道寺を追いかけていった理人は、カルナクとアルダスが戦っているであろう最中に、皇国の入り口で弓道寺を探していた。


「弓道寺さーん!弓道寺さーん!くそ〜弓道寺さんこっちに向かって走っていったのが見えたからここらへんにいると思うんだけどな」


 理人は大声で呼びかけても、弓道寺は現れなかった。


「どこに行ったんだろう弓道寺さん」


 理人はとりあえず入り口付近を回って探すことにした。






 弓道寺はその頃、最初に入り口に着いた時にはすでにカルナクたちがいなかった為外に出たんじゃないかと思い、ガイアラーの森を探索していた。


「カルナクのやつ。乗り気じゃなかったから森の方にいるかもしれねぇ。こうなったらくまなく探してやる」


 そう言って弓道寺はくまなく森の中を探していると、森のどこかで「ズドーン!」という音が響いた。


「なんだなんだ。すごい音がしたが、俺には関係ないかもしれないけど、森のの中にカルナクたちがいるなら行くかもしれないからな。どれ音のした方角まで向かってみるか」


 弓道寺が素早く音のした方角へ向かったが意外と近くですぐに着いていた。するとそこには男2人が地面に倒れていた。


「これは・・・。おい!お前ら大丈夫か?」


 弓道寺が呼びかけるが反応がなかったので弓道寺は1人を上半身を持って揺さぶった。


「死ぬな〜!まだ死ぬな〜。ってあれこの人師匠じゃないか!」


 なんと倒れていた男のうちの1人はもと弓道寺の師匠だった。

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